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インシテミル
 読書

インシテミル
米澤穂信 文藝春秋

2007.10.30 23:09 てらしま

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 西島大介の表紙が目印。なんというか、おもしろかったし、だから紹介したいんだけど。なんていうか。
 新本格がとんでもなかったからといって「とんでもない!」とか、いまさらいってもしかたないんじゃないかーというか。
 でもいうけど。とんでもないです。おもしろいです。

 ただ、舞台設定とかはごくごくあたりまえである。
 法外な報酬につられて集まった12人の男女が密閉空間にとじこめられて、そこで疑心暗鬼の殺しあいがはじまるのだ。
 っていうか、なんでこれがあたりまえになってるのか知らないけど(笑) 特にミステリファンでないわたしでも、少なくとも2ケタはそういうのを読んだ記憶がある。
 バトルロワイヤルといっておくのがわかりやすい。でも、たしかにあれがこの量産体制に影響している可能性は高いとはいえ、そもそも珍しい話じゃない。というか、ようするに、とくに新本格系ではあたりまえもいいとこな設定だ。
 しかも、べつに舞台設定にひねりはない。
 だから迷ってるんである。オチにはびっくりしなかったとはいえ、とても素直に納得できたし、おもしろかったわけだが。あたりまえもあたりまえな新本格から少しでも逸脱したところがあったかといえば微妙だから。

 ミステリだから、話についてはあまり書かないけど。
 この主人公がいい。妙に醒めてて、人が死んでもパニックになったりしない。なにしろそれは読んでる人と立場が同じなわけだから、とても素直に共感できる。
 ちなみに、オビの謳い文句は
「見つかった。何が? 私たちのミステリー、私たちの時代が。」
 ああそう。まあそうだろうけど。そうかもねー。
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