まあ多少、コンポーネントなどに不満はあるが、ゲーム自体はたしかに傑作だと思う。次の年間ゲーム大賞?などとちまたでは囁かれていたりもするゲーム。
まあなんというか、デザイナーの乾坤一擲の気迫が伝わってくるゲームだ。
見てのとおり、とても凝ったつくりのゲームだ。7800円である。
写真に写すのを忘れたけど(あと撮りかたがヘタクソだけど)、6個のパーツからなる木製の大聖堂があって、これが1ラウンドに一つずつ組み立てられていく。これが完成したら、つまり6ラウンドで終了というわけだ。
そこまでビジュアルにこだわっておきながら、なぜカードにはドイツ語の文章しか書かれていないのか、というあたりが激しく疑問。せっかくだからこのへんもアイコンにしてくれればよかったじゃないか。
いろいろな要素があって紹介が(おそらくインストも)面倒なのだが、はじめてしまえば、見た目よりは理解しやすい。
サンクトペテルブルグ風の金/得点トレードオフを基本とした街系ロジックと、簡易オークション的な?と、モルゲンランドのような「アクションに人を配置していく」要素と、電力会社の発電所みたいな職人カードとか、みたいないろいろを力いっぱい組み合わせた……、みたいなゲーム。
ってなにいってるかわかりませんが。
細かく説明はしないけど、とりあえずラウンドの進行を書いてみる。
で、この第3フェイズのアクションが全部で14(!)ある。全部書いちゃおうかな。
いやー大変です。なんかもう、思いつくかぎりのものをできるだけつめこんだぜーみたいなゲームです。
ひとつひとつは簡単だけど、やはり多い。
でも、これが意外と、見た目よりずっとわかりやすくプレイできるんである。
ラウンドを計画フェイズと実行フェイズに分けたことが効を奏している。このゲームでは、ほとんどあらゆる行動をラウンド前半に予約し後半で実行というプロセスをとる。これがいい。
そのへんがこのゲーム最大の特徴ということになるだろう。いろいろあるのに整理されていて、1ラウンドやればだいたいわかるようになってるのである。
上にも書いたけど、このシステムはモルゲンランドによく似ている。「インストはめんどくさいけどはじめてしまえばすぐわかる系」だというのも共通している。
それはたぶんこういうことだ。
「インターフェースと実装の関係」みたいな(←かえってわかりにくい)。
逆にいえば、ほかのプレイヤーは自分が選択していないアクションを把握する必要がないわけで、初プレイでも一つ一つ段階的に習熟していくことができる。だからこれほどの数のロジックを並立させることができている。
個人的に、モルゲンランドは非常に好きなゲーム。あのシステムのいいところがこうして陽の目をみたことがうれしい。
ただ、欠点もある。それは「例外処理」だ。
なにしろロジックが多く存在することは間違いないわけで、それはけっきょく処理しなければならない。ロジック一つ一つについて「こういうときはどうなんだろう」みたいな話は必ず出てくる。
いかに把握しやすいといっても、ルールブック中で解読しなければならないページが多いことに変わりはない。このゲームでも、あちこちでルールの誤解が多発しているようだ。
という感じで、実は欠点もけっこうあったりする。でも見た目どおりの傑作なのはたしか。おもしろいです。
しかしさて。どうなんでしょう。賞とるかなあ。なーんか、意外と評価低くてゲーマーから「なんで〜」といわれそうな予感もあるなあ。
個人的には、大聖堂とモルゲンランドを比較すればモルゲンランドに軍配を上げる。個人的には、もしも大聖堂が賞をとるのなら、モルゲンランドはそれ以上のゲームだったことになると思っている。
実際は、モルゲンランドの評価は「ドイツ年間ゲーム大賞非ノミネート」「ドイツゲーム賞9位」というものだったわけだが……。
[2007.02.26 11:49]nasika :
はじめまして。
大聖堂については仰るとおりの印象を私も持っていて、読んでいて非常に共感しました。確かに「なんで~」と言ってしまう予感はしますね。
モルゲンランドを遊んでみたくなりました。
[2007.02.28 23:06]てらしま :
はじめまして。コメントありがとうございます。
レス遅くなりました。大聖堂いいですよね。
ただ、モルゲンランドについてはあまり期待しないほうがいいかもしれません。評価が分かれてるゲームのようなので(^^;