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ヤングガン・カルナバル
 読書

ヤングガン・カルナバル
深見真 徳間ノベルズEdge

2006.09.09 12:41 てらしま

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 これはっきりいってオススメ。めちゃめちゃおもしろい。
「ヤングガン」と呼ばれる高校生の殺し屋二人が主人公の、まあとにかくアクションである。
 男のほうの主人公は、漫画研究会に所属している、映画好きで女の子が苦手な高校生。女の方は、自分のことを「オレ」と呼びいつも授業をサボっているレズビアンの高校生。
 二人とも凄腕で、相手が何人いようと完璧に殺す。銃の腕も格闘も強い。しかし殺し屋なのに正義感が強く、また二人を雇っている犯罪組織「ハイブリッド」というのもわりと正義の味方的な組織で、巨大な悪に立ち向かっていたりする。

 とにかくいろんな欲望が詰めこまれた話だ。
 よくあるトカレフだけではなく、さまざまな銃が登場する。ヤングガンは殺し屋というより特殊部隊のような戦いかたをするので(よく知らないけどそういう作品のイメージ的に)、最新のアサルトライフルやら手榴弾やら、やりたい放題の武器で武装している。いちおう登場するたびにウンチクがつけられるが、アクションなので、わりと細かいことはおいておいてとにかく撃つ。
 一巻のオビに「押井守監督推薦!」と書かれているから、たぶん銃に関する知識は正確なのだろう。チェチェンやイラクや、世界中の紛争地域にからんだ登場人物が出てきたりもして、そういう部分のリアリティもあるようだ。
 登場人物はなぜか、ほぼ全員が映画好き。映画好きでない人間はこの世にいないと思えてくる。特にアクション映画のタイトルはよく出てくる。女主人公は、恋人と『リベリオン』について語りあったりする。
 女子高校生二人の会話で「ガン=カタ最高!」って……これはもう完全に夢の世界なのである。
 一方、男主人公は漫研で、憧れの女性と一緒に会誌を作っている。漫画を描くのは殺しより難しいらしい。
 まったくそのあたりは、マンガやライトノベルの世界にしかありえない設定だが、そこがいい。
 ……ようするに、特にオタクの欲望がこれでもかと詰めこまれている。
 漫研にシンパシーを抱ける程度以上のオタクにとっては、こんな世界のほうがより共感しやすい。すんなりと入っていけるので、アクションをやるには好都合だ。

 過激なバイオレンスや残酷シーンや、そういうものも平気で出てくる。悪はとにかく悪なので、人を拷問して楽しんだりする奴ら。それを、主人公たちは殺す。
 まあとにかく、アクションものだ。人間の欲望に忠実な、ハリウッドのB級アクションの世界である。
 小説だから、登場人物の過去やらなにやらが語られたりもするが、そういうのは簡潔に流して、あとは撃ちあう。
 アクションはやっぱりおもしろい。オススメ。
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