遊星ゲームズ
FrontPage | RSS


ブルー・ポイント
 読書

ブルー・ポイント
日野鏡子 ソノラマ文庫

2001.10.2 てらしま

amazon
「ポイント」という言葉が「地点」の意味だと思っていた。だったらほら、「そこにゆけばどんな夢も叶うと云うよ」みたいな、冒険する話とか期待するじゃないスか。
 本屋で初めて見かけてなんとなく買ってしまった身としては、タイトルのそういうニュアンスだって重要なのである。あらすじを読んだ上でそこを食い違っていると、まず間違いなくハズレを引くことになってしまうから。
 で、この本。「ポイント」は「得点」の意味だった。がっくし。いや、このがっくしにはぜんぜん、作品の方に責任はない。よく見ればあらすじに書いてあるし。でもそうと知っていたらたぶん読んでない。
 なぜか変な世界に閉じこめられてしまっている主人公、穂積。いいことをすればもらえる「青ポイント」が貯まればこの世界を出ることができると言われているが、穂積はそれを拒否し、扉を破壊しての脱出を試みている。
 この奇妙な世界は一体……。というのがお話の大きな部分になっていくわけだが、もちろんネタはばらさない。もっとも、すぐにバレバレになってしまうんだが。
 個人的に、こういう「異形世界モノ」は苦手だ。『バロック』とか『クーロンズゲート』とか『ラストハルマゲドン』とか、実はどれも、始めてはみたもののすぐに我慢できなくなってやめてしまった。私に想像力が足りないのか、変な世界に入りこめなくて、見ているうちに暗澹とした気持ちになってくるのだ。しかもこのテのものにはなぜか「僕らの罪はどうすれば癒されるのだろう?」みたいな大変なテーマを掲げているものが多いから、さらにどんよりとしてくる。『バロック』とか、ホントはおもしろそうなんだけどなあ。
 でこの本。まさにその贖罪系の話でして、やはり暗い気持ちになった。ゲームと違ってすぐ読み終われるのが私には救い。ファンタジーといっていいと思うのだが、その世界観が(青ポイントしか)本筋と絡んでこないのが不満。あと矛盾したことをいうが、早く読み終わりすぎて主人公の行動と感覚にどうも納得がいかない。


.コメント

ブルー・ポイントを