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遊星ゲームズ
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2010/01/16 14:15

ネズミのパティシエ
 ボードゲーム

2010/01/16 14:15

 要は「材料カード」で役を作って、得点を稼ぐ。というゲームなのだけど。もちろん、それだけではない。いろいろな一工夫が施されている。それが見事にはまっていて、おもしろい。傑作だと思う。

 材料カードには、色と数字が描かれている。色は5色。数字は3~7。この材料カードで、役を作る。
 役は3枚一組で作る。わかりやすくポーカー風にいえば「ストレート」「ストレートフラッシュ」「スリーカード」「スリーカードフラッシュ(?)」の4種。だけ。ストレートの場合、使ったカードのうち一番小さい数字が得点になる。ストレートフラッシュでは、一番大きい数字。スリーカードは使ったカードのうち1枚が得点、スリーカードフラッシュは特別で、使ったカード2枚を得点にできる。
 場にカードが並んでいて。プレイヤーは、手札から1枚カードを場に出し、場のカード2枚を手に入れる。そうやってカードを集め、役を作る。
 簡単だ。ここまでのルールにもけっこういろんな工夫が施されていることが見てとれるけど、しかし不自然なところはなく理解しやすい。

 で、それに加えて、各プレイヤーの前に「ヘルパーカード」というものが置かれている。このゲームの華。もっとも大きな特徴はこれだろう。
 ヘルパーカードには名前がついている。「ハムスター」とか「ゴキブリ」とか。
 それぞれなにか、特殊能力を持っているんである。役を作るときに1枚の色を変えられるだとか、4枚で役を作れるだとか、そういう効果だ。通常のルールとは違う組みあわせで、役を作れるようになる。
 ヘルパーカードは、ラウンドが終わったら左隣のプレイヤーに渡す。そうして毎ラウンド、いろんな能力が回ってくる。
 ヘルパーカードの順番はわかっている。だから、次にくるヘルパーを考えて手札を整えるとか、そういうことを考える。
 これがじつにおもしろい。

 役をそろえるだけのアブストラクトカードゲームでもよかったのだろうけど、その分野はもうとっくに開拓され尽くしている。新しいゲームを考えるのは難しい。
 またそれ以上に、いくら斬新で洗練されたゲームを考えても、抽象的すぎると評価されづらい、という気がする。
 抽象的すぎるアイコンに意味を見いだすことは、万人にできることではない。ゲームルールがわかったとしても、どこを楽しめばいいのかわからない、という現象が起こったりする。
 しかし名前がついていて、それぞれ別の効果がある、そういうカードがあると、そこを足がかりにしてゲームに入っていくことができる。
 抽象化し、洗練したほうがエレガントになるだろうけど。そのかわり、入りこみづらい。どこを楽しめばいいのか、慣れないとわからないゲームになる。わかりやすい「楽しさ」を演出するためには、あえて抽象化しない、煩雑な部分があったほうがいい。

 たとえばドミニオンには、王国カードが必要なかった。
 財宝カードと勝利点カードだけで、小箱のアブストラクトカードゲームとして成立しただろう。それでも、適度に乱数と戦略がある、良質のゲームとして成立しているんである。
 しかしそれでは、あれほどの流行になれなかっただろう。
 それぞれ違う効果が書かれた王国カードがあり、どれを選ぶかをプレイヤーが考える、その過程が楽しいのだ。
 ゲームの一部分だけ、あえて洗練を排除する。それが、アグリコラやドミニオンスモールワールドなど最近の傑作ゲームが解き明かした「楽しさ」の解答のひとつ、という気がする(※)。

ドミニオンの王国カードシステムには、もっと別の意味もある。「あえて洗練しないことによるキャラクター性」というのはあくまで、要素のひとつ。
 もっと以前から頻繁に使われていた手法だが、ドミニオンほど確信犯的にそこに特化したゲームをわたしは知らない、というくらいの意味で。
 

「キャラクター性」という言葉を使いたい。名前があって効果が書かれている、つまりキャラクター性のあるカードが、あると楽しいのだ。
 キャラクターについては、世界でもっとも極まっちゃった文化を持っているだろう国に、我々は住んでいるわけだけど。内容がなくてもキャラクターで商売することができると、そんなことを一番目の当たりにしているのが日本人だ。その視点でいえば、ボードゲームもついにその領域に到達しつつある、といういいかたができるかもしれない。

 ネズミのパティシエは「いまモグラだけど、次のラウンドはハチがくるから……」とか、そういうことを考えるゲームだ。キャラクターの力をうまく活かしたゲームと思う。
 アブストラクトな手役作りだけでは、こんなにおもしろくなれなかった。
 シンプルな基本ルールにキャラクター(カード)をつけ足す、というこの方式には、まだまだいくらでも可能性がある。意識するしないに関わらずドミニオンの流行を受けて、今後もさまざまなゲームが登場するんじゃないだろうか。

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2010/01/13 00:52

ドミニオンレシピ:陰謀編 ダウンロード販売開始

 まだ物理フォーマットの在庫があるわけですが。
 先日DL販売のご要望をいただきまして、そういう方もいらっしゃるのであればということで、こちらもはじめてみようと思います。
ドミニオンレシピ:陰謀編』のPDFダウンロード販売を開始します。

 DL販売では少しお安くさせていただいております。

ドミニオンレシピ:陰謀編』の通信販売につきましても、引き続き受けつけております。やっぱり実物がほしいという方は、こちらto.jpgドミニオンレシピ:陰謀編 通信販売について」をご覧ください。


2010/01/06 08:38

ダライアスバースト
 日記

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「ダライアスが好き」という言葉は、ただある一本のゲームが好きだということだけをあらわす言葉ではない。ダライアス好きがどれだけダライアスを愛しているかというのは、ちょっと他のゲームとの比較ではあらわせないモノがある。
 ダライアスというのはそういうゲームだ。

 ゲーム性が好きというのはもちろんある。初見では誰が見ても「ムリ!」と思うような激しい攻撃を、ボスたちはしてくる。それが、考えながらくりかえしプレイするうちに避けられるようになる。
 ダライアスシリーズを「難易度が高い」とする評価もよく目にするけど、それはじつは違う気がする。
 たしかに、ボスの攻撃は大変激しい。しかしそのぶん、自機には強力なバリア(アーム)が搭載されている。
 また、ある程度パターン化できるように作られているという面も大きい。アドリブや反射神経で弾避けをしなければならない場面は、慣れれば慣れるほど少なくなる。
 そうしたゲーム性が、すばらしい。作りこまれた、完成度の高いゲームだ。
 しかしそれだけではない。

 画面演出も重要だ。ハードウェアの進歩もあり、特にダライアス外伝以降の演出は本当に痺れる。
 激しい雨が降るステージとか。暗闇の中、雷光に照らされ一瞬だけ見える巨大戦艦とか。背景の雲海を泳ぎ回る巨大シーラカンスとか。忘れられない場面がいくつもあった。
 そして、もちろん音楽。わたしは、これまでの横スクロールシューティングの長い歴史が、すべてダライアス外伝の第1ステージのBGM「VISIONERZ」のためにあったといわれても納得する。
(縦スクロールシューティングは、レイストーム最終ステージの「INTOLERANCE」 )

 そうしたいろいろが、すべてひとかたまりに入っていなければダライアスではない。ひとかたまりになってはじめて、我々が愛するダライアスになるんである。
 たとえば、背景が黒一色だったら。自機と敵と弾が、すべてただの四角いスプライトだったら。ゲームはなにも変わらないはずだ。しかし、それはダライアスではない。そんなゲームは数分で投げ出すだろう。
 たとえば、BGMがなかったら(これは、理解のないゲームセンターではありうる)。これもコインを投入しない。

 コンピュータゲームでは、画面演出やBGMとゲームを切り離すことができない。じつはボードゲームもそうなんだけど、コンピュータゲームでは特にその傾向が強い。
 ボードゲーマーであるわたしの立場からすれば、一人遊びのコンピュータゲームはゲームではない。どちらかといえば玩具に近い。
 玩具は戯れて遊ぶ道具だ。その遊びが楽しいかどうかは、複雑すぎてロジックでは測れない。置かれている状況が好きかどうか。それだけだろう。
 複雑すぎて、明確に論ずることができない領域だ。脳科学の分野になるのだろうが、もちろん、まだ判明していない領域に大きく踏みこんでいる。
 遊んでいる最中に、五感から入力される情報のすべて。それらをパラメータにとる、なんらかの関数がある。とりあえず、そうとしかいえない。
 だから。ダライアスであるためには、ゲームと、画面と、BGMのすべてが必要なのである。
 ダライアスのファンは、それらすべてを愛している。わたしも、ダライアス関連のサウンドトラックCDは集められるだけ集めている。

 さて、ダライアスバースト。これまた、ちゃんと見事にダライアスだ。
 である以上、もはやほめる言葉しか出てこないわけだけど。
 音楽は予想以上にいい。背景演出は、外伝やGダライアスほど作りこまれていない気もするけど。でもボスの魚たちはあいかわらず元気に画面中を泳ぎ回っている。
 エイの暴れっぷりとか、内気なハリセンボンのかわいさとか、あとクジラの、やりすぎな火力と耐久力とか。こうしたボスのキャラクター性は、ダライアスの魅力のけっこう大きな構成要素だ。
 ゲームに関しては、以外と新しいことしてる。というか、バーストの設置発射は使いかたの幅が非常に広く、かなりいろんなことができる。家庭用ゲーム機のゲームとして、こうしたやりこめる要素は必要だったと思う。
 ステージ数が少ないのは携帯ゲーム機だから(……かまたは予算の問題)だろうか。ボスの種類も少ないのは残念ではあるけど、でもちゃんとおもしろいし。むしろ、必要な作りこみがなされないまま発売されてしまったとしたら、そのほうが困る。

 このゲームだけのためにPSP買ったわけですが(笑)。
「ダライアスやってるなー」感もあり、しかしバースト設置のパターンを考えるおもしろさもあり。
 あまり、家庭用ゲーム機でシューティングゲームやるほうじゃないんですが。やっぱり好きなゲームはやる。
 目を閉じると、まぶたの裏に弾幕が見えるこのごろです。


2010/01/03 01:06

2010年あけおめ
 日記

 あけおめです。ことよろです。

 めずらしく日記みたいなことしますが。初詣に、実家近くの戸隠神社というところにいってきたりした。
 戸隠神社といってもいろいろあるんですが、今回は奥社というところに。一番奥にある本命的なやつ。

 雪でした。狛犬もこんなことに。

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 こんなところを登ります。

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 見えてきた。

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 天手力雄命という神さまが祭られているそうで。岩戸を開けて放り投げた人ですね。
 ちなみに、すぐ横に九頭竜というのを祭った神社があります。こっちがもともとあった土着の信仰。

 こんなんだったので、ボドゲをしない年末年始でした。
 あとは田舎じゃPHSの電波もないし、ダライアスバーストやってました。


2009/12/24 01:30

コミックマーケット77で委託販売します
 日記

 コミックマーケット77に、委託で出品します。なぜって、まだ『ドミニオンレシピ:陰謀編』の在庫がありますからね-。

  • 1日目(29日) 西り-09a GameDeep

 出品するのは『ドミニオンレシピ:陰謀編』です。

 じつは『ドミニオンレシピ:陰謀編』にも寄稿している、中田吉法氏のサークルです。きっとこちらもゲーム関連(非電源とはかぎらない)の評論があると思います。こちらもよろしくお願いします。

 わたしはまだ予定が決まっていませんが、いければいきます。いれば売り子やってるんじゃないかと思います。


てらしま -2009/12/29 19:15
 コミケいってきました。ありがとうございましたー。


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