遊星ゲームズ
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黄金島
 ボードゲーム

2008.10.24 03:55 anonymous
黄金島
DIE GOLDINSEL
2008年
Winning Moves
Rüdiger Dorn
2-4人(3、4人?)
60分
thx to play:game
amazon

 コンセプトというか、やりたいことというか、デザイナーの気持ちはわかる気がする。
 海に島がたくさんあって、その中のひとつが黄金島なのである。プレイヤーは海賊の船長になって、黄金島を捜す。
 しかし、
黄金島を見つけたら勝ち」
 ではない。そのあたりが特徴だ。このゲームが目指したところも、そのあたりに表現されているのだろうと思う。
 このゲームの勝利条件は、
黄金島に上陸したプレイヤーの中でもっともたくさんの財宝を獲得する」
 こと。「黄金島を捜す」というより、黄金島に置かなければ負けなのである。
 ちなみにこれ、「偶然上陸した島が黄金島だった」でもいい。情報収集をせず、他プレイヤーの行動から推定するというルートを、あえて確保してあるデザインだ。

 とりあえず、12枚ある島カードから1枚がボード脇に伏せられる。このカードに書かれているのが、黄金島である。
 この黄金島を捜すため、海賊たちは港町で情報収集し、出航して島に上陸し、財宝をあさる。
 情報というのは、島カードで表現されている。黄金島以外の情報カードははじめ、山札として置かれている。ゲームが進行するとこれが引かれていき、さらにプレイヤーからプレイヤーにぐるぐると移動する。
 この流通している島カードは、黄金島ではない。だから、全部見れば黄金島を特定できるというわけだ。

 Whiteさん宅でゲームするときは、『スルース』が定番のひとつ扱いされていたりする。黄金島の「伏せられた一枚を推理する」というあたりは、あのゲームを思い起こさせる。
 スルースはいいゲームだ。しかし、じっさいのところ、あのシステムには欠点がある。
 スルースでも黄金島と同じように、解答ではないカードをプレイヤーが持っている。欠点というのは、その情報をもっているのがゲームを通じてそのプレイヤーだけであるというところだ。
「青いダイヤカードを何枚もっていますか」というような質問に、プレイヤーは正直に答えなければならない。そこで一度でもウソをつくと、ゲームが成立しない。
 まあ、ルールとしてプレイヤーが正直であることを前提とすること自体は、しかたないだろう。しかし、プレイヤーは人間なのである。人間である以上、ミスは必ず起こる。スルースのゲームシステムでは、一度のミスも許容できない。
 ミスをするとゲームバランスが崩れるとか、そういう話ではない。ルールの前提が崩れてしまうから、ゲームにならないのだ。
 プレイヤー全員に、集中力が求められるゲームなのである。
 じっさいのところ、ボードゲームプレイヤー全員がそうした集中力を備えているわけではない。
 というより、ゲームに求めているものは人によって違う。ほしいのは単純な楽しさであって集中ではない、というプレイヤーも多いのだ。スルースは考えることが多すぎて、ゲーム中は誰もが無口になってしまい、盛り上がらないという面もある。
 だから、はじめて会った人とスルースをプレイすることはちょっと厳しいかもしれないと思う。

 困ったことに、スルースはおもしろい。だから、ああいうシステムを使った別のゲームを作れないかと思う。
 黄金島は、そういう試みのひとつと思える。
 海を航海して宝を捜すためにリソースをマネジメントしなければならないわけだが、そうした行動の一環として、情報収集のためのアクションがある。情報そのものをリソースと同列に扱っているわけである。
 試みとしておもしろいと思う。
 ただゲーム自体は、充分に練られていない。余分な要素が多すぎるし、まとまっていない。

cut4.jpg

黄金島を