今さら紹介する必要はないゲームだ。だから、わたしの考えるカタン戦略論でもぶっておく。
すなわち、初期配置とは4人のプレイヤーに1つずつ、4つの作戦を分配する時間である。
それが実現しない場合は、配置を考えなおさなければならない。
各作戦が成立する条件と目指す最終形、動きについて述べる。
なお、いずれの作戦であっても、都市2つ以上の建設を目標とする。
複数の作戦を併用できた場合はより強いが、そのときは他のいずれかのプレイヤーが勝ち筋を失っている。序盤から勝ち筋を失ったプレイヤーを作ることは得策ではない。
また、この4つ以外の作戦として以下のものなどがあるが、他に勝ち筋がない場合以外は選ぶべきではない。
盤面と得点カードで早めに6点を確保し、最大騎士力と最長交易路の両方を一気に確保する。すべての局面に運が必要だが、決まれば最速。都市を必要としない場合がある唯一の勝ち方。
発展カードを引かず、ひたすら盤面の得点と生産力を伸ばし、終盤、トップ争いに一歩遅れて食い下がる(狙ってできることではない)。
勝ちそうなプレイヤーが現れると、他のプレイヤーが協力してトップをとめようとする。このとき必ず、誰も伸びない時間帯が生ずる。ここでうまく他人が邪魔し合い、その間に自分が伸びることができれば勝てる。
なにも勝ち筋がない場合、中途半端な作戦でもトップに食い下がることができていればこれを狙える。
1個目の開拓地は、この順位にしたがって置かれると考える。そうでなかった場合は、あなたの読みが甘かった。
カタンには5種類の資源が存在するが、すべての資源が生産できなければ勝てないわけではない。資源には価値の差があり、それは通常、次の通りである。
資源の価値は需要と供給のバランスで変動するが、適切な初期配置がおこなわれていれば、麦や鉄の価値が暴落することはあまりない。逆に泥や木の価値はマイナス(もってるだけ損)にまで下がることもある。
ということは、初期配置でダイス目に拘泥しても意味がない。こだわるべきは、今後のゲーム展開の中で自分が生産する資源の総価値を高めることである。島を「狭く」して供給量を減らすとか、誰もが必要とする麦を優先的にとるとか、これまでの各項で書いてきたことの意味はここにある。
そんなことを考慮しつつ、ここではそれぞれの資源について考察する。
序盤から終盤まで、絶えず欠いてはならない資源である。したがって、即座に専門港を確保できる場合以外は、かなりの無理をしても初期配置で生産できる形にしなければならない。
つまり、港作戦以外では絶対に、麦を生産できない配置をすべきでない。
逆にいえば、どうしても麦を生産できない場合、あえて角の港に初期配置してしまうことも考える必要がある。
終了までに必要な枚数は、どんな作戦をとっても10枚以上。
他の資源とはまったく性質が違う。他の資源は「発展するため」に必要だが、鉄は「トップをとるため」の資源なのである。
勝つためにはかなりの枚数が必要となる。カタンの戦略とは、中盤以降いかに鉄を確保するかを考えるためにあるといっていい。初期配置でも優先的に生産できるようにしなければならない。
終了までの枚数は、鉄作戦が約17枚、カード作戦で約15枚、平均作戦でも10枚程度はほしい。
忘れがちだが、麦と同じく、ゲーム全体を通じて必要な資源である。ただしカード作戦以外では、始めから多くの枚数が必要なわけではない。序盤は港を確保するための開拓地1個分、1枚だけ確保できればいい。
終了までの枚数はどの作戦でも8枚前後。
生産できないとしても勝ち筋がある。土地タイル枚数が多いが、平均作戦以外では中盤以降必要なくなるため、港で鉄を作るための資源としてはもっとも有効。
ただし、序盤に必要(2枚)な資源であることを考えると、泥か木の少なくともいずれかは自力で生産できる初期配置をすべきである。
カード作戦、鉄作戦では、中盤までに4枚確保できればそれ以上は必要ない。
木とほぼ同様。ただし土地タイル枚数が少ないため、港用としては一歩劣る。
以上が、わたしにとってのカタンだ。もちろんもっと書くことはあるが、詳細に論じ始めるといくらでも書けてしまうので(ボードゲーマーなら誰でもそうだろう)やめる。
とくにゲーム中盤以降のことについてはなにも書かなかったが、カタンはすでに戦略がかなり開発されており、序盤の占める割合が非常に大きくなっているゲームだ。戦略と最終形を考えた初期配置を行うことがもっとも重要な要素なのである。
[2007.09.16 10:30]min :
勉強になりました。なるほどなあ
[2007.09.16 21:16]てらしま :
ありがとうございます。
でもいま読むと偏向してるところもあるなあと思うので(笑) 全部は信じないほうがいいかもです。
2008.10.23 22:51 anonymous :
面白かったです
ちょこちょこ実践してみますww