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インセプション観た
 日記

 話題の映画『インセプション』を観てきましたよ。

 なんか、こういうの好きな人たちって昔からいるよねって感じ(自分含む)。
 多層構造の世界、というネタは、前からかなりの数あるし。『百億の昼と千億の夜』とか、最近なら『順列都市』『ディアスポラ』とか。映画なら『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』とか。
 中にはカルト的な人気を博すものも少なくない。もちろん『アヴァロン』でもいいし『未来世紀ブラジル』でもいいんだが。『マトリックス』? ああそれもある。
 あと、日本の小説ならミステリとされる分野でいくつか読んだ気がする。あまり読んでないので思いつくところで『アラビアの夜の種族』『匣の中の失楽』『名探偵夢水清志郎事件ノート 機巧館のかぞえ唄』……まああまりに個人的な読書範囲なのだけど、たぶん数え上げはじめたらきりがない。
 昔からすごくたくさんあるやつなのだ。たぶん数千年前からあるネタで。観る前から感じてたのは「いまさらこれ?」感だった。
 だって、夢にもぐるなんて、もはや使えないでしょふつう。誰でも思いつくし、あまりに使い古されてる。しかたないから夢じゃなくてサイバー空間にしたり、夢と現実を逆転させたり、小説の中に小説が登場するメタ構造にしたり、いろんな手管が駆使されてきたジャンルで。
 それなのに、インセプションはあまりに素直に夢に潜っちゃうんである。この企画よくとおったなと思うくらいだ。
 観たあとでも、そんな印象は変わらず。

 むしろアクション映画だろうこれは。と思う。それもBの線の。
 夢にもぐる設定の説明とか(ただしSF的ガジェットの説明は一切ない)、ひとつのプロジェクトの準備とかを前半でやり、後半は、それを一気に爆発させる。おなじみの話だ。
 前半で構築してきた世界があるからこそできる、後半のバカアクション映像を楽しむための映画。だと思うわけで。
 その意味では、おもしろいところはけっこうあったが。まだやれるだろという感じもする。若干ものたりない。
 2層目楽しかったけど3層目イマイチじゃね?

 SF的な説明は完全に省かれていて。レム睡眠という言葉さえ出てこない。その代わり、夢の中では時間が延びるなどの設定だけが語られる。
 しかし、それでも語りきれてない。前半はけっこう早足で説明されるんだが、説明しきれない。
 そのこと自体はかまわない。整合性よりテンポというのが、いまどきの流儀じゃないかという気もしているし。むしろそれでいい気もする。
 なのでむしろ、SFというよりは、超能力モノと思ったほうがいいくらい。なにしろ「夢」だし。SFガジェットを必要としないための、ド直球ネタだ。
 そのあたりの、SFなんてもう時代遅れ感はハリウッドでも同じだよねというか。
 日本のライトノベルとかマンガとかでは、もうとりあえず魔法か超能力といっとけみたいな世界観ばっかりだ。これはアメリカもそうなんである。
 めんどくさい設定なんてもはや誰も耳を貸してくれなくなってるよねーというか。

 ラストシーンのこともあり、いろいろ深読みする記事が出てきてると思うけど。そこはちゃんと深読みさせるように作られてるわけで、狙った面もあるだろうと思う。でも本質は、わりと素直にバカアクション映画だと思う。
 でもまあ、そう思っちゃわないほうが、深読みできて楽しいかもね。


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