カタンの新作バリアント。正直、この会社の製品はファーストカタン以外にいいゲームを知らないわけで、全然期待できない。
アフリカに発祥した人類が全世界に広がっていく過程が今回のテーマ。なかなかおもしろいネタだとは思う。
カタンと同じように、毎ターンサイコロを振って資源を生産し、それを使って技術を進歩させたり部族を定住させたりする。そうするうちに、スタートする場所であるアフリカが次第に荒廃して砂漠になっていく。
荒廃すると砂漠になるので、資源が生産できなくなる。だからその前に他の大陸に新たな部族を作っていかなければならない。カタンでいう都市(2倍生産できる)もないので、実はゲーム中盤を過ぎても生産が拡大しない。
拡大再生産がカタンの特徴だったはずだが、どうやら制作者はそれをわかっていなかったようだ。このゲームではむしろ生産は漸減する。生産だけではない。基本的にボード上に配置された勝利点チップを集めるのが目的なのだが、これももちろん、とればなくなっていく。カタンのくせに、限られた資源を奪い合うゲームになってしまっているのである。
そのくせ勝利条件が中途半端で、一度も盛り上がることのないままゲームが終わってしまう。なにがしたかったんだという感じだ。知人は「この手のカタンバリアントではいい方」とか言っていた。まあそうは思うが、やっていて面白さを感じないのではしかたない。
我々ボードゲームプレイヤーも、そろそろカタンというブランドに踊らされるのをやめた方がいいと思う。カタンはブランドではなく、たぶん神の手が作ったゲームだった。もうこのさい、そう思っていた方がよさそうだ。