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スマッシュアップ
 ボードゲーム

2013/04/24 01:20 てらしま
スマッシュアップ
SMASH UP
2012年
Paul Peterson
AEG アークライト
2~4人
45分
amazon

 トレーディングカードゲームのデッキ構築のおもしろさをボードゲームに取り込もうとする試みはたくさんあって。もちろん、いわゆるデッキ構築ゲームもそうだといえるかもしれない。というか、ゲームデザイナーの中にだって、マジック:ザ・ギャザリングが大好きな人がたくさんいる。
 TCGの影響が明白なゲームというのは実際ある。この『スマッシュアップ』もまさにそれ。
 箱の中には、構築済みデッキが8個入っている。これを2つ選んで組み合わせ、自分のデッキにする。
 いわゆる最近の言葉でいう「デッキ構築ゲーム」ではない。ゲーム中にデッキ内容が変わらないから。あくまでゲーム開始前に完成品のデッキを作る。つまりこれ、本当にTCGのデッキ構築を簡単にしたものなのだ。

 ゲーム自体はひどく簡単。
 テーブルの中央に敵の「秘密基地」がいくつかある。そこに、手札から自分の「戦闘員」を送り込む。配置された戦闘員の戦闘力の合計が、秘密基地の耐久力を上回ったら、陥落する。そのときもっとも大きな戦闘力を配置していたプレイヤーに何点、2位に何点、という風に得点が入る。
 手番にやることは、戦闘員カード1枚と使い捨てのアクションカード1枚をプレイする。カードにはコストもなにもなく、無料でプレイできる。
 手番終了時に2枚引く。
 それだけだ。あとはカードのテキストを読め。

 予想できるとおりてきとうなゲームなのだけど。これ、たしかにTCG的なおもしろさがある。ハーフデッキを2個組み合わせるルールとあわさると、これでじつはとても利にかなっているという気もしてくる。
 たとえば「恐竜」という陣営がある。特徴は、戦闘員の強さとそれをサポートするアクション。他の陣営より一回り大きい戦闘員に加え「巨大化」も備えている。ありていにいうなら、マジックの緑だ。
「忍者」は戦闘員の性能は低めだが、他のプレイヤーの戦闘員を暗殺したりといった妨害に長けている。「ゾンビ」はその名のとおり、墓地から戻ってくる。「魔法使い」は手札を増やしたりプレイ回数を増やしたりする。
 マジック:ザ・ギャザリングのスタンダードなデッキは、だいたい2色で組む(いやそんな時代の方が少なかっただろうけど、まあ少なくとも、カード資産があまりないプレイヤーにとってはやりやすい構築方法だといえるだろう)。典型的なのは、緑の大型クリーチャーと赤の火力を組み合わせた「ステロイド」だ。
 ハーフデッキ2個を組み合わせるというのは、それを表現している。大型クリーチャーがいる陣営と火力(除去)のある陣営を組み合わせれば、ステロイドデッキの完成だ。
 そういう楽しみが、たしかにある。

 ポイントは、カードのプレイコストが無料ということ。TCGのように土地をタップしてマナを出して云々という手続きがいっさい必要ない。つまりカードの色拘束やコストを考慮する必要がない。
 ふつうは、これをやると問題になる場合がある。カードプレイに拘束がないということは、すべてのカードが同列に評価されてしまうということだ。ある状況では強いが別の状況では使えない、というゲーム的なジレンマを、その部分ではオミットしてしまう。強いカードは誰がいつ使っても強い、という状況になりやすい。
 このゲームではじっさい、強いカードは明らかに強い。戦闘力2の戦闘員よりも、戦闘力3の戦闘員は一意に強い。でもそれは、枚数が決まっている。ハーフデッキが構築済みだからだ。
 ふつうによくあるゲームをデザインするなら、共通の山札からドローとするだろう。もしそうだったら、単純に強いカードを引いたプレイヤーが勝つ運ゲーになる。あるいは最近流行のドラフトでもいいけど、それでも同じだろう。
 コストでなくてもいいのだけど、状況により性能が上下する仕組みがもう少しないと、ゲームが成立しづらい。そういう意味で、ゲームルールが不足しているといってもいい。
 でもそこに、ハーフデッキを2個組み合わせるというルールが足されることで、成立してしまうんである。ふつうならありえないくらいルールを省くことができてしまっている。

 そんなわけで、でたらめなゲームだとは誰もが思うだろうけれど、でも考えてみれば、これで理屈がうまくつながっているような。じっさい、思ったよりずっとおもしろかった。
 ちょっと気に入ったのでまた遊びたい。TCGに近いからといってTCGプレイヤーに薦めやすいのかといったらわからないけど、どうなんだろう。


ちょこ -2015/01/06 23:59
6人って書いてあったので買ってしまいましたが、このゲーム4人までですよね?
拡張を入れれば6人で遊べるということでしょうか


てらしま -2015/01/07 21:27
4人までですね。記事修正します。
ご指摘ありがとうございます。


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