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カレ
 ボードゲーム

2011/11/18 23:43 てらしま
カレ
CARRE
2011年
Günter Kralicek
Amigo
2~4人
30分
thx to play:game

 カタカナ2文字とかね。さっぱり検索できないし。

 いろんなかたちのタイルがある。これを、自分のボードに全部置ききったら勝ち。たいへんわかりやすい。
 手番がきたらサイコロを3個振る。この3個を自由に使って、アクションをやる。タイルに数字が書かれているので、合計でその数字ちょうどになるようにサイコロをつかえば、そのタイルを配置できる。
 たとえば、3の目と6の目をつかって、9のタイルを置く。
 自分のボードは狭いので、タイルは積み重ねないと置ききれない。でも下に隙間ができるような重ねかたはできないというわけで、パズル的な要素もある。
 厚さ3mmの厚いタイルを積み重ねていく過程は、視覚的にも単純に楽しいわけだけど。

カレ 5、10、1、11の目は特別で、この数字が書かれたタイルはない。その代わり、場からチットを獲得することができる。5は「ストッパー」1枚、10は2枚。1はボーナスチップ1枚、11で2枚だ。
 手番にストッパーを1枚つかうと、相手プレイヤーのボードに積まれたタイルを破壊できる(その場合も、タイルの数字ぶんのサイコロをつかう)。ストッパーを一度に2枚つかえば、破壊した上さらに、同じ数字のタイルを自分のボードに乗せることができる。
 ボーナスチットは、使用することでサイコロの目に+1できる。これも強い。
 このチットのルールが意外といい。
 ゲーム終盤になると手持ちのタイルがなくなっていくので、サイコロの出目に「ハズレ」が増える。チットをとれるこのルールがないと、することがなくなってしまう、というのがひとつ。もうひとつは、これによって自然に、終盤になるほどストッパーが使われ、逆転が発生しやすいというところ。
 タイルを置く序盤から、ストッパーで攻撃しあう終盤へ。ゲームの起承転結がすっきりと表現されている。
 なにげにスマートなルールだ。

 タイルの構成もおもしろい。
 タイルはそれぞれ2枚ずつある。一番大きいタイルは3×4の大きさで、数字も大きく12。ボードの半分以上を覆ってしまう大きさだ。これをうまく置けるかどうかが、ポイントのひとつになる。
 基本的には、面積どおりの数字が書いてあるのだ。9なら、3×3。8は2×4。
 ただひとつ、例外がある。それが、一番小さい1×1のタイルだ。このタイル、書かれている数字が7なのである。
 サイコロは6の目までしかないのだから、7を置くためにはサイコロを2個つかわなければならない。もちろん1マスのタイルなんかいつでも置けるのだけど、その代わり、サイコロ2個をつかわなければならない。
 この7のタイルの特殊さがしびれる。
 序盤は大きいタイルを置いたほうが有利なのはもちろんで、12などを最初に置けたプレイヤーは有利になる。しかし、それが理想的にうまくいってしまうと、最後に残るのは7が2枚だ。ボーナスチットがなければ、あと2ラウンドかかってしまう。
 その間に、うまくタイルを置けていないプレイヤーがストッパーでジャマをしてくる。タイルを置けていないということは、チットを持っていることが多いのだ。
 そういうストーリーを用意してあるんである。ゲームシステムが用意した、起承転結だ。
 5、10、1、11、そして7を特殊な扱いにしたこと。それが、ゲームデザインの仕事だ。
 まあ、その面積のタイルが作れないという話もあるだろうけど。

 じっさいのとこ、だいたいのプレイ感は「まあまあ」というところだろうなーと思う。テーマのないアブストラクトだし、コンポーネントに派手さもない。地味なゲームだ。
 でもよくできてる。じつはわりと感心した。

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カレを