もはや話題のゲームなので、ゲーム紹介は他のサイトに譲ることにして。
このゲームが、たぶんTCGから輸入した「ドラフト」というシステムを採用していることは、↓の記事に書いた。
こうなると「ドラフト」というのもどうもあいまいな用語だけど、まあいまのところは、TCGプレイヤーがそう思ったらそうなのかもなというくらいで。
なぜドラフトだったかというと、ドミニオンがTCGプレイヤーをとりこんだ直後の市場が、いま目の前にあるから。ではないかというようなことも、上の記事に書いている。
まあこんな話は憶測なのだけど、ここではさらに憶測を重ねることにしよう(ぉ
「ドラフト」の採用だけではない。世界の七不思議は、ゲーム性そのものというよりもそれ以外の点で、とても冷徹な市場分析のもとに作られたのではないかという気がしているんである。
それは、↓のような点から。
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3~7人
多くのボードゲームの基本的な人数は、4人だ。3人は「1人対2人」になりがち(もちろん1人側が負ける)という問題が発生しやすく、じつはあまり適さない人数である場合が多い。マルチゲームの、現実的に問題が起こりづらい最低人数は4人。だから、ボードゲームはまず4人向けに作られることが多いのではないかと思う。
もちろん、それを超えるプレイ人数にしてもいいのだが……、現実的に、それをやるにはコンポーネント量を増やさなければならない。調整も大変だし、また、いわゆる「ダウンタイム」が大きくなり、楽しさを損なうことになりがちだ。
だから、4人用ゲームが多い。5人まではけっこうあるのだけど、6人以上となると極端に減る。
だがさて、そうすると。ゲーム会に6人から7人のプレイヤーが集まった場合、困ったことになってしまう。
じつは、6人や7人でプレイできるゲームというニッチ市場が存在する可能性が、たしかにある。
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30分
これは近年のトレンドのひとつだろう。じっさいのところ、2時間のゲームと30分のゲーム、どちらがプレイされやすいかといえば明らかではある。
世界の七不思議はこのために、全員の手番を同時解決という荒技を採り入れた。すべて同時だから、ダウンタイムはほぼゼロだ!
もちろんそれは、厳密にプレイすれば問題が発生しうるルールだ。しかしそれよりも、短時間ゲームであることを優先したのだ。
また、戦争のルール「両隣と比べる」というあたりも実に秀逸だ。これにより、プレイヤー人数によりゲームスケールが変わるということがない。しかもプレイヤーは、つねに両隣だけに気を払っていればいい。遠く離れた対面のプレイヤーがなにをしているかなど、見る必要すらない。
プレイヤーの注意する範囲が狭ければ、それだけ考慮時間を減らせるんである。
すばらしい。とても論理的に、市場が求めているものを分析した結果生まれてきたゲームに見えてくるんである。
(そうしたマーケティングを優先したがために、ゲーム部分にいくらか亀裂がある気がしないでもない。とも思えるのだけれど)