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アメージングテーブルゲーム
 ボードゲーム 読書

アメージングテーブルゲーム
八重洲出版

2010/10/24 03:09 てらしま

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 ボードゲームの紹介誌ということで、買ってみた。
 内容は、かなり一般向けの紹介。写真が大きく、文字が少ない。ゲームの内容をくわしく書くのではなく、そのゲームのどこが楽しいのかを写真で紹介する。
 全部フルカラーで、装丁もきれいでわかりやすい。眺めていて楽しくなる、紹介誌としていい内容だと思った。
 ボードゲームショップに置いてあるとのことだが、これはむしろ一般書店にあってほしい。

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 1ゲームを1~2ページで紹介するページがメイン。それ以外の、少し文字が多い記事で、人生ゲーム、野球盤などが特集されている。
 特徴的なのは、黒ひげ危機一髪! や脳波トイ『マインドフレックス』などがいっしょに紹介されているところ。これらはもちろん、ボードゲームというよりおもちゃだ。この本は、ボードゲームとおもちゃがいっしょくたに紹介される本なのである。
(マインドフレックスは興味深い。だれか買って遊ばせてくれないかなー)

 こうなると、考えてしまう。
 ボードゲームというのは、中途半端な立ち位置にいる趣味だ。ゲームなのか、おもちゃなのか。マニア向けなのか、子供向けなのか。本当にさまざまな顔をもっている。そういうものの狭間でゆらゆらしてるのが、我々ファンなのだけど。
 この本はその中でも「おもちゃである」という視点から作られたと見ることができる。
 たしかに、ボードゲームの裾野は広がっている。顔見知りのマニア同士で語り合っている世界とは、少し様子が違ってきているかもしれない。そうなればもちろん、マニア向けとは逆の方向のベクトルに振れていくことになるわけだ。
 おもちゃである。そうであっていい。
 徹底してそういう視点からの内容であることが、この本を特徴づけている。むしろ、そここそを高く評価している。
 ただそんな本を見せられたファンとして、考えてしまうのだ。
 ボードゲームはどうなりたいのか? どうなれば成功なのか?

 これは誰かが決めることではないだろう。けっきょくは、マクロな市場が判断することだ。
 しかし、こういう本がそこに多少の影響力をもっているとするなら。
 そういうことを考えたとき、この本には、個人的な思いからどうしても納得のいかない欠点がある。
 それは、ゲーム紹介ページにデザイナー名が表記されていないこと。
 わたしもゲームを作ってしまった人間だ。だから、これは本当に個人的な思いなのかもしれないのだけど。
 ゲームを作るのは人間だ。ゲームは誰かの作品だと思う。
 個人を消してしまうのは、日本らしいのかもしれない。ゲームのパッケージにさえ、デザイナーの名が乗っていなかったりする。それが、どうしても納得いかない。
 こういういいかたは好きではないのだけど。日本は、開発者の評価が低すぎる。
 ゲームを作るのはゲームデザイナーであり、ゲームに責任をもつのもゲームデザイナーだ。ゲームにデザイナーの名前が付加されて、デザイナー名がひとつのブランドになってはじめて、品質に関する競争が生まれるんじゃないか。

 個人的には、パッケージにデザイナー名がないゲームの評価は一段低くなる。それは、たとえばドイツやアメリカの、それこそデザイナー名がタイトルの上に書かれているようなゲームとは、乗っている土俵が違うと感じてしまうからだ。
 個人的な願望として。ゲームはもう1レベル上の文化であってほしい。
 そのためには、デザイナーが尊重されることが必要条件だ。漠然とそう感じているのだがどうだろうか。

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アメージングテーブルゲームを