2006ドイツワールドカップ 決勝リーグ1回戦
イタリア 1−0 オーストラリア
うわひっでえなんだそりゃという結末。まあ主審が暴れた上試合を決めちゃった系なんだけど。でもそれを完璧に利用してみせたイタリアが強かったのだ。
10人になったってそれほどの危険は感じないイタリアだけど、もちろん攻撃には齟齬をきたしていて、オーストラリア以上にゴールの気配がない。
得点の入る理由が一つもなくなってしまった試合展開である。
こうなるのはもちろん、イタリアの「カテナチオ」がやっぱりすごいから。1対1にとても強い人たちが集まっているチームなんだが、ブラジルのようにそれを攻撃に使うメンタリティは、イタリアにはない。ゴールされないことが最優先で、他の国のサッカーの基準で見れば2人くらい過剰にディフェンスに下がる。
ディフェンダーが1発レッドで退場して、前を下げて守備を固めた。つまり攻撃はどう考えても足りない。でもあたりまえのように守備を続けるのが、イタリアだ。
そしてロスタイムに、突然の攻撃をみせた。
といってもリスクは犯さない。たった一人の、ドリブル突破だ。
リスクを犯さないことに関して、イタリアの選手たちは徹底している。守備には必ず7人必要で、だから、攻撃に割ける人数は2人だけ。
なりゆき上カンナバーロがドリブルで上がる場面があったのだが、そんなときも、周囲のチームメイトは誰一人としてフォローにいかなかった。
ディフェンダーが攻めあがる、ということは全員攻撃を意味する、わけではない。それは、たまたまその瞬間に攻撃を担当する人間のうち一人がディフェンダーだったというだけの話なのだ。あくまで、守備に割く7人という数が最優先なのである。
「攻撃的になった」といわれるイタリアだが、それは守備の人数が8人から7人に変わったってこと? まあそうなんだろうなあ。
守備的なチームは数あれど、やっぱり、イタリアほど特異なチームは他にない。
ロスタイム、それも残り1分を切ったラストプレイ。グロッソが、左サイドから単独突破を試みる。フォローがこないことはわかっている。だから単独突破、というよりもたぶん、ペナルティエリアの中で倒れるために走ったのだ。
イタリアは一発レッドで人数を減らしている。たぶん、主審にもその負い目があった。それで、目論見は見事に成功。
トッティがPKを決め、試合終了。
ヒディンクは延長戦のために交代カードを2枚も残していて、準備は万端だったはずだ。オーストラリアはここからが勝負、のはずだった。
ひでえ試合だ。でも、思わず笑ってしまうほど見事に、イタリアらしい。
こういうキャラの立った試合は、なんともワールドカップならではだ。イタリアがこういう試合をするといつも、ワールドカップって楽しいなあと思う。
[2006.06.28 23:37]とりい :
まぁ、イタリア的な攻撃的なサッカーってのは、8人のディフェンスから点を取れる2人がいるってだけだから。そりゃファンタジスタと言われるのもうなずける。
個人的には半分やる気なさそうにプレスにいってるピルロがいいね。
たしかに点が入る気がしなかったんで、後半43分に見るのをやめて寝たよ(笑。