意外におもしろくてびっくりした。タイトルといい、箱といい、そこはかとなく期待できない感じがしていたのだけど。
いわゆるワーカープレイスメントである。
これは大事な情報だ。このタイトルと箱ではなかなか想像できない。だからもう一度書くけど、ワーカープレイスメントなんである。
てらしまはワーカープレイスメントが好きなんですが。
ワーカーという言葉はつかわない。配置するのはお金だ。盤面のワーカー配置ボックスにお金を配置し、配置したら即効果を実行する。
このあたり、若干混乱する。ついお金のことを「ワーカー」とか「労働者」とか呼んでしまったりする。まあそれで不都合もないけど。
わりとまともにワーカープレイスメントなんだけど。配置のしかたがおもしろい。
盤面には、四角のマス目が並んでいる。これらがワーカー配置ボックス。ここに、お金を配置していく。
ちなみに、配置したら即座に効果発動のアグリコラ式。ふつうワーカープレイスメントは、プレイヤーごとに色を分ける。でも効果が即時発効なら、ワーカーを色分けする必要がない。だからこのゲームでは、お金チットが全部同じ色だ。
まあどうでもいいことだけど、なんか新発見だった。
とそれは余談だが。そのお金の配置方法。
基本的に、ひとつのボックスにはお金をひとつ配置すると効果が得られる。ボックスは一度ずつしか使えない。
ただし「縦か横のとなりのボックスにすでに配置されている」場合は、となりに置かれているお金の数だけ高くなる。
このルールが大変おもしろい。
ワーカープレイスメントは非常に洗練されたシステムで、おもしろいゲームが多いんだけど。その代わり、システムをいじるのが難しい。
人数制限のあるボックスにワーカーを配置するとすることで、インタラクションもルールのわかりやすさもすべて解決してしまうわけなのだけど。そのかわり、あまりに完成されたシステムだから独自性を発揮しづらい。
しかしもちろん、ゲームデザイナーとしては、オリジナリティのないゲームを作るわけにもいかないだろう。
「ワーカープレイスメントを必死に考えて、ルールを整理していったらストーンエイジかケイラスになっちまったー!」
というデザイナーたちの苦悩が想像できる気がしてるわけだけど。
いろいろな要素を追加したり、ワーカー配置ルールそのものをいじったり。といったことを試みたゲームは、じっさいいくつか見た。でもなかなか成功したものは少ない気もする。
ワーカープレイスメントならなんでもおもしろい!というわけでもなく、むしろシステム自体が完成されすぎているせいで、そういう難しさがあるのかもしれない。と思う。
そんな中で、ダイヤモンドクラブ。このワーカー配置ルールはとても斬新だし、おもしろいんである。
ここの印象が非常に強い。あまり派手な部分ではないけど。
ワーカーを配置する場所は「市場ストライプ」というものを並べて作る。これが毎ラウンドランダムで変わって、これもおもしろい。
その他の部分は、わりとふつうのワーカープレイスメントなんだけど。「○○能力を強化」するボックスがあったり、ワーカー(お金)を増やすボックスがあったり。なにかを生産するボックスがあったり。
地味ながら斬新なワーカー配置ルールで風味づけされた、じつはけっこう素直なワーカープレイスメント。なんである。
じつのところ、60分強以内で終わる軽めのワーカープレイスメントがほしいというのは常々思っていた。ストーンエイジ以外で。
それが、意外なところにあったー。という。
メビウス便の積ゲームの中に、いままで埋もれてたんだけど(笑)。こういうことがあると、新しいゲームをばりばりやりたくなってくる。
てらしま -2009/08/17 21:45
若干修正。