量子人狼というのが、なんかちょっと話題になってて。つまり、すべてのプレイヤーは村人と狼の重ね合わせ状態で始まる、正体が確率的にしかわからない人狼なのだけど。
話題なので、ググると他にもいろいろ出てくると思います。
これ、ちょっといいなと思ったのだ。
ご存じのとおり人狼はいま大流行していて、来月のゲームマーケットでも多数のクローンが出る。でも人狼ってのはすごくプレイヤーを選ぶゲームで、なんというか、非人狼プレイヤーから見ると、どれも同じものに見えるというのがじっさいのところだ。
つまるところ、議論というか説得に意味があると思わなければあの遊びは成立しない。わたしのような人間は、あの議論にはまったく意味がないと思っている。そうすると、あのメカニクスを軸としている限り、すべて同じになってしまう。
一応断っておくけど。これはあくまでわたしの感覚で、あの過程に意味を感じる人もいる。だがそうでない、わたしのような人間もじつは相当数いるんである。
しかし。量子人狼はもはやそういうものではなくなっている。と思う。あれが人狼クラスタの間で話題になることに、ちょっと期待してしまうのだ。ちょっと新しいゲームがそういうところから出てきたりしないかなということで。
それはともかく。量子人狼、悪くないかもと思ったのだけど、欠点は処理が複雑すぎてコンピュータが必要なところ。せっかくだから、どうにかアナログで遊べるようにしてみたい。
そういう試みもすでにある。
ざっくりと不要なものをカットしつつ、勝手に占っていいというあたりのアレンジもあったり、おもしろい。じっさいのところはやってみなきゃわからないけど(人狼クラスタでない自分はたぶんやってみないんですが……)。
個人的には、ゲームマスターを不要にしたい。理屈上、マスターがいらないはずだと思うのだ。複数の役職の重ね合わせ状態というのは、人狼ってもともとそういうものだし。現状では、同じものを表現したメカニクスが2個ある状態になっている。そこの無駄を省けばたぶんGMがいらなくなる。気がする。
あと、アナログでどうにか遊べるくらいシンプルにしたい。
そういうわけで、考えてみた。たぶん人狼じゃないものになると思うけど。
あ、あれですよ。オリジナルのルールはまったく無視してるので、ほんとに別物です。オリジナルのルールについては上に紹介したリンクなどを見てください。
(8人の場合)
各プレイヤーは下記を受け取ります。
・役職カード 8枚
人狼 2枚 占い師 1枚 村人 5枚
・行動チット
自分の色を1つ選び、その色の行動チットを受け取ります。
占い黒x2 占い白x3 襲撃x3
だいたい人狼です。
各プレイヤーは常に8枚の役職カードを公開された状態で持っています。これらのカードは他のプレイヤーと交換することで移動しますが、手札の枚数が変わることはありません。役職カードは、そのプレイヤーがある役職である確率を表します。たとえば狼を4枚、村人を4枚持っているプレイヤーは、50%の確率で狼、50%の確率で村人です。
ゲーム中どの瞬間でも、あるプレイヤーが持つ役職カードがすべて同じカードになったら、そのプレイヤーの役職が確定します。以後そのプレイヤーは、役職カードを他のプレイヤーと交換することがなくなります。
また、ある役職カードを1枚も持っていない状態になったプレイヤーは、その役職の可能性を失います。そのプレイヤーはもう、その役職カードを受け取ることはありません。
プレイヤーが死亡したとき、持っている役職カードからランダムに1枚を引いて役職を確定します。
あと、襲撃は2回受けないと死にません(人狼が2人いるので)。
ゲームはラウンドを繰り返して進行します。各ラウンドは次のフェイズに分かれます。
1)占いフェイズ
2)襲撃フェイズ
3)投票フェイズ
生存している中でもっとも多くの占い師カードを持っているプレイヤーがスタートプレイヤーとなります。同数の場合、それらのプレイヤーでゲーマーズジャンケンをして決めます。
占い師カードを1枚以上持っている生存プレイヤーは、1回ずつ他のプレイヤーを占います。スタートプレイヤーから時計回りに順番に占いを解決していきます。
占う相手プレイヤーの前に、自分の占い黒チットまたは占い白チットを1枚置きます。占い黒チットは、占いの結果その相手が人狼だったことを意味します。占い白は逆に、人狼ではなかったことになります。
すでに確定しているプレイヤーを占うことはできません。また、すでに人狼の可能性を消失しているプレイヤーを占うことはできません。
占った相手プレイヤーに占い師以外のカード1枚を渡し、そのプレイヤーから占い師カードを受け取ります。渡そうとしている役職カードと同じカードを、相手が1枚以上持っていなければなりません。カードを交換できない場合(渡せるカードがない、または相手がすでに確定している)は、カードの交換を行いません。
(1ラウンド目に占われたプレイヤーはいきなり占い師の可能性を消失しますが、そういうものです)
生存している中でもっとも多くの人狼カードを持っているプレイヤーがスタートプレイヤーとなります。同数の場合、それらのプレイヤーでゲーマーズジャンケンをして決めます。
人狼カードを1枚以上持っている生存プレイヤーは、1回ずつ他のプレイヤーを襲撃します。スタートプレイヤーから時計回りに順番に襲撃を解決していきます。
襲撃する相手プレイヤーの前に自分の襲撃チットを1枚置きます。
すでに死亡しているプレイヤーを襲撃することはできません。
人狼に確定しているプレイヤーを襲撃することはできません。
襲撃先のプレイヤーに狼以外のカード1枚を渡し、そのプレイヤーから狼カードを受け取ります。また、渡そうとしている役職カードと同じカードを、相手が1枚以上持っていなければなりません。カードを交換できない場合(渡せるカードがない、または相手がすでに確定している)は、カードの交換を行いません。
・襲撃による死亡
確定済みの狼からの襲撃を2回以上受けた(受けていた)プレイヤーは死亡します。これは、狼が確定した瞬間にもチェックします。
生存しているすべてのプレイヤーは、一斉に他のプレイヤーを指さします。
もっとも多く指さされたプレイヤーは死亡します。
1位が同数の場合、投票先をそれらのプレイヤーだけに絞って決戦投票を行います。対象が1人になるまでこれを繰り返します。
なんらかの理由で役職の可能性を消失した場合、その役職カードをすべて他のプレイヤーに渡さなければなりません。カードを渡す相手は、確定していないプレイヤーの中から任意に選ぶことができます。同時に複数のカードを渡す場合、好きなように分割して渡すことができます。ただし、カードを渡す相手は、渡そうとしている役職カードと同じカードを1枚以上持っていなければなりません。
カードを渡した場合、そのプレイヤーから同じ枚数のカードを受け取ります。このとき、自分が可能性を消失している役職カードを受け取ることはできません。
人狼の可能性を消失した場合は、下記の処理を行います。
・各プレイヤーの前に置かれたそのプレイヤーの襲撃チットを取り除く。
・そのプレイヤーの前に占い黒チットを置いていたプレイヤーは、占い師の可能性を消失する。
占い師の可能性を消失した場合は、下記の処理を行います。
・各プレイヤーの前に置かれた、そのプレイヤーの占い(黒白)チットを取り除く。
人狼に確定した(人狼以外の可能性をすべて消失した)場合は、下記の処理を行います。
・そのプレイヤーの前に占い白チットを置いていたプレイヤーは、占い師の可能性を消失する。
・そのプレイヤーに襲撃されているプレイヤーは、人狼の可能性を消失する。
・各プレイヤーが襲撃により死亡しているかどうか(確定した人狼の襲撃チットを2枚以上持っているかどうか)チェックする。死亡していたら、死亡処理を行う。
占い師に確定した(占い師以外の可能性をすべて消失した)場合は、下記の処理を行います。
・そのプレイヤーが占い黒チットを置いていたプレイヤーは人狼に確定する。
・そのプレイヤーが占い白チットを置いていたプレイヤーは人狼の可能性を消失する。
可能性の消失は連鎖します。処理し忘れがないように注意してください。各プレイヤーは、なにかが起こるたびに自分の状態をチェックするようにするといいでしょう。
ゲーム中プレイヤーが死亡した場合、次の処理を行います。
1.そのプレイヤーが持つ役職カードを裏向きにしてシャッフルし、ランダムに1枚を引く。そのプレイヤーは引いたカードの役職に確定する。
2.確定した役職以外の役職の可能性を消失する(可能性の消失処理を行う)。
生存者全員が人狼の可能性を消失したら、人狼の可能性を消失しているプレイヤーの勝利です。
生存者のうち半数以上が(確定した)人狼になったら、人狼の勝利です。
すべてのプレイヤーが死亡した場合は、人狼の勝利です。
ゲームの状態が矛盾した、またはゲームが終了しない状態になった場合、パラドックスとなりゲームが終了します(占い師を確定できなくなった、残り2人になったが役職が確定できないなど)。その場合は、その時点で確定していないプレイヤーの勝利です。
そんなところかなあ。まだ処理めんどくさいかなあ。
ちなみに、細かいルールは詰めてないしバランスも怪しいです。現状では村人側強そうな気がする。
議論するフェイズとかないんだけど、これは不要だから。全部公開されてるんだから、いつでも勝手に話し合えばいいです。そうなった時点で人狼ではなくなっているわけで、ある意味目標達成と思ったり。
もちろん、人と遊んでみたりはしてない。どうなるかなこれ。自分でかたちにする気とか毛頭ないんだけどw