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マリア様がみてる 仮面のアクトレス
 読書

マリア様がみてる 仮面のアクトレス
紺野緒雪 集英社コバルト文庫

2006.06.29 21:23 てらしま

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 そりゃまあおもしろいのだが。なんというか、話のスケールをあえて落としてる感じがやっぱり、物足りない。といったって、だからどうしろということでもないけど。
 どういう話になるのかさえ、必死に隠しつづけて、話を進めないようにしているのは、やっぱりそういう要請があるのかねえとかいまさらなことをいってもはじまらないが。つまりなんだ。
 わかりきっていることを書きつづけてたってこのシリーズは許されるし、これほど時間をかけて作り上げられてきたキャラクターはもう、なにやっててもある意味ではおもしろいわけだが。
 読み終わって、というかページの残りが少なくなってきたころに、ものすごい不安に襲われるのだ。ああ、また今回もなにも起こらなかったのかと。
 そしてもちろん、なにも起こらないまま終わっちゃうわけで。まあ1センチくらい進むんだが、そんなの3行でできる話だしなあ。

 ただし。だからどうしろということでもないのである。話はわずかでも進んでいるのだし、展開がつまらないとか間違っているとか、そういうことでもない。単純な完成度では間違いなく、シリーズ初期よりも高いし。
 瞳子がらみの話を真剣にやっているという意味では、ちゃんとおもしろい展開をやっているのだし、たぶん、数ヶ月に一度読むからいけないのかもしれない。シリーズが終結したあとで全巻をまとめ読みすれば、最近のこの展開も充分に楽しめるものなのかもとは少し思う。

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マリア様がみてる 仮面のアクトレスを