遊星ゲームズ
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コロッサルアリーナ
 ボードゲーム

2005.2.8 てらしま
コロッサルアリーナ
Fantasyflight
R.Knizia
2〜5人()
60分

 なんか昔のゲームのリメイクらしいが、そちらはやっていない。
 闘技場に、8匹のモンスターがいる。プレイヤーたちはどのモンスターが生き残るかを予想して、賭けをしている。
 一匹のモンスターにもっとも多く賭けているプレイヤーはその「パトロン」となり、モンスターがそれぞれに持つ特殊能力を使えたりする。
 けっこう説明がめんどくさいのだが……。
 プレイヤーはターンが回ってくると、モンスターの戦闘カードというものを場に出す。カードには0から10の数字が書かれており、それが、そのラウンドのモンスターの活躍度になる。
korossaruari-na.jpg
 カードはすでに置かれているところにも置くことができる。その場合は、下のカードの数字は無視されて新たなカードに上書きされる。
 そうしてカードを出しながら、賭けもやる。5枚ずつ渡されているコインをモンスターに賭けていく。
 ラウンドが終わると、もっとも数字の小さいモンスターが敗北して、いなくなる。もちろん死んだモンスターに賭けられていたコインは無駄になるので、そうならないようにがんばるわけだ。
 ちなみにラウンドの終了条件は、すべてのモンスターに戦闘カードが置かれること。すでに置かれているカードの上にも置けるので、このラウンド終了をいつ起こすのかというところが非常に重要な要素になる。
 これを5ラウンドくり返し、つまり3体のモンスターが生き残ったところでゲーム終了。生き残ったモンスターに賭けられたコインの所有者に得点が入る。得点の高いプレイヤーが勝ちである。
 モンスターの特殊能力に関するルールなどが少し煩雑で、しかもその割に、特殊能力を使う機会はあまりない。
 ルールブックの日本語訳とにらめっこしながらやることになるのだが、しかし実は、ありがちだが、最も重要なのは特殊能力なんかではなく手番のタイミングだったりする。だからといってそんなものをコントロールしきれるはずはなく、モンスターの能力もうまく使えば強力なものがあり、しかしそれでまたラウンド終了タイミングがずれて……といった、まあボードゲーマーならば誰でも知っている思考過程を踏むことになるゲームだ。
 要するにラウンドを終わらせたプレイヤーが非常に有利になるのだが、いいタイミングでそういう盤面が回ってくるようにコントロールすることはとても難しいのである。
 こういったこともまあ考えてやるべきだし、それもつまらなくはないのだが、やはり「コロッサルアリーナ」という題材からは離れたところにある。考えれば考えるほど雰囲気が失われてしまう。そこがちょっと残念。
 けっきょく、手番順(あるいは得点計算タイミング)の問題というのは、あらゆるゲームデザイナーが考えなければならないところだと思う。手番順が勝敗に寄与する部分というのはたいてい、非常に大きい。必死に独自のゲームシステムを構築しても、ともすればそのすべてが吸収されてしまう。だから、名作と呼ばれるゲームには必ずといっていいほど、この問題をクリアするための工夫がなされている。
 このゲームは典型的な、システムが手番順に吸収されてしまっているゲームである。わたしは嫌いじゃないのだが、要するに、手番順をコントロールしなければならないゲームはみんな同じといってもいいわけなのである。
cut4.jpg

コロッサルアリーナを