タイトルの通りなんですが、思ったことをだらだら書こうかと。ゲームマーケット近づいてるしいろいろ欲しいなと思ってるし、それを遊んだ後どうするのか、やっぱりまた考えることになるからです。
まず同人ボードゲーム作家としての自分の話を書きますが。これは読み飛ばしていいです。
わたし、2ちゃんねるで嫌われてまして。まあ普段からゲームを酷評とかするし、けっこういいたいことを我慢しないし。
しかも、自分で創作ゲームも作ってる。それがよくない。お前の作品はつまらないのに偉そうなことをいうなと。本来まったく関係ないと思いますが、気持ちはわかる。創作と批評は両立しません。他人にはお勧めしません。創作をする人は、自分の考えを口にしないのが正解です。ネットというのはそういうところです。
たぶんわたしのことを敵だと思ってる人もいるでしょうし、いわゆるネガティブキャンペーンを受けることもわりとあります。こういう記事を書いてること自体アレだろうな……、とはいますごく思ってます(笑)。
ともあれ、遊星からのフリーキックが作るゲームはネガティブな感想をいっていい対象になっている。これは自分が望んだことでもあります。感想をいってもらえないのは困りますが、褒める人だけがいる状態はもっと悪いです。
ネガティブな感想だろうとなんだろうと、いいたいことはいっていい世界であってほしい、というのが、わたしの願いです。わたしもいうし、いわれる。それが自然だと思います(言い方ってのはあるだろうけど)。
ところで。ネガティブな感想が売上げに響くかというと、たぶんあんまり関係ないです。批判でも炎上でもなんでもいいので、話題になった回数が多いほうが売れる、あるいは、プレイされているから話題が出ているというのが実際でしょう。
最近増えたサークルの方々には少しだけ気に留めておいてほしいのですが。うち以外にもありますが、古参でもなく新参でもなく数を多めに出している、このあたりのポジションが一番タフだと感じます。いま増えているサークルの中で、数年後に同じポジションになるサークルが出てくるかもしれません。そんなときは、気にしないことだと思います。それはそれで幸運なことだと思います。
と、ここまでは聞き流していいんですが。自分はある意味幸運で少し特異な状態にあり、そのことはおもしろいので書いておきたいというか。同人の話では第三者になりえないので、自分の話が入らないとおかしい気がするというか。
いま同人ボードゲームは盛り上がってます。ゲームマーケットの出展数は今回もすごく増えてます。びっくりします。おもしろいゲームもたくさんあるし、世界に進出してる人たちもいます。すごいです。
そんな現状で思うのは、急速すぎたのかもしれないということです。同人ボードゲームの世界があまりに急速に拡がって、ユーザのほうがどう対応していいかわからなくなっている。そんな気がします。というか自分がそうです。
自分の場合はまず、ネットで感想をいっていいのかどうか。
同人作家同士はわりと知り合いになったりするんですが、もちろん全部の作品がフォーミーのはずがない。相手に遠慮して悪い感想をいわないようにしていると、すぐになにもいえなくなります。褒めることさえ難しい場合もあります。「あいつのゲームは褒めたのに自分のゲームは褒めないのか」と感じる人が、いるかもしれないからです。知り合いが多ければ多いほどなにもいえなくなっていきます。同人作家に限りません。創作をしない人でも、作者と知り合いという人は多いです。ゲーム会ではいろんな人に会うし。
わたしもほとんど感想をいえません。本当はいったほうがいいと思っているので、ダブルスタンダードです。できるだけ、やれる範囲で率直な感想を書くようにしていきたいと思っています。が、できるかどうか……。2ちゃんねるで名前が出てしまう程度の知名度はあり、影響力がないとはいえないわけで。最終的にはやっぱりなにもいわない人になるかもしれません。
似たような話ですが。同人ゲームが海外製ゲームと大きく違うところがあります。選別の時間がなく多くのプレイヤーに行き渡ることです。
海外製ゲームはなんだかんだといっても、おもしろいモノから入ってくる。そのころにはレビューもすでにあるから、ユーザが選ぶ暇もある。でも同人ゲームは、ゲームマーケットという場でいっせいに、大量に世に出回ります。評価の定まった欲しいゲームを選ぶ時間がない。
いまは、数百個売れる同人ボードゲームが珍しくありません。この数って、多くの海外製ボードゲームの国内流通数より多いです。
たとえばわたしは人狼やパーティゲームがノットフォーミーですが、同人ゲームを追っているとどうしても避けられません。自分がやりたいのと違うジャンルの遊びに参加してしまったときは不幸です。いまの日本の同人ボードゲームは、そういう状況を生みやすい。
余談ですが。この不幸を避けるひとつの方法は、選別のための時間を作ることです。まずは生産数を絞る。需要の数分の一の、少ない数しか作らない。当然あっという間に完売しますが、完売したゲームというのは適切な場所に行き渡っている可能性が高い。わかっている熱心なファンから買っていくんだから。そしてその後、評判が確立してから増産する。情報はもう流れているので、今度も本当に欲しい人が買っていくことができる。そういう手法を(結果的に)確立させているサークルも出てきています。とてもいい方法だと思いますが、誰にでもできるものではありません。最初からボードゲームに適切なラベリングがなされていけば、この過程を踏む必要がなくなってくる気はします。
それはともかく現状。例えばわたしが人狼亜種を遊んだとしたら、それは多くの場合、望まない遊びです。もちろん楽しむよう努力するし、じっさい遊んでいれば楽しい。でも感想を書いたら、どうしたって酷評と読める内容になるかもしれない。人狼自体をおもしろいゲームと思っていないんだから。
そんなとき、感想をいっていいのか。ノットフォーミーなものの感想はいわない、という区別はありえるけど、フォーミーとノットフォーミーの線引きはとても難しいです。
少し話が変わりますが。値段というのも感想の材料になります。同人ボードゲームの値段はいくらが適正で、いくらからが高いのか。同人ボードゲームは高いとよくいわれます。これも難しい話です。
制作側から見れば、いまの同人ボードゲームの一般的な値段はとても安いです。商売として成立するためには、現状の2倍はほしい。これ、ぜんぜん極端な話ではありません。3倍でもおかしくないんです。自分の場合はシリアスに値付けしてるほうでしょうが、これでも正直安い。
「商売」というのがまず同人としておかしいという意見もあるわけですが……、これもまた難しい話で、例えば「コミックマーケットにお客様はいない。販売ではなく頒布だ」というのは、二次創作の権利関係のトラブルを減らすためであるとか、同人サークルが商業誌と同じサービスを提供することはできないからだとか、そういう話だと思います。でも現実には頒布と販売に違いなんてないし、コミケでもそんなことはずっといわれています。
同人は生産数が少ないので、商業よりも高いのが本来です。同人マンガ誌の場合はじっさいそうなってる。同人ボードゲームは、商業ボードゲームの数倍の値段で当たり前ではあるわけです。
でもボードゲームは単価高いし。真面目に値付けすると、とんでもない値段になります。そもそも海外製のボードゲームってなんであんなに安いんだろう……。
というのが、作る側からの話。客として見たら当然、出せる金額には制限があります。誰もがお金持ちじゃないし、わたしだってそう。それでも自分は普段からボードゲームを買うほうの人間です。ある程度までは麻痺してる。具体的には、ドイツ製のおもしろそうなやつで1万円以下なら買えるでしょう。この閾値はたぶん、もっと安い人のほうが多い。5000円とか、3000円とか? 人によって違います。
で、それが同人なら? 確かに自分でも、同人に1万円は出せないです。おもしろいのかどうかわからないし、リスクが高いから。それにコンポーネントの面でも、海外製の商業ボードゲームほど豪華じゃないことがわかっている。
客の立場から見たら、同人ボードゲームは海外製の商業ボードゲームより価値が低い。どうしたってそうなる。自分もそうなのです。でも、そんな客の視点で「高い」ということはできない。本当はぜんぜん安いんだし。
コミケで使われる「頒布」という概念は、そういう部分でも同人作家を守っているのかもしれません。商業ではなく頒布されたものを同志として受け取ったのであれば、値段を気にする筋合いではない。そういう意識が客側にもある気がします。そういう意味で、現状の同人ボードゲーム界に「頒布」という概念はないんだと思います。この言葉、自分は使っていません。
といってもこの話は、自分の中は結論が出てます。同人作品の値段についてはなにもいえないです。高くても安くても、そのことをなにかの基準にすることはできません。でもそれも矛盾なわけで。
だらだら書いてて話が逸れ気味ですが。つまり、同人ボードゲームの感想をいうのって難しいなあと。ずっと思ってるのですが、バブルが膨らみつづけていてさらに難しくなってる気がします。
特に結論もないです。
ただ好きなこといえる環境のほうがみんな幸せだと思うので、できるだけ書くようにしたいんだけどどうしたものかなあ。と個人的に思っています。
たなやん -2013/10/28 12:14
よく出る話題ですね。私の周り限定かもしれませんが。
私もてらしまさんと同じようにがんがん言ってしまう方ですが、1つは東京に集中しているため、そう見えやすいのかな、というのがあります。関西にいるからかもしれませんが、WEBに限らないのであれば感想は聞きやすいです。いまいちだったとか名作だったとか。逆に関西の感想はあんまり聞けませんが(まあ、そういうことなんでしょう)
これには「作者」自身が過去に感想を書いた人に直接反論する、ということがたびたび起こっていて、それを受けた人たちが「じゃぁ、書かねえ。ほしくもなくなった」ということがあったためじゃないかなと思っています。
後、別の切り口として、正しい評価ができない、というのもあるかなと思います。未知のゲーム、特に誰にも評価されていないゲームは非常に評価しにくいんだと思います。
日本人(だけではないですが)は基本的に憶病です。しかも上記の話も相まって何も言えないんじゃないかなとも思っています。
海外でも話題にならないゲームっていうのは多々あるんだし、感想もらえない=面白くなかったんだ と思うようにはしているんですけどね。
私も作り手なので、難しいですよねぇ。
てらしま -2013/10/29 08:47
わからないから評価しにくいっていうのはあるかもですね。それも適切にラベリングされて、わかる分野のものから買えるようになればいいのかなあと考えてはいます。
作者がなんかいうのはよくないですねー(笑)。
通りすがって -2014/01/08 11:09
ワーカープレイスメントの記事からこのサイトを知りました。
事前の知識がなかったので、楽しく読ませていただきました。
とても面白いし、ためになるので続けてほしいな。という応援メッセージです。笑