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遊星ゲームズ
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2009/03/09 01:55

スペースアラート
 ボードゲーム

2009/03/09 01:55 てらしま
スペースアラート
Space Alert
2008年
Czech Games Edition
Vladmir Chvatil
1~5人
30分
thx to play:game

 っていうかコンポーネントにCDが入ってる。なにごとだこれ。
スペースアラートCD プレイヤーは宇宙船の乗組員。ボードは宇宙船。そりゃあもちろん、エイリアンが襲ってきたりはする。
 みんなで協力して、宇宙船を無事帰還させることができれば勝利である。裏切りもない完全協力ゲームだ。
 どちらかといえばバカなゲームだけど、意外と協力ゲームの本質をよく表現できている傑作と思う。

 ゲームは「アクションラウンド」と「解決ラウンド」に分かれる。
 まずアクションラウンドで、行動を決める。決めるといっても、ここでは計画するだけ。
 各プレイヤーの前にボードがある。ここにカードを並べる。このカードは、「アラートが鳴りはじめてからの自分の行動」をあらわしている。
「右に移動」とか「エレベータで下に移動」とか。「エネルギーを補充」とか「キャノン砲を撃つ」とか。
 ゲーム終了までの12分間(ターン)の行動を、アクションラウンドで決めてしまう。ここでは計画をたてるだけで、実際の解決はいっさいしないんである。
 このアクションラウンドには、物理的にも時間制限がある。みんなであたふたと騒ぎながらやる。
 で、次に解決ラウンド。
 ここではじめて、さっき決めたアクションの結果を、順番に解決していくのである。
 少しわかりづらいのだが、このシステムが非常におもしろい。

スペースアラートボード 敵がやってくるので、それをキャノン砲で撃退すればいい。でもそれにはエネルギーが必要だ。
 敵はいろんな方向からやってくるから、それに対応するキャノン砲を撃たなければいけなかったりもする。
 乗組員はあたふたと駆けずり回ることになる。
 驚異は外敵ばかりではない。艦内に敵が侵入しただのなんだのと、まあいろんなことが起こる。
「定期的にコンピュータのメンテナンスをしなければならない」なんていうのもある。コンピュータは、放っておくとスクリーンセーバーが起動して止まってしまう。だから、ときどきボタンを押してやらなければならないとか……。
(マニュアルにこう書いてある。いろいろと余計なジョークがたくさん書かれているマニュアルだ)

スペースアラートプレイヤーボード で、CDである。
 このゲームの主役はなんといってもコレ。
 アクションラウンドがはじまったら、とりあえずCDを流す。CDがゲームスタートを宣言するので、そうしたらみんなで相談をはじめる。
 少しすると突然「敵がきた!」とアナウンスがある。そうすると、敵が登場する。
 そうしたら、全員でそれに対処できるプランを考える。
 敵は次々とやってくる。一人で全部対処するのは無理だ。誰がなにをやるのか、短い時間の中で話しあって決めなければならない。
 他にも「カードを補充しろ」とか「5秒間カードを交換できる」とか、「(無線が壊れて)会話禁止!」とかいろんなことが起こる。
 CDが1トラック終了したら、アクションラウンド終了である。
 そのとき各プレイヤーの前に並べられているカードで、解決ラウンドに入る。
 全員の行動を順番に解決していって、宇宙船が無事帰還できたかどうかを決める。
 気づいてみたら、
「あれ? あの敵誰も撃ってないじゃん!」
 とか。

 こういう協力ゲームのパターンはほぼ決まっている。
 一人ががんばっても倒せない敵を出す。とても処理しきれない情報量を盛りこむ。そうすることで、協力が必須というバランスにするのである。
 というか、そうでないと協力ゲームはなりたたない。
 つまり「処理しきれない問題」がキモだ。
 その意味で、時間制限でプレイヤーを混乱させるというのは、協力ゲームにマッチしたギミックだと思う。
 ところが、協力ゲームに時間制限を導入することは、それほど簡単じゃない。
 ボードゲームで時間制限といったら砂時計がふつうだ。しかし、協力ゲームではたぶん使えない。みんな忙しくて、砂時計を見ている暇がないだろうからだ。
 それに、なにしろ協力ゲームなのだから、砂時計のようにあいまいな方法では「ちょっとぐらいならいいよね」というインセンティブが生まれてしまう。
 そこで、CDである。
 ゲームで忙しいのは目と手だ。耳は空いているんである。
 これは意外とスマートな解決方法だ。あまり真似できるものでもないけど。
(いや、ここは日本なのだから、てきとうに声優を雇って作る手はあるか?)

 それに、やっぱり、音が鳴っていると気分が盛り上がる。
 CDから次々と驚異を報されると、いやがおうにもパニック感が出る。まさにスペースアラートという気分になれる。
 このパニック感こそ協力ゲームの醍醐味だなーと思う。

 問題はやっぱり、言語依存だ。
 なにしろCDは英語をしゃべる。しかも、SFらしくコンピュータ口調の、エフェクトがかかった声だ。
 日本人にはつらいものがある。
 とはいえいちおう、CDの各トラックがなにをしゃべっているかを書いたシートもついている。見ればなんとかなると思う。
 なんなら、インストした人がプレイに参加せず、ゲームマスターをやってもいいだろう。
 見ていても楽しめる種類のゲームだ。ゲームマスターでも退屈しないと思う。

 あと、おそらくこのゲーム、プレイヤーのパニックを前提として調整されていると思う。それがテーマなのだろうからしかたないけど。
 コミュニケーション力の高いメンバーだったり、百戦錬磨の指揮官がいたりすると、わりとクリアできてしまう気もしている。
 でも、このゲームの場合、それでもいいや楽しいからという感じだろう。

 近ごろSFゲームが熱い。

cut4.jpg

kamata -2009/03/09 09:15
 この手の機器をゲームの補助に使う『コンピューター・ボードゲーム』の類では、CDのランダムトラック演奏というのは作成がかなり手軽な部類なのではないでしょうか。メディア(CD-R)は安いし、紙コンポーネントを印刷するより安いかもしれない。
 同人アナログゲーム作成で利用できる方法かどうか、ちょっと知人に聞いてみます。

 しかし、この種のゲームはSF者には大変な魅力がありますね。ハゲやスコッティや真田さん(超万能人間たち)と一緒にエンタープライズなどを指揮するのも面白そうですが、みんな会話を富野語縛りにするときっと楽しく悲壮感が味わえる。


てらしま -2009/03/09 12:40
 初音ミクにしゃべらせればいいか。と思いました。コンピュータ口調だから音程は固定でいいし、強いリバーブをかければ違和感なさそう。
 富野口調やヤマトのセリフは、そういうメンバーだと自然に出てきそうw


てらしま -2009/03/11 19:34
 とりあえず、GeekにあるTrek Alertが大変聞きやすいw


2009/03/07 11:07

Windows 7では、IE 8がオプションに
 日記

 そうなのかー。じゃあIEもWindows Media Playerも入れないかな……、と思ったけど、どうせIEでしかみれないサイトは残り続けるしなあ。
 フリーソフト配布するときに「Internet Explorerが必要です」って書かれることになったりするんだろうか。


2009/03/04 00:58

呪いのミイラ
 ボードゲーム

2009/03/04 00:58 てらしま
呪いのミイラ
Pyramid
2008年
Ravensburger
Marcel-Andre Cassasola Merkle
2~5人
30分
thx to play:game
呪いのミイラ

 この写真は、横から撮ったものなのです。磁石で、コマがボードにくっついてるのです。
 なんだこのゲーム(笑)。

 色のついたコマが、ピラミッドにやってきた探検家たち。
 ところがピラミッドには呪いのミイラが棲んでいて。墓を荒らす者たちを追い払おうとしている。
 ちなみに、白いコマがそのミイラ。
 プレイヤーの一人がミイラを担当する。その人はボードの裏側に回る。
 このミイラ、どうやら目が腐れ落ちているらしく。ボードの裏側からは、探検家の姿が見えないんである。
 でも表側からミイラの姿は見える。

 ミイラの視界↓。
ミイラ視界

 自分しか見えません。
 これを裏側から動かすと、磁力でミイラが動くわけなのだ。

「ボードを立てる」なんていわれちまったら、もう戦略がどうとか分析がどうとか、そんな話じゃない。
 セッティングがすでに楽しいし、見せるだけで盛り上がる。
 ルールはシンプルだから、インストも手早く終わる。ゲーム時間も短い。興が冷める前に終わるところがいい。
 むしろ、これで実は高度な戦略ゲームなんですよーなんていわれるほうがいやだ。

cut4.jpg

2009/03/03 20:17

New Games Order設立
 日記

 前に「喰い合うゲームショップ」なんて書いちゃったので、触れなきゃいけない気がするニュース。
 いちユーザからすれば、直接目に見える世界ではないかもしれないけど。

 あんな記事書いたけど「業界のこと」なんて、別にユーザが気にしなくてもいい。
 でも流通が効率化されるなら、よりゲームが手に入りやすくなるし、小売が安くなる可能性もある。こういう商売がちゃんと収益を出してくれれば、それはいずれユーザの得にもなる。
 成功したらおもしろいなと思います。


2009/03/01 23:44

協力ゲーム流行だなあ
 日記

 いまちょっと思いつくだけでも。
 話題になったパンデミックを筆頭に、レッドノベンバー、バトルスターギャラクティカ、スペースアラート、セーラムの魔法使い……とたくさん出てくる。
『指輪物語』のころは、協力ゲームなんて珍しかったのに。
 という話をしていたら先日、知人に「そりゃそうだみんな戦いたくないんだから」というようなことをいわれた。たしかにそうだと思った。
 攻撃手段のない、いわゆるインタラクションの少ないゲームが主流になっている昨今では、必然の流れという見方もできるんである。

 特に完全協力ゲームは、どんなシステムを使っても似たような印象になるなあと思っているんだが。個人的には。
 だから、しばらくしたら「もういいや」となる気がしているんだけど。
 でもこれは本当に個人的な感想で。
 考えてみれば、TRPGの人たちはもう何十年も協力ゲームを続けているわけなのである。パンデミック1個がTRPG1シナリオと思えばいい。一過性の流行ともいいきれない。かもしれない。
 あ、でも、TRPG基準だと高いね。


てらしま -2009/03/02 03:03
 ああ、じゃああれだな。TRPGの人たちにパンデミックを渡して、各自配られたキャラクターに、400字くらいのプロフィールと顔イラストを書いてからゲームしてもらったらどうだろう。


kamata -2009/03/02 13:01
 つまり「アンドロメダ病原体」や「復活の日」をやるわけですね。あるいは「世界の中心で愛を叫んだけもの」やエヴァの終盤みたいな、疫病に限らない滅亡パニックものとか。


てらしま -2009/03/02 20:32
 いやいや、他の滅亡パニックモノは、話にあわせた別のシステムでゲーム化するのです。パンデミックはあくまで疫病モノにしか使わないのです。TRPGと違うのはそこ。
 復活の日はウイルス強すぎな気もするけど(笑)、アンドロメダ病原体はいい感じですな。


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