2003.11.29 てらしま
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著者 翻訳者 出版社
本文
2003.11.29
Bad! Daddy2 五月祭にパパは踊る
野村美月 ファミ通文庫
既刊の評
Bad! Daddy1 パパに内緒で正義の味方
『Bad! Daddy』を翻訳すると「パパのカバ!」(1巻より引用)になる。この言葉は非常によくこのシリーズを表しているような気がするので書いておきたかった。
「バカ」ではなく、なぜ「カバ」なのか。
文字の大きさが示すとおり、このセリフは1巻の一つの山場で登場する。そうすることで、娘の父親への複雑な感情を端的に表してしまえていたんじゃないかと思う。
主人公は、変人で悪の秘密結社幹部の父親に愛情を抱きながらも、あまりの変人ぶりに振り回されて困る。そういう話だから、いきなり「バカ」ではなく「カバ」だったわけである。
この2巻ではもうカバは登場せず、主人公は素直に「パパのバカ!」という。つまり、カバを使わなければならない段階はもう過ぎたわけだが、基本的なストーリーは変わらない。父親の行動に振り回され、一方で怪人(怪獣)が現れ、主人公はヒーローに変身して戦い、最後は愛の「パパパンチ」で解決。
新キャラクターが2人も登場したのに、流れはまったく同じなのだ。
この調子だと、いろいろと残されている謎についても同じ扱いになるんだろうか。それでいいのだろうかとも思うが、逆に、ごちゃごちゃといろいろな要素が盛りこまれてもテーマがぶれないという安心感がある。
そういえば内容の紹介をし忘れたが、まあ説明するほどの話でもなかった。1巻の続きだ。
あいかわらずの、どこまでも異常な世界観は、読んでるうちに慣れる。いつのまにか、これが普通という気になっているから不思議だ。
登場人物の行動原理が極端に単純化されているだけで、実はさほど異常でもないんじゃないかとも思った。それに気づくと、野村美月がなぜ面白いのかわかるようなそうでもないような。