場にカードを一列に並べるというシンプルさながら、これはおもしろいです。友人宅でやったんだけど、おもしろかったから自分でも買った。
パレードの参加者は、不思議の国のアリスの登場人物たち。……に扮装した、仮装行列である。
参加者たちは偏屈で、しかも飽きっぽい。飽きてくると、きょろきょろと周囲を見まわしはじめる。そして、自分と同じ仮装をした人や自分より偉い人を見つけると、怒って帰ってしまう。
なにこの状況設定。
まあようするに、プレイヤーは一枚ずつ、パレードの最後尾にカード(参加者)を追加していく。
追加したとき、ルールにしたがって、怒って帰っちゃった参加者をチェックし、帰っちゃった参加者はそのプレイヤーがひきとる。このカードの数字がマイナス点になるんである。
なんといっても、一列! というところがいい。この場のシンプルさから、ゲームとしてのおもしろさを引き出している、良ゲーだ。
このゲーム、シンプルではあるんだが、それゆえにいろいろとデザイナーの苦労のあとが見えていたりもする。やはり一軸しかない場からゲームとしての展開の広がりを表現するのは大変だったのだろうなと想像してしまう。
たとえば「飽きてしまった参加者」は、「列の後ろから数えて、いま追加されたカードの数字以上の位置にあるカード」だ。
この飽きてしまった参加者に対し、「色が同じ」または「いま追加されたカード以下の数字」というチェックをする。
……日本語で説明してると、業務システムの詳細設計書みたいになっちゃっていやな気分になるけど(笑)
つまり、単純極まりないアクションにしては、けっこう複雑な処理をしなければならないようなところがある。いや、他のゲームと比べれば複雑というほどではないけど、ちょっと処理に恣意的な感じがあるためか、わりとインストがうまくいかなくてルールを誤解させてしまったりする。
そしてさらに、これでも足りなかったんだろう、最終得点計算時にもギミックが仕込んである。確かにこれだけじゃ、手札しだいではどうしようもなくマイナスが増えていきそうだし。
各色で一番多くその色を持っているプレイヤーは、その色のカード一枚がマイナス1点になる。
得点計算時にリソースの「色」を区別し、他プレイヤーと比較させるというのは、いろんなゲームで採用されているロジックだ。ゲームがシンプルすぎるときの常套手段といえるんじゃなかろうか。
そんな感じで、調整したんだろうなーと思うシステムになっている。
そして、ちゃんとそれが成功していると思う。あえて「一列」とした上でロジックを追加してゲームを成立させ、それが必要以上に複雑になっていないと思う。
日本のゲームでこのバランスを保っているものは数少ない。