遊星ゲームズ
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喰い合うゲームショップ
 日記

だが昨年あたりから、大企業による食い荒らしではなくて、中小ショップ同士の食い合いの様相が散見されるようになってきた。
同じタイトルを複数のショップが輸入し、それぞれ別々に訳を作って売り出す。発売は1日でも早いことを競う。結局同じくらいの時期に売り出すが、ユーザーが分散するため、どこもあまり多くは売れない。さらに、ユーザーの評価が今ひとつだったりすると目も当てられないような状況に……そんな事態が起こっている。

 これは市場が拡大してるという意味なので、危惧にはあたらないですよと思った。むしろ歓迎していいのではないか。
 つぶれるショップがあるなら、それはしかたない。というかそれは競争の結果なので、健全な現象だ。

 わたし自身のことを考えても、注文する店は以前より増えている。
 ショップが増えた分、手に入るゲームの種類も増えているという実感がある。歓迎していいことだと思う。

搬送にも翻訳にもコストがかかるから、同時並行で同じことをやるのは全体で見れば大きな損失である。競争原理がはたらいて価格が下がったり、翻訳の質が上がったりするならばよいのだが、実際は売れなくて価格を上げることになったり、翻訳に手間をかけられなくて質が落ちたりする恐れのほうが大きい。

 もし本当にそれがユーザの不利益につながっているなら、それはショップにとっても不利益だろう。価格に見合うサービスを提供できないのだから。
 翻訳の質が悪いショップ、搬送費が高いショップが、つぶれていくということだ。
 または、翻訳に手間をかけず、早さという付加価値で勝負するショップも当然あっていい。
 これも、市場原理にしたがった健全な結果。
 クールすぎる意見と思われる向きもあるかもしれないが。これはむしろ逆だと思う。競争がちゃんとおこなわれることのほうが、全体の利益になるんじゃないかと思う。
 むしろ、ショップ同士の仲がよすぎて価格競争が起こらないのはまずい。自分で値札を貼れない事態になったりしたら、それこそつぶれるショップが続出してしまうと思う。

 重要なことだが。市場原理は放っておけば働くのだ。
 客は、価格に見合わない商品を買わない。ショップとしては、売れなければ価格を下げるか、付加価値を向上させるしかない。

「翻訳ゲームルール屋」が商売として成立する段階が近づいている、という見方をすればいいんじゃないかと思う。各ショップに、横断的に翻訳ルールブックを売る商売である。
(……思いつきをいってるだけだけ。こんな少数販売の商品で利益を出せるのかとか、いろいろ疑問はある)

 いずれにしろ、趣味でやってる人ばかりでは限界がある。ボードゲームを商売にする人たちが増えるのはいいことなんじゃないか。


喰い合うゲームショップを