遊星ゲームズ
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テーベの東
 ボードゲーム

2007.12.02 16:14 てらしま
テーベの東
Jenseits von Theben
2006年
Queen Games
Peter Prinz
2-4人(4人)
90分
thx to play:game
amazon

 たぶん誰もがいうことなんだけど、たしかにそうなのでここでもいう。おもしろいけど運ゲーだ。
 プレイヤーは吉村作治みたいな考古学者。ヨーロッパ中の大学を巡り歩いて遺跡に関する知識を集め、スコップを買ったり現地の案内人を雇ったりして準備を整えてから、地中海にいって遺跡を発掘する。
 この遺跡の発掘が、けっこう運なのである。勝利ラインが50点そこそこのゲームなのに、引き運の結果だけで、10点や20点の差は平気で出る。
 なにしろテーマがテーマだけに、運ゲーだからといって文句はあまりいえないわけだけど。

 発掘の方法は、

  • 巾着袋からタイルを引く

 というもの。遺跡の数だけ巾着袋がある。
 巾着袋には得点の書かれた発掘品が入っているけど、ハズレのガラクタも入っている。というか、はじめからガラクタのほうが多い。
 発掘にかける時間と、その遺跡に対する知識によって引ける枚数が変わったりもする。
 そうして引いたもののうち、得点が書かれているタイルはもちろん獲得できる。
te-benohigasi.jpg そして、

ガラクタは袋に戻す。

 ……。
 次に同じ遺跡にやってきた人は、アタリを引ける確率が下がるんである。

 引き運はどう考えても大きい。発掘品に書かれてる得点も、1点から7点と幅がある。
 しかしまあ、その変動する確率を考慮したうえで、いつ発掘するのかとか考えることはできる。ヨーロッパで知識を蓄えてから発掘にいくのか、準備なんてそこそこにさっさと遺跡を荒らしにいくのか、わりとそれなりに考えながらプレイできたりはする。
 発掘ゲームではあるけど、ヨーロッパの大学で過ごした日々も無駄にはならない。各遺跡について一番知識を持っているとゲーム終了時に5点もらえたり、学会で発表をくりかえして得点をもらったりという、別の得点手段も用意されている。
 そのあたり、実に作りこまれている。
 各遺跡に対応した5個の巾着袋が入っていたり、かける日数と知識点からタイルを引く枚数を決める「時計」とか、小道具も力作だ。
 なによりやってて楽しいし、まちがいなくいいゲームなんだけど。

 しかし。やはりゴッドハンドにはかなり勝てない。「1枚引いたら死海文書を見つけたよ〜」とかいわれると、大学で一所懸命に勉強してた人はがっかりだ。
 そして、まあ4人もいれば一人くらいは、ツいてる奴がいるじゃん。

 このゲーム、実は運ゲーにしない選択肢もあったと思う。「巾着袋から引く」部分を、たとえば『郵便馬車』みたいに決められた順序でタイルを積んでおくようにするとか。そうすれば「早い者勝ち」は残るし、ゲームは安定する。
 または、発掘による得点の分散を小さくするとか、最低でも得点は入るようにするとか。
 しかし、たぶんあえて今のかたちを採用したのだと思う。それはやっぱり、発掘の山師感を表現するためと、逆転の可能性を残すため。
「運ゲー」のそしりは受けるだろうが、たぶんそんなことはわかっている。それでも、ゲームのテーマと合致しているし、巾着袋からタイルを引くという行為そのものが楽しいと思えば文句がいえない。
「おもしろいけど運ゲー」それでなにが悪い?

cut4.jpg

テーベの東を