@shinzakiさん主催の、ってここでは@つけてもリンクになりませんが「ドミニオンをゆるゆる遊びましょうの会」というのに参加してきました。いわゆるtwitterオフというやつの一種ですか?
この会、ゆるゆるといいつつスイスドロー形式の大会などが催されました。1戦ごとに全テーブル共通の王国カードセットが発表されるというもので。この参加者が28名!
ひとつのゲームでこれだけ集まっちゃうんだから、ドミニオンの人気はすごいですねー。というかたぶん、いまはボードゲーム人口よりドミニオン人口のほうが多いと思いますねー。
でその大会の結果。
公爵があるのでそれを使おう、ではアクションはなにを使うか? 鍛冶屋と男爵で悩んだすえ男爵をとったけど、これが失敗(笑)。
3枚投入した男爵がはまらず、いい手札の時は寵臣で流されたりして、5コインの確保が難しくなってしまったり。
結果、あと2枚の公爵が買えず4位。まあ、本書いたからって強いわけじゃないし、本だって全部正しいこと書いてるわけじゃないんですねー。
基本を思い出そうと思いました。男爵は基本的に、金貨を買うためのカードなんですよ。基本は1枚だけですよ。男爵を2枚以上買って屋敷を買い足す作戦はいままでにも試してるけど、うまくいったことはないじゃないかと。
というわけで、ゲーム後にわたしが出した結論は、鍛冶屋-銀貨でスタートして公爵。です。
他の作戦としては、鉱山の村+寵臣+拷問人とかありえるけど、少し遅いかな。ただ単に鍛冶屋とお金だけ作戦が速いので、最低限それに対抗できる速さが必要。
あるいは、攻撃カードが飛び交うと考えるなら掘が決め手になるかもしれない。じっさいにそれに近い卓もあった様子。
かなり条件の揃った庭園場(工房に加え、大広間がある)。ということで、初手は工房-工房。こんどはうまくいって1位でした。
他の作戦としては「議事堂とお金作戦」がある。かな。議事堂はあまりに強力なので、いろいろ考えた他の作戦を蹴散らしてしまうことがある。
議事堂をとってから、庭園に色気を出しつつ属州や公領も狙う混合作戦とかもありえるか。
あと、仮面舞踏会。祝祭もあるし、これもけっこう強そう。
とはいえ、ここまで条件が揃っていると庭園にいきたくなる。
強力なカードはたくさんあるものの、アクションが増えない場。礼拝堂も仮面舞踏会も研究所も華麗にスルーで、中庭-中庭でスタートしてみた。これがハマり1位。
反省点は、途中で改築か中庭3枚目を投入できるタイミングはあったはずだなあと。終盤息切れして公領ばっかり買ってたし。
他の作戦はもちろんいろいろある。礼拝堂圧縮から研究所もいいだろうし、仮面舞踏会でもいい。わたしが迷ったのは、中庭-仮面舞踏会か中庭2枚かというところでした。
他の卓では、圧縮合戦になったりしていたようです。
1回戦以上の公爵場。1回戦で公爵を選んだのはもしかしたら間違いだった可能性もあるけど、ここまで条件が揃えば大丈夫だろう! と思ったけど。これも失敗(笑)。
役人-銀貨スタートで、3ターン目から可能なら公領を買う。役人を2~3枚まで増やしつつ秘密の部屋を投入。そうすることで、5コインだけの確保ならかなり安定する。という作戦でしたが。
あまり経験したことのないケースでしたが、わたし以外の全員が議事堂を使っていました。その結果として、たぶん比較的お金を多めに買っていた一人に属州が集中してしまいました。公爵特化プレイをしていたわたしの得点は47点。しかし2位という。
まあこの結果は若干特殊ですが。
公爵作戦が属州をとらないから、属州プレイヤーの得点は高くなる。もしもそれが集中すれば、公爵を上回る場合もある。議事堂がその傾向を推進したというわけで、こういうこともあるんですねえ。
このセットなら、基本は公爵だと思うけど。公爵以外の作戦としては、議事堂とお金作戦。ほぼそれしかない。村+議事堂もあるけどそれはちょっと危険だし。書庫は議事堂に弱いから厳しいし。
王国カードセットの記録はつけていなかったので、@manameさんのドミニオン会の跡を参照させていただきました。
その後は、人狼が立ったりどミリオン!が立ったりしてました。わたしはずっとドミニオンしてました。
大会終わったし、気楽にいろいろやろうと思ってたら、それがハマっちゃって「大使で圧縮して幽霊船ロック」なんて作戦で迷惑かけたり(しかしこの作戦、恐ろしく強力だった)。
あと、島の強さがほんの少しわかった気がしてきたけどやっぱり勝ってなかったり。引揚水夫は好きなんですが、失敗時のリスクが大きいなと思ったり。拷問人ロックにいけると判断したらいかなきゃダメだという教訓を得たり。
その後は呑み。大変楽しかったのです。
カルカソンヌとの違いは「(d)」だけっ、というわけだけど。ところがこれが、ゲーム内容はまるっきり違う。それがなんでカルカソンヌの名を冠しているのかって、そりゃあまあ、マーケティング的ななにかがあるんだろうけど。
ゲーム内容はむしろ、コロレットに近い。というかわりとそのもの。
カードを列に並べていく。カードを出す代わりに、一列すべてのカードをとることもできる。カードをとったら、そのラウンドはもうなにもできない。
コロレットだ。もちろんコロレットは大傑作だし、同じシステムのゲームがつまらないわけがない。
もちろん違いはある。
ラウンド開始時に配られる手札があり、出すカードを選べる代わりに、カードの置きかたが自由でない。カードに色があって、基本的に色で対応する列にしか置けないのである。
選択肢が増えているようだが、じつはこれ、あまり変わっていないと思う。むしろ自由度は減っているくらいだろう。しかしまあ、手札があるほうがシンプルに楽しいという面もある。
得点方法もだいぶ違う。コロレットのような「3色を超えたらマイナス」といった要素はなく、基本的に加点のみ。即時得点、ゲーム終了時得点と、はっきり意図して分けられた複数の得点ロジックを組み合わせていく感じになる。
考えてみればそのあたりは、カルカソンヌに通じるモノがあるといえばある。
本当にまるっきり、カルカソンヌと違う。
のだけど、デザインの意図はカルカソンヌ流を踏襲しているという気がする。そういう意味で考えれば、いい仕事をしているとも思う。
カルカソンヌ流というのは、運を重視すること。ゲーム中にはいろいろ考えるところが多いのだが、最終的に勝負を決めるのは運、というバランスをあえて徹底することなんじゃないかという気がする。
そうすることで、いわゆる初心者でもゲームに参加できる。経験はゲームを有利にするかもしれないが、初心者でも運がよければ勝てるからだ。
めくったタイルの善し悪しに一喜一憂するのは、楽しい。そこでゲームに慣れている人は「運ゲー」という評価をするのだが、じつは、ゲームにあまり慣れていない人にとっては、運ゲーのほうが楽しい場合が多い。
宝くじを買うのは、お金のためとしたら愚かな行為としかいいようがない。でも買う人は多いのだ。損するのは明らかだが、しかし、効果がないとわかっていてもくじを神棚に置いたり、新聞の当選欄をチェックしたり。そういう行為は、楽しいんである。
カルカソンヌは、そういう運の楽しさをとても効果的に活かしたゲームなんじゃないかと思う。戦略を考えるところがちゃんとあり、いわゆるゲームバランスもきっちり調整されており、またインタラクションもしっかりある。だからゲームとして成立しているのだけど。その上で運があるから、口うるさいコアなゲーマー以外にも売ることができている。
カードカソンヌも、いろいろ考えるところはあるがどうしようもないときはほんとうにどうしようもない。手札に配られたカード次第なのだ。でもそれでいい。少なくとも、デザインされてそうなっているという気がする。
戦略とインタラクションと運の配分が、なんともいかにもカルカソンヌっぽいという感じが、ちゃんとあるように思う。
さすがのカルカソンヌ。この安定感だ。
個人的な現段階での印象では、カルカソンヌより好きだったりもする(笑)。まあコロレットが好きなんだけど。
完売御礼となっている『ドミニオンレシピ』ですが。このたび、ダウンロード販売というのをはじめてみようかと思います。
再販について、たいへんありがたいことに数回のお問い合わせをいただいております。ご要望がある以上、なにかのかたちでお応えしたいなあと、悶々と考えたりしていたのですが。
しかしじっさいのところ、個人でやってるレベルで増刷というのは、なかなかむずかしい面もあったりします。
もうこのサイトで無料公開しちゃえば? などとも思いますが。でもそれじゃあ、いままで買っていただいた方々にもうしわけないかなあとか。
いろいろ考えまして。少しお安くしてダウンロード販売という形態でどうかなあと。
個人的には、どちらかというと本は実物がほしい派ではあるんですが(笑)。
というわけで『ドミニオンレシピ』をお希望の方は、メロンブックスまでお願いしますー。
※『ドミニオンレシピ:陰謀編』については、引き続き通信販売というかたちでやらせていただこうと思います。
『ドミニオンレシピ:陰謀編』通信販売の受付は終了しました。
おかげさまでご好評をいただき、在庫僅少となったため、通信販売は締め切らせていただきます。ありがとうございました。
下記の内容は過去のものです。ご注意ください。
テーブルゲームゲームフェスティバル2009にて販売し、ご好評をいただいた、ドミニオン:陰謀の攻略本です。
前巻『ドミニオンレシピ』の続編という位置づけになりますが、単体でもいちおう読めるのではないかと思います。
(『ドミニオンレシピ』は完売御礼となっております)
まだ在庫がありますので(笑)、前巻と同様、通信販売をしようと思います。
ご希望の方は、下記をよくお読みの上、てらしまにメールしてください。
購入をご希望の方は、てらしま(ter@h8.dion.ne.jp ※半角にしてください)までメールをください。
同時に、代金を下記口座にお振り込みください。
(ご心配な場合もあるかと思います。その場合は、こちらからのメール返信後でもかまいません。その旨お伝えください)
普)2520377
テラシマ ヨシト
手間を省くため、送料は一律200円とさせていただきます。冊数によっては、お得かもしれないし損かもしれません。ご了承ください。
お振り込みの確認後、ゆうメールまたは普通郵便で発送し、メール返信します。
できるだけ迅速に対応しますが、ご連絡に数日かかる場合もあります。ご了承ください。
在庫が少なくなった時点で、このページで通信販売終了の告知をいたします。終了の告知があるまでは基本的に在庫が残っています。
おもしろいですよ。
ただ、たとえばジャンルを一言でいいあらわせない。「ワーカープレイスメント」とか「オークション」とか、いろいろ言葉があるじゃん。しかし、アルビオンを表現する言葉は難しい。なんかないのかなあ。
ボードにはイングランドの地図。南からローマ軍が攻めてきた。
そういうお話。プレイヤーたちはローマ軍となって、イングランドに開拓地を作る。
イングランドには、蛮族であるピクト人が住んでいて。ローマの支配に抵抗している。それを制圧しつつ、魚や石の生産地を確保したり、砦を作ったり。
目的は、開拓地を建てることだ。
とりあえず初期状態では、開拓者が1部隊いる。これを動かして、新たな開拓地や生産拠点を作ることができる。
開拓地を増やすと、開拓者が増える。砦を作ると、1ターンに使える移動力が増える。バリケードを作ると、ピクト人に対する戦闘力が上がる。
石切場や金鉱で開拓者を働かせれば、その資源の生産力が上がる。
すごくわかりやすい。ボード上にいろいろな建物を建てるわけだけど、その建てた建物によって、いろんな効果がある。
チットはなにやらたくさん入っているが、臆することはないんである。ルール自体は非常にきれいに整理されている。わかってしまえばぜんぜん簡単だ。
ピクト人コマははじめ、裏向きに置かれている。新しい建物を建てたとき、こいつを表がえす。そこで、戦闘力を比べる。負けていたら、建物が壊される。
開拓者コマの他に、軍隊コマというのもあって、こいつがいると、戦闘力が増えたりもする。また、軍隊はピクト人を脅してとなりに移動させることができる。これを使って、他のプレイヤーの開拓地にピクト人を送りこんだりもできる。
原住民の反乱を制圧しつつ、生産力を確保して開拓地を作る。
表現している内容からすると、すごく重いゲームでもおかしくなかった。しかしそれらを、かなりシンプルに凝縮してしまった。
ゲームの選択肢は要するに、どの建物をどの順序で建てるのか。
軍隊を強化して反乱に負けるリスクを抑えるか。移動力を増やしてより奥地を目指すか。
あるいは、開拓者を増やして人海戦術なのか。それともまずは資源生産力を重視するのか。
ルールはシンプルなのに、いろいろなことが考えられる。
またはトップのプレイヤーを少し妨害してみるのか、他人がまだ到達していない未開の土地を目指してみるのか。そういったインタラクションも、ほどよくある。
ゲームデザインとして、かなり深く考慮されている感じがある。じつはまだ1回しかやっていないのだけど。個人的にはかなり好きだ。
しかしまあ、地味っちゃ地味かも。
このゲームがすごい話題になるとか、そういうことはまずないだろう。また、日本人プレイヤーたちが最重要視する、いわゆる「モリアガル」要素はない。「ワー!」と騒げるものではない。
すごく整理されていてすごいと思うけど、なにか目新しいところがあるかというとそうでもないし。
たとえばサイコロを振る楽しさとか、カードをめくる楽しさとかも、あまりない。強いていえば、ピクト人タイルをめくるときくらいだろうか(これも、ゼロか1かという単純な乱数だ)。
淡々と、粛々とやるゲームだ。しかし、それが楽しい。
なんというか。
よくいう「ゲームバランス」という言葉がなにをさしているのか、考えてみるとよくわからないわけではあるけど、でもこういうゲームをさして「バランスがいい」というのじゃないかという気がする。
たとえば他の傑作ゲームと比べたら、セールスポイントが足りない。やる機会が少ないかもしれない。でも、たとえば欠点を捜せといわれたら挙げられない。そういう完成度のあるゲーム。地味に、しかし高水準のいいゲームだ。
だれかが「もっと評価されるべき」とつぶやく種類のゲームかもしれない。