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キャストエニグマ
 ボードゲーム

2004.3.28 てらしま
キャストエニグマ
株式会社ハナヤマ
Eldon Vaughn・芦ヶ原伸之
1人
4時間〜数日

 ごめん。ちょっと自慢したかっただけ。
 ちょっと前から静かなブームらしいキャストパズルの最新作で、「難易度は史上最高」と派手に宣伝しているもの。なにしろ、外したところを写真にとってメーカーに送ると特製キャストパズル用巾着袋がもらえるというキャンペーンまでやっている。
kyasutoeniguma.jpg
 ちなみに、写真に映っているのがその巾着袋である。
 普通、この手の知恵の輪というのは、「とれそうでとれない」からがんばりたくなるものだが、エニグマは違う。いいかどうかはともかく、そこがこのパズルのもっとも特徴的なところだ。
 一見、とてもとれそうじゃないんである。まずしばらくいじってみて、たいていの人の感想が「不可能」。この絶望感はちょっと感じたことのないものだった。
 しばらくいじっているとだんだんとできることがわかってくる、この点は他の知恵の輪と同じ。しかしエニグマは、できることが多すぎる上に、解法に近づいているのかどうかがまったく判然としない。最後の最後まで、「ほんとにこれでいいのか?」ともう一度最初からやり直したくさせる。
 キャンペーンをやって煽ったのは、そういう意図もあったんじゃないかと勘ぐりたくなる。始めから不可能と感じる知恵の輪は、時間を消費する娯楽としては、あまりいいことじゃないような気がするのだ。
 だだっ広い平原のど真ん中で始まるロールプレイングゲームのようなものである。どうしていいかわからないまま歩いてみなければならない。
 だからまあ、エレガントな解法に気づいて「そうだったのか!」というような、真犯人がわかったときのカタルシスのようなものは薄い。
 同じキャストパズルのシリーズでいえば、キャストデビルとかキャストホース、キャストニューズみたいな、名作かもしれないパズルとは違う。そういうパズルをすべて解いてしまったあとで、パズル中毒になってしまった人がやるパズルだと思う。ファミコンのクソゲー『たけしの挑戦状』みたいなもんだろうか。あんなにひどくはないが。
 
to.jpg株式会社ハナヤマ
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