タイトルどおりの時間テーマSF。横長のボードには、同じマップが3つ描かれている。ボードに描かれているのは3つの時代なんである。それぞれ「力の時代」、「宗教の時代」、「理性の時代」だ。
ルールブックに「タイムパラドックス」などという用語が登場したりして、なんとも楽しい気分になる。
つまり「過去の時代に建てた建物は未来にも登場する」んである。なんかすごくおもしろそうじゃないか。
3つの時代にはそれぞれ特有の得点方法が用意されている。プレイヤーは2個ずつのコマを持って、未来にいったり過去にいったりしながら、各時代に建物を建てたり、入植したりする。
得点はゲーム中2回。そのとき、コマを置いている時代から得点をえられるというわけだ。
SFファンとして、すごくおもしろそうなテーマではあるわけだけど。不安もある。「次の時代への波及」という要素が、処理として複雑すぎるのではないかという点だ。
この不安は、残念ながらわりと的中で。ただ波及するだけならば思ったほどではないものの、タイムパラドックスに関する処理はけっこうめんどくさい。
さらに、チグリス・ユーフラテスに似た王国の合併や分裂といった要素もある。じつはベースの部分はシンプルなゲームなのだけど、いろいろなルールがからんだときの例外処理がひどく多い。
しかし、まだぎりぎり、処理できない量ではないと思う。少し慣れれば大丈夫だろう。
各プレイヤーに配れるかたちの、わかりやすいリファレンスが欲しかったところだ。作ろうかな。そうしたものがあれば、だいぶ変わると思う。
ゲームは意外とシンプルで、けっこう楽しい。「タイムパラドックスで建物が壊れた!」などは強烈すぎるインタラクションだし、おそらくは1番手プレイヤーが有利だろうなどの欠点はすでに見えているけど。
そのあたり、もう少し練ることはできたと思うけど。
でもテーマは魅力的だし、ダイナミックに局面が動く感じもやってて楽しい。