2001.10.1 てらしま
前の『猿の惑星』は私の好きな映画の一つ。それを、ティム・バートンが「リ・イマジネーション」したというのがこの映画。
バートン趣味まるだしのストップモーションで動く猿を期待してたけど、さすがにそこまでのことはできなかったようす。でもCGじゃなくて特殊メイクと役者の演技で猿を再現している。
話題のストーリー……はともかく、役者に猿の動きを見せて勉強させたという特殊メイクの猿たちには本当にリアリティがあった。いつも鼻を鳴らしていて、一つのものに注意を集中することがない、という猿の習性どおりに、もはや原形をとどめていないティム・ロスらが演技する。
なんてったって猿。猿の動き。猿萌え(?)。それがすべてという感じの映画だ。
ちなみに天才チンパンジー、アイの育ての親である松沢哲朗先生は、APEを猿と言うと怒る。彼らは猿より人に近いんだそうだ。
でもこの映画では、言葉を喋るしときどきすごく人っぽく見えるけど、やっぱり人とはけっこう違う猿(APE)というものがうまく表現されていた。新鮮な映像世界だし、なかなかに惹きこまれるものはあった。
人間代表の主人公はあくまで海軍軍人として行動し、その一方には父親の死に悲しむ猿の将軍がいたりする。人間ってなんだろうというテーマをさりげなくこういうところに織りこんであったりして、いいところを描いているとは思うんだが、完成度はちょっとイマイチかな。でも楽しめた。