ゲームシステム的には、これまたワーカープレイスメントのアレンジといっていいだろうか。
しかしずいぶんきれいに整理され、1時間程度で終わる軽量ゲームになっている。
塔を建てるゲームだ。
塔には、土台、屋根、壁の3種類のパーツがある。とりあえずこれらを集めないと、建てることができない。
そのパーツを集めるために、ワーカープレイスメントのようなことをやるわけなのだけど。
といっても、使うのはワーカーコマではなくカード。大きな8角形のボードにはカードを置くスペースがいくつも用意されていて、そこにカードを配置することでアクションをおこなう。
カードを使うというのは、ありそうでなかったような、あったような。いずれにしろそのうち出てくるわなというような。
よく思うのだけど、この「誰かが考えつきそうな感じ」というのはけっこう重要な気がする。それだけ、自然な時代の流れで生まれたゲームなのであり、プレイヤーから見て「こんなゲームをやりたい」という需要そのものかもしれないからだ。
さて、ボードにはいろいろなアクションがある。銀行にいけばお金が手に入る。そのお金を使って、塔のパーツを買いにいく。パーツが集まったら、建設。
手札からカードをプレイしながら、そんなアクションを実行していく。
おもしろいのは、このときの制約だ。
カードには色があって、ラウンド開始時にランダムで配られるのだけど。ひとつの場所にカードが置かれたら、もうその場所では、その色のカードしかプレイできなくなる。
トリックテイキングでいうマストフォロー的な? たとえば「建設」に青いカードが置かれたら、そのラウンド中はもう、青のカードでしか「建設」できないんである。
もしもその色を持っていなければ、任意のカードを2枚プレイすれば色をフォローしなくてもいい。もちろん、損をするわけなのだけど。
このルールはかなりいい。それに、カードならではだ。
そうして、より高い塔を、より価値のある塔を作ることを目指す。
ワーカープレイスメントというのもどこまで解釈を拡げたものか、という感じもするけど。
マストフォロー+プレイスメント。いかにも、ワーカープレイスメントのブームが一周して出てきた感じがする。
いちばん一般的なワーカープレイスメントといえば、すでにコマが置かれている場所は選べないというやつだろう。このアサラは、それと比べたら少しゆるい制約だ。アクションごとに枠の上限はあるのだが、一人しか入れないわけではない。
この制限が、わりと絶妙と思う。
あまり、派手さはないかもしれないのだけど。いいゲームだ。
プレイ時間も短い。やることもシンプル。最近、こういう短くまとまったワーカープレイスメントがけっこう出てきた気がする。新技術だったゲームシステムが、こうしてだいぶこなれてきたのかなーと思う。