2人用ワーカープレイスメント。これたぶんわりとよくできてる。たぶんというのは、遊んだときにルールを一部間違えたらしいからなんですが。
ワーカープレイスメントなんだけど、ワーカーをその場で使う代わりに後宮に送ることができる。後宮に送るとしばらく帰ってこないからワーカーが減ってしまうけど、帰ってくるときに普通より強い効果がある。
意図がとてもわかりやすく、それがちゃんと表現されているようにも思う。
コンポーネントは白黒印刷の紙と手製のチット。それが悪いなんて無粋はいわない。これが好きで買う奴もいる(笑)。
けど、なんかもっとコストパフォーマンスのいい方法はあるだろうなとかは思う。これくらいの水準からはゲームの差より見た目の差のほうが大きくて、きれいならもっと遊ばれるのかもしれないなーとかも。どうだろうな。
中国古武術の師範が、弟子に奥義を伝える。奥義は3つあって、それらが4世代に渡って伝わっていく。できるだけ長く奥義を伝えたプレイヤーの勝ち。いい感じのテーマ。これを、カードを並べて表現するわけなんだけど。
カードは白黒印刷。でも1枚1枚の弟子に名前がついてるし、絵もついてる。よく見ると物語も書いてあったりしてうれしい。
弟子カードには、継承できる奥義のアイコンと矢印がカードに描いてある。矢印がつながるようにカードを置いて、奥義チットを矢印どおりに動かしていく。
そんな修行をしつつ、ときどき敵の道場との抗争もやる。同じ世代の相手の武狭を指名して、殴る。数字を比べて小さい方は死ぬ。そうすると、習得していた奥義は初代の手に戻ってしまう。
これもちゃんと成立してそうだと思った。1回しかやってなくてわからないところもあるけど。
2人用ならではの直接インタラクションがいい。あとテーマともかみあってる気がする。まあゲーム自体はわりと抽象的なんだけど、それを補強するフレーバーテキストがついてるところもいい。
ただ見た目がこう地味だと、プレイされること自体が難しいだろうなあと思う。でもこのゲームは、少なくともカードのデザインに関してはこの味がいい気もしてくる。難しい。
ドット絵の描かれたカードをドラフトして、獲得したカードを使ってチットを集める。同じ色のチットを4枚集めたら勝ち。ドラフトに少し工夫があって、右回りと左回りを同時にやる。
あとはカードの内容なんだけど。相手からチットを奪うとか直接インタラクションがけっこうあったりする。
カードの効果が複雑、というか特徴がなくて、なにをとったらいいかよくわからない。っていうと「この程度で?」っていうくらいの話ではあるんだけど、これはプレイヤーの印象の話だ。カードに2個ずつの効果を持たせてるのがよくないんだと思う。どっちを見ていいかわからない。あるいは、チットの色に特徴があるといいのかもしれない。「赤をとる」と「青をとる」との間に選択肢としての差がないケースが多い。あとインタラクション強すぎ問題も大きい。「どうせ奪われるならなんでも同じ」とプレイヤーに思考をあきらめさせてしまう。それが大きそうかな。
そんないろいろで、カードの選びようがないからドラフトの価値もわからないままだった。
個人的に評価高い。なにより絵がいい(笑)。
じゃあ絵がよくなかったらどうなのかというと、ふつうの評価になるかもしれないんだけど。いや絵って、みんなが考えるよりもずっと重要で、ゲームの一部だと思うんですよ。
まず、お金を使ってカードを買うフェイズがある。場に並んでいる1円から5円までのカードから、好きなものを選んで買う。所持金は番手によって違うんだけど、例えば1番手なら9円しか持っていない。お金は基本的に足りない。所持金がゼロになったら、0円で最弱の「市民」をとる。
そうやって、5枚のカードを持った状態でゲーム開始。スタートプレイヤーはカードを表向きに出す。他のプレイヤーは裏向きに出す。いっせいに公開。一番強い数字の勝ち。勝ったらそのトリックで登場したカードを全部獲得して、得点になる。
それだけ。シンプル。ただ、カードにはちょっとした特殊効果があったりもする。
去年話題になったラブレターみたいな、シンプルすぎるルールでくりかえし前提系の分類に入れてる。
これだけなので、なんだろう、地味というか、悪くないけどフックのないゲームっていう感想になってもおかしくない。でも絵やカードのデザインがほんとにいいのと、あとランダムサプライなのでちょっともう一回遊びたくなる。
ゲーム的なところでは、バランス感覚があってまとまりがいい。特殊効果テキストはあるんだけど、決して煩雑ではない。あくまで軽いプレイ感が大切にされている。そのあたりにぶれがなくて、完成度高く仕上がってる。
プレイヤーが美少女になって、主人公のハートを射止める話。雇われギルドと同じサークル3D6。個人的には今回、一番注目なのがこのサークルの2作だったりする。
美少女には表の性格と裏の性格があって、裏側は非公開。表にも裏にも特殊能力がいろいろあって、それをカードで使う。
えっそれじゃあ、裏の能力使ったらバレるじゃんって話なんだけど、そこは、ゲームマスターが処理するという。ある意味強引なやり方なんだけど、惨劇RoopeRとかもあったし。
昼間は学校でいろいろなイベントが起こって、それによって好感度が上昇する。このときは表側の能力を使う。
夜はというと、裏側の能力を使って陰湿に他人を妨害したりする。この処理をゲームマスターがやるんだけど、けっこう大変そうだった(笑)。
で、朝。夜の結果を受けて、他人の正体を推理する。「あなたじつはヤンデレでしょう!」とかそういうことをいう。当たったら、相手の好感度が下がり自分の好感度が上がる。
わりと適度に情報が出てきて推理できる感じで、楽しいんだけど。
ちょっと思うのはこれ、正体がばれても好感度が下がるだけなのだ。ばれても負けるわけじゃない。それだけの要素を実現するにしては、ゲームマスターにかける負担がずいぶん大きい気がする。
でもまあ、マスターの苦労はかまわないというのはある意味正しい。間違いさえなければ、少なくともプレイヤーは楽しめるわけだ。
いろいろ同人ゲームを見てきた中で、これは悪いというゲームにはいくつか類型がある。同人ゲームのアンチパターンだ。
そのひとつが、ジャンケンをアレンジしたゲーム。カードにアイコンかなにかがあり、その強さが3すくみになっているというやつ。たしかに3すくみというのはきれいなんだけど、ジャンケンはやっぱり楽しくないんだよなーという。
さてこのゲーム。ジャンケンそのものがゲームに組み込まれている。これはもう文字どおりの、手でグーチョキパーを出すあのジャンケン。カードに描かれたアイコンとかそういうのではなく。ここまで思い切っちゃうと逆にすごい。
たしかに、カードを使っても結局最後は運勝負、っていうゲームは多いわけで。それでいいのなら、いっそこれでもいいのかもしれない。いやどうだろう(笑)。
ゲームの感想としては、そこよりも調整が気になった。なにしろジャンケンなので、単純に勝てば有利なのは当然だしそれでいい。でも、それにしても救済が足りない。1回のジャンケンですごい差がつき、差がさらに開いていく。その構造が強すぎる。そこは残念。
もう少し別のルートを用意したり、勝利点を取るほど不利になるフィードバックを入れたり、なんかいろいろいじりたい気がする。
ここまでやったら、これはもうせっかくだから、納得いくバランスのゲームを見てみたくなる。
今回もたくさん出た人狼クローンのひとつ。注目すべき点はなんといっても、こっくりさん。狼が食べる村人を選ぶとき、こっくりさんで選ぶ。
どういうことかというと。まず全員でコインに指を置く。それの動きで食べられる村人を選ぶ。つまり、指に力を込めて動かしていいのは狼だけなのだ。
これすごくない? これならたしかに、ゲームマスターがいなくても秘密の選択を実現できる。
まあ、あとの内容は人狼そのものなんだけど。わたしは人狼ゲーマーじゃないから、人狼部分はゲームに見えない。
とはいえ人狼としてもたぶん怪しくて、なにしろ占い師がいない。たぶんこっくりさん方式で実現できないから。だから、情報がまったくないのに誰かを吊らなければならない。そのあたりはちょっと微妙だろうと思う。
でも、どうだろう。この方式で実現できる役職をなんとか考えて組み込めば、少人数のすごい人狼ができたりしないかな。もしかしていいんじゃないかこれ。っていうのを、ちょっと考えたくなった。
(つまらないことをいえば、素直に伏せカードで選択させればいいんだけど)
テーブルに動物タイルをぶちまけて、ひもでそれを囲む。「ネコ科1枚ごとに何点」とか「夜行性動物1枚ごとに何点」みたいな指示があって。
とても素直に楽しい感じ。ひもでできることを自然にやっていて、それがちゃんと楽しい。ってことは完成度高いといえるんだけど、印象は普通になりがちかもしれない。
タイルのデザインはなんか工夫したい。テーブルにぶちまけるとタイルの向きがバラバラになるわけだから、四隅にアイコンがあるデザインは見づらくなる。アイコンは1タイル1個までにして、代わりに色とか形とかにしたい。
なによりテーマがわかりやすいというか、ずるい。日本で一番普遍的なテーマはけっきょくこのへんのなのかもなーと思った。あえてがっつり世界観を作らない、あくまでコンピュータゲーム由来のファンタジーで、プレイヤーが最初から知っている世界を利用する。
知らなかったらどうなんだろうってのはもはやわからないんだけど。
ドット絵のゲーム今回多かった印象なんだけど、そこもたいへんずるい(笑)。とはいえこのゲームについては、あくまでそういうテーマなのでこれで正解だ。
ゲームは、髑髏と薔薇+ガントレット・オブ・フールズ的な感じといえばわかりやすい(でもそんなに似てない気もする)。シンプルで、ちゃんとおもしろい。
これが別のテーマでドット絵じゃなかったら、どうだろうな。イマイチになりそうな気がする。ありえないんだけど抽象的にしちゃったら、ダメそうだと思う。このテーマだからいい。
ただ考えてみると、プレイヤーは複数いるのに冒険者が一人だったり、カードをダンジョンに埋めたりキープしたりなにをやってるんだろうとか、ゲーム中にふとそのへんに気づいてしまったりはする。
勇者側と魔王側に分かれて戦う。魔王側は一人、勇者側はたくさん。
直球なタイトルどおり、トランプを使う。それ以外にキャラクターカードがついていて、これは絵がドット絵。まただ。前回のワンナイト人狼の影響とかなのかなあ。
すごく関係ないんだけど。魔王と勇者の話って、昔は確かに掃いて捨てるほどあったけど、いまはもうパロディしか残ってない気がする。アニメとか見ててそう思う。いまの若者たちってどうやって生きてるのかなあ。
まあそういうやつだから、我々おじさんに馴染み深いのは確かだ。
1回やったゲームでは、頭数が多い勇者側がずいぶん有利だった。あれルール合ってたのか。それとも展開によるのか。
ゲーム自体はちゃんと遊べるしキャラクターカードの能力もいろいろあって楽しい。「魔王がすごい強くてしっかり連携しないと倒せない!」という展開になるなら楽しそうだと思うんだけど、どうなんだろうな。
追記:やっぱり間違ってたらしい。けっこう違うのかもなのでまたどこかでやります。
ぜんぜんやってないなー。
人狼系と一部の地雷系や一発芸系を除くと、似たようなクラスのゲームがたくさんあるっていうのがいまのところの印象だったりします。まあ世間を騒がせてるアレとかアレをやってないんだけど。
ゲーム面では水準に届いてるのが多くて(あるいは、一カ所直せばというくらい)。あとは、まあけっきょく、絵や見た目で差がつくというか……。
まあ個人的に、絵が占める割合はかなり高くなってるんです。プロパー作品と比肩できる見た目だと星2個分くらい上がります。ていうか同人の絵って、すごいやつはプロよりも上にいっちゃうことあるけど。
これはたぶん、自分だけの話じゃなくて。マニアはなんでもやるかもしれないけど、そうじゃない人はそもそもきれいじゃないと遊んでくれないです。見た目が不足してるものは「それなり」までしかいえなくなってしまってる。と思う。
今回自分が見た中で多かったのがドット絵ですが。あれはそのあたりの空気をどっかで感じて、でも絵描きが用意できない場合に有効なのかなーと思った。技術がなくても、例えば32x32のドット絵なら、1024回クリックすればできる……ごめん嘘ですそんなことないですが、まあ普通に考えて、普通のイラストよりは手間がかからないわけで。でもやっぱり見慣れてくると、ごまかしの技法に見えてくる気もする。次回くらいにはもう飽きられて通じなくなったりするのかもなあ。