なんだかんだといっても、こんなに確実に楽しめそうな映画もないかなあとか。
期待どおり、よかったです。しかしそれはわかってるという気もする。京都アニメーションだし。
でもなんか、どこか物足りないような感じもないではない。せっかく映画なのに「消失」の話はいつもの世界をいつもどおりに描けない、というところはあるだろうか。
あと、ハルヒの1期はアイドルアニメだったと思うのだけど、2期は少し毛色を変えていた。もう少しだけSFネタに注力して、キャラクター描写を少し抑えていた。
「SFは人間を描けない」とか「SFは文学としてのレベルが低い」とか、これはどういうわけかSFの内部の人たちの言葉なんだけど(笑)。
そんな意見には断固反対だ。むしろ逆に「人間を描けるのはSFだけだ!」と極論をぶってみたくなる。
でもまあ、世界が大きく動いちゃうからキャラクターを描くヒマがなくなっちゃうところはあるのかもなあ。
その2期の映画、という感覚が強い。
京都アニメーション一流の、強いフェティシズムみたいなものは期待ほど表現されていなかったかもしれない。
でもそれは、あの京都アニメーションの映画! という、過剰な期待という気もする。テレビ版が、すでにかなりすごかったのだ。
アニメ版ハルヒのすごいところは、アニメーションとしてのデフォルメされた演出をほとんど使わないところだ。と思っている。
書き文字も出ないし、心象風景の描写もない。じつは淡々と、目に見えるものだけを描いている。そのかわり、その描きこみっぷりと見せかたがすごい(そうじゃないときもあったけど)。
そうした点で、映画版の演出には若干、個人的に不満があったりもするのだが。いちおうネタバレはしないのでそのへんにしておこう。
とか、いろいろ少し考えたけど。おもしろかったです。
ヒロインを失った主人公が、半狂乱になって駆けずり回るあたりの表現とか。画面の色が違って感じられた。そのあたりはさすがだ。
いちおうくわしくは書かないが、長門が手を上げて風が吹く場面もよかった。