遊星ゲームズ
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大勝負
 ボードゲーム

2009/02/28 12:44 てらしま
大勝負
Hab & Gut
2008年
Winning Moves
Carlo A.Rossi
3~5人(?)
60分
thx to play:game
amazon

 シンプルなボードに、コマが並んでいる。見てすぐにわかる(?)株ゲームだ。
 ボードに表示されているのは、現在の株価。これが上がったり下がったりする。そしてもちろん、プレイヤーはそれを売ったり買ったりする。お金を儲けるのが目的だ。
 とりあえずコンポーネントを見れば、そこまで予想できる。このゲームの場合、この予想は正しい。とても素直な株ゲームだ。
 ただしもちろん、違うところもいくつかあるわけである。

 それは、コンポーネントの「カードホルダー」と「投資ボード」。特にこのカードホルダーの使いかたがすごい。
 カードホルダーは人数分使うのだけど、プレイヤーに配られるわけではない。プレイヤーとプレイヤーの間に置かれるのである。つまり、となりの人と共有する。
 カードホルダーにはもちろんカードが立てられるわけで、一人のプレイヤーは、右側と左側2つのカードホルダーに立てられたカードを見ることができる。
 これはすごい。たしかに、カードホルダーでなければ実現できない。
 箱を開けたときは「ちょっと豪華になんか入ってるな」くらいに思ったのだけど。そうではなかった。ゲームのために必要な小道具だったんである。

 カードホルダーに立てられているのは、株価に関するインサイダー情報。どの株がいくら上がるか、いくら下がるかの情報が書いてある。「赤+4」「青-2」とか。
大勝負 まず売買フェイズがある。全員が一度ずつ、株を売るか買うかする。
 その後、株価の変動フェイズ。ここで、全員が一度ずつ、株価を変動させる。左右のカードホルダーから1枚ずつカードをとり、プレイするんである。
 片方は額面どおりに、もう片方は額面の半分で効力を発揮し、株価が動く。
 そうやって全員が変動させながら、株を売ったり買ったりする。
 ゲーム自体は大変シンプルだ。

 左右が見えているというこのルールのせいで、となりのプレイヤーとの駆け引きがあったり協調があったりと、いろいろな要素が生まれている。
 また、たとえば4人でやるなら世界の半分の情報が見えることになる。各プレイヤーに手札を配るゲームとは違うし、すべてのカードが公開されているゲームとも違う。情報の微妙な公開具合が新鮮だ。

 さらに「投資ボード」というモノがある。
 株の売買をした後、福祉団体に株を投資することができる。この株券が、投資ボードに置かれる。
 この投資、投資してしまったのだから自分のお金にはならない。のだけれど、投資しないわけにはいかない。
 なにしろ「ゲーム終了時に、投資した株の価値がもっとも低いプレイヤーは敗北」なのである。
 このルールもおもしろい。

 ただ、ゲームの完成度としてはそれほど高くない気がした。
 テーマのシンプルさからすれば、もっと短時間で終わってほしいと思う。「全額・半額を選べる」では選択の価値があいまいすぎて、ゲーム性がぼやけてしまっている気もする。
 投資ボードに関しては「本当にこのゲームで採用する必要があったのか?」と感じてしまった。
 ネタはおもしろいが、こういう奇抜なネタをゲーム性に昇華させるには、もっとチューニングしてほしかった。
 もちろんこれでちゃんとおもしろいゲームになっているし、またやってもいいと思える。だけど、このネタにはもっと上があったんじゃないかと感じる。

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大勝負を