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ロック・ユー!
 読書

ロック・ユー!
 

2001.10.6 てらしま

 そんなつもりはなかったのだが、初日の初回に有楽町スバル座まで行って観てしまう。とりあえず、上映前の劇場に「WE ARE THE CHAMPIONS」や「WE WILL ROCK YOU」がBGMとしてかけられていたのが粋だった。関係ないけど、「WE ARE THE CHAMPIONS」という曲はわりと好き。テレビ東京番組「サッカーTV」で川平慈英が、いかにも嬉しそうにこの曲の翻訳バージョンを歌っていたのを印象的に憶えているのだ。が、それはともかく……。
 中世、騎士も民衆も一緒になって熱狂したスポーツがあった。それがこの映画の題材、ジュースティング(馬上槍試合)である。主人公は騎士の従者だったが、ある日、槍試合で主人が死んでしまう。子供の頃から騎士に憧れていた主人公は、身分を偽りトーナメントに出場する。
 ドイツから、フランス、そして「ワールドチャンピオンシップ」が行われるイングランドまで、各地を転戦しながら次第に実力を身につけ、英雄になっていく。恋があったり詐称がばれて大変なことになったりと、話は予想通りといえば予想通り。ちゃんとスタンダードに楽しめた。
 注目の演出だが、こちらは期待していたほどではなかった。ちょっと中途半端なのだ。高く飛んだホームランボール、もといヘルメットをとるため、競って手を伸ばす観客とか、ボクシングのリングコールみたいな選手紹介とか、ときどき出てくれば楽しいんだけど、もっと大袈裟なやりかたでもいい気はする。BGMも、いっそのこと全部歌つきのロックだけにしてしまえばいいのに。
 ただそういう部分はおまけとすれば、普通のサクセスストーリーの部分はまあ納得はいく出来。途中仲間になるチョーサーなんかがなかなか面白くて(こいつがリングコールを発明する)、見ていて飽きない。
 中世ヨーロッパの貧乏な雰囲気も割と出ているし、槍試合(単純な競技だから少々マンネリ気味になるが)も迫力ある。
 ちょっと残念なのは、ライバルだ。この人、いい顔をしているので登場したときから気に入っていたのだが、ストーリーが主人公のサクセスストーリーを追うあまりライバルの視点があまり語られない。この人が槍試合にどんな思いを持っているのかとか、その辺がわかるともっと面白かったと思う。


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