2003.2.9 てらしま
不景気である。それは間違いないのだろう。しかし、それはともかくとしてだ。
深夜のコンビニエンスストアで海洋堂の戦車模型を買うことができる、日本という国はユートピアなんじゃなかろうかとも思う。
この『ワールドタンクバトルズ』は、その戦車つき食玩「WORLD TANK MUSEUM」をコマとして使うボードゲームだ。
戦車でゲームというと、どうしても昔の、クソ細かいチットをたくさん使うウォーシミュレーションを想像してしまうが、これはああいうものとは全然違うので驚いた。
まあ考えてみれば、戦車一台単位の戦闘となればスケールが少し違うので、それもあたりまえなのかもしれない。それにやはり、簡単でとっつきやすいというのは評価できる。
プレイしている感覚としては、むしろ『スーパーロボット大戦』に近い。
毎ターンの最初にドローフェイズがあり、手札を使ってプレイする。「前進」カードで移動、「射撃」カードで攻撃、という感じだ。移動してから攻撃できるカードとか、もう1ターン余分に行動できるカードとか、中には強力なものもある。もちろんそういうのは「精神コマンド」と呼んでいるわけだが。
移動カードがなくて立ち往生してしまったり、敵が目の前にいるのに攻撃できなかったりと、なかなか思いどおりにいかないあたりが実際の戦車っぽいのかな。
ゲーム自体は、これがけっこう面白い。和製ボードゲームとしてはかなり高いレベルにあるといっていいと思う。
少なくとも、私がこれまでにプレイした日本製ボードゲームでは最高なのである。
もっとも、日本製のものをたくさんプレイしたとはいいがたい。ほとんどドイツ製ボードゲームだけをチェックしていたからだ。他の国のゲームとは確実にレベルが違うので、それでこと足りてしまっていたというのが実際のところ。
このゲームにしても、前からいくらか買ってはいた「WORLD TANK MUSEAM」でゲームができると聞いたから興味をもったものの、ゲームとしては少しも期待してはいなかった。でもやってみたら面白いじゃないか。
ルールはすごく簡単だ。
移動するときは戦車の移動力分のヘックスを進める。攻撃は、2D6で相手との距離(ヘックス)以上の数値を出したら命中。その後「撃破判定」。ここでは基本的に9以上を出したら撃破。一撃で撃破である。
基本はこれだけ。こんなに簡単でいいの?と思うくらい簡単だが、前述した手札のシステムがあるから、これでなんとかなっているのだ。
強いカードを使えば、小粒な戦車がタイガーⅠを撃破してしまったりするし、いろいろと意外なことも起こるので楽しい。
1ゲーム1時間弱で終わってしまうのが物足りないと感じるかどうかは人によるだろうが、私は気軽でいいと思う。カードを引くしダイスも使うから運の要素はかなり大きいが、でもすぐに終わるから「さあもう一戦」と言える。そこもいい。