メビウス便できた、なんかタイトルを憶えられないゲーム。タイトルにXが入ってたなということだけは憶えてる。
いわゆるゴーアウト系、大貧民系なのだけど、少しだけひねりが入っていて、そしてそれがおもしろい。
順番に手札からカードを出していく。同じ数字が何枚もあれば、まとめて出してもいい。手札を最初になくしたプレイヤーの勝ち。
大貧民系と書いたけど、考えてみればそうでもない。前のプレイヤーが出した数字よりも大きい数字を出す必要はないし、枚数縛りもない。ただ、できるだけ多く、大きい数字を出したほうが有利ではある。そのへんが、大貧民と似た構造を作ってはいる。
ふつうの大貧民は、プレイしたカードをテーブルの中央に重ねていく。けどこのゲームは、自分の前に出す。各プレイヤーが、これまでなにをプレイしたかが一目瞭然になっている。そして、カードをプレイしたときに、直前に同じ枚数のカードをプレイしたプレイヤーがいたら、そのプレイヤーへの攻撃が発生する。
例えば。6を4枚プレイしたとき、直前にカードを4枚プレイしていてその数字が6より小さいプレイヤーがいれば、そのプレイヤーを攻撃することになる。攻撃したら、次のようなことが起こる。
枚数が同じときに攻撃が発生するので、1枚で出したカードはとても攻撃されやすい状態になる。また、数字が低くてもたくさん出せば攻撃されづらい。そのへんが大貧民に似た構造になっているのだけど、しかしそこにインタラクションが入っている。トップを叩こうかとか、あのカードがほしいとか、そういうプレイヤーの思惑が絡んでくる。そこがとてもいい。叩き合いなのに、枚数が一致しないと攻撃できないランダムがあるから、ギスギスしづらそうなところもいい。
あと、攻撃されたとき、そのカードを手札に戻す代わりに場に表向きに並んでいるカードから補充することができる。ということは、弱いカードが攻撃されるとより強いカードに替えることができる。特に場にいいカードがあるときは、それをあえて狙ったり、攻撃したいのにしづらくなったりする。そのあたりの、状況が変化していく感じも非常におもしろい。
なにしろ手札が多いほうが攻撃しやすく防御しやすいわけで、攻撃を受けると手札が増えるわけだから、逆転が起こりやすい構造もある。
個人的にはけっこう絶賛だ。こういうテーマのないシンプルなカードゲームは「イマイチ……」か「最高!」のどちらかになる。大多数は前者で、たまに現れる後者はだいたいすごいゲームだ。作り手側からすれば博打だろう。アブルクセンは、わたしにとっては久しぶりに当たった後者だ。
と思っていたら、そういえば作者がクラマー&キースリングなんだよな。やっぱりすごい。