遊星ゲームズ
FrontPage | RSS


単純なモデルゲームを考えてみる
 日記

 n人零和有限確定完全情報ゲームを考えるために、単純なゲームを考えてみようと思った。
 名づけて「Say10」

  • 初期状態は「0」。
  • プレイヤーの手番には、場の数字に「1」か「2」を足す。
  • 「10」にしたプレイヤーの勝ち。

 ノット30とかいわれるゲームがあるけど(ちなみにこれは先手必勝)、あれの逆。一人勝ちゲームにするために、10といったら勝ちにしてみる。

 これを、とりあえず3人でやることにしてみる。もちろん、プレイヤーは全員、オラクル(最善手を打ちつづける人)という前提。
 簡単に考えられることとして、

  • 「8」か「9」にしたら負け(下家の勝ち)

 である。今回は3人でプレイしているので、

  • 「7」にしたら負け(二つ下家のプレイヤーの勝ち)

 もすぐにわかる。

  • 「6」にしたら、下家の負けが確定する。

 このとき、下家には「7」「8」という二つの選択肢があるが、敗北決定なのでどちらを選ぶかはわからない。「7」を選べばあなたの勝ち、「8」を選べばあなたの上家の勝ちである。
 さらに進めると、

  • 「5」にしたら、二つ下家の負け確定(「7」は負けだから、下家は「6」で止めるしかない)

 さて、場の数字が「4」であなたの手番が回ってきた。あなたは「5」を選ぶべきか「6」を選ぶべきか。
 これはどちらでもいい。どちらも最善手である。ただしあなたが勝てるかどうかは、あなたがここで決める敗北決定者の選択次第。

  • 「4」にしたら……、下家に敗者決定権を渡すことになる。

 ここから勝つには「敗北決定者にされず(下家が「6」)」「勝者決定権者があなたを勝たせる(二つ下家が「8」)」という二つの条件を満たさなければならない。
 単純にここから勝率を考えれば25%。つまり、「4」より「5」のほうが強い。
 ここからいえるのは「敗者決定権は強い」ということなんだが、それはまた別の機会に考えることにして。

  • 「3」にしたら負け確定(下家は「5」を選ぶから)
  • 「2」にしたら、二つ下家に敗者決定権(下家は「4」しかない)。
  • 「1」にしたら、あなたに敗者決定権(下家は「2」しかない)。

 まとめよう。他人の選択による勝率を評価点とすると、

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
50
25
0
25
50
50
0
0
0
100

 である。
 ゲームの展開は、

  • 1番手 「1」
  • 2番手 「2」
  • 3番手 「4」

 まで決まっていて、ここでふたたび回ってきた1番手が「5」か「6」かでゲームが分岐しはじめることになる。

 さてここで注意すべきは、ゲーム開始時には全プレイヤーに可能性があるというところだ。
 ただし勝率には差があって、1番手は50%、2・3番手は25%になる。

 ……と、つらつらと考えたりした。
 いやつまり「ゲーム理論とゲームの神さま」で書いた「ゲーム開始時に決定している敗者の、」という部分が間違いだったといいたかっただけなんだけどさ。


[2006.05.15 01:45]てらしま :
 あと3人以上になると「評価関数がブーリアン」もウソか。


単純なモデルゲームを考えてみるを