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遊星ゲームズ
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2008/09/08 01:20

Google Chrome見てて思ったこと
 日記

 システム屋として作りたいのは、シンプルなUIで動作が軽いシステムなんです。あるていどの良心をもった技術屋ならみんなそうだと思うんです。
 でも、それができない。だいたいこういうものは、いろんな人が話しあってるうちに「この機能も必要だ」という話が出てきてしまうんです。出てきてしまったら、形としてその機能を実装しなければならなくなってしまう。具体的には、追加になった機能が見てとれるように、客に見せる画面イメージを修正する。
 そんなことをくりかえしていたら、UIなんてガタガタですよ。そりゃそうですよ。
 しかもそれが、業界の常識になっている。画面設計して検索項目が少ないと、やっぱり追加しろといわれてしまう。

 で、Googleが作るものはそうじゃないわけで。検索窓一個あれば充分とか、入力チェックなしであらゆる入力を受けつけてしまうとか、そういうの作らせてもらえるのはうらやましい。


2008/09/03 23:33

Google Chrome
 日記

 というわけで、話題のGoogle Chromeで書きこんでみるテスト。
chrome とりあえず速い。Fire Fox3より速いかもしれない。
 メニューバーもなにもなくただ検索ボックスがひとつ、というあたりはGoogleらしいし、シンプルなのはなんといってもいいことだ……けど、どうなんだろうこれ。万人が使いやすいと思うだろうか。
 まだベータ版ということもあるけど、Fire Foxプラグインの多機能っぷりとChromeのシンプルさ加減と、どっちを選ぶかってところだろうかなあ。


2008/09/03 02:42

ストーンエイジ
 ボードゲーム

2008.09.03 02:42 てらしま
ストーンエイジ
STONE AGE
2008年
HANS IM GLÜCK
Michael Thummelhofer
2~4人(4人)
2時間
thx to play:game
amazon

大聖堂」系のゲームというとわかりやすいだろう。ただ、あれよりは要素が整理されている。

 とりあえず盤面を見ると、ああこういうゲームかと思う。
「狩場」「森」「石切り場」などのリソース生産エリアや「建物タイル」「文明カード」などの得点系エリアなどが、盤に描かれている。それに、プレイヤーの能力をあらわす「道具タイル」とか「食料チャート」とか、そんなものもある。
 プレイヤーはまず、自分が持っているコマ(人型をしている)を、順番に盤面に配置していく。
 全員が配置し終えたら、配置した場所に応じたアクションをおこなう。「森」なら木材を獲得できるとか、「家」に二人配置して子供を生むとか。畑を耕して毎ラウンドの食糧生産力を強化するとか、資源を支払って建物タイルや文明カードを獲得し、勝利得点を稼ぐとか。
 ドイツのゲームを追ってきてるプレイヤーの人たちは、だいぶ、こういうゲームに慣れている。なんかもう、盤面を見ただけでどういうゲームかわかる感じがある。

 ルールブックのページ数は少なくないが、これが非常に自然に理解できてしまうんである。
 ここまで自然だとなんだか、妙な気分になる。なんでこのゲーム、いままでなかったのか? というか、あったに違いないと思うのに、具体的なタイトルが思いつかない。

 ……なかったのかなあ。
 全部同じルールのゲームをやったことあっても不思議はない、とさえ思えるんだが。

 というわけで、いちいち納得できるルールばかり。しっかりと洗練されているし、完成度も高そうだし、文句のつけようがないという感じである。
 これはもう、ある種のゲームの歴史の中での、ひとつのランドマークといっていいんではなかろうか。
 たとえば、乱暴だが

 という感じに流れてきた進化系統樹があったとして。その集大成といってしまってもいいと思う。
 それまでのさまざまなゲームの要素から、エッセンスだけを抜き出してまとめたのがサンクトペテルブルグ
 大聖堂は、サンクトペテルブルグがまとめあげたフレームワークに「アクションにコマを配置」システムを組みこみ、その上でどれだけのことができるのかという実験場。
 大聖堂で再発見されたおもしろさのエッセンスを、再抽出したのがストーンエイジ。みたいな。
 もちろん、デザイナーがなにを考えているのかなんてわからない。
 けれどまあ、プレイヤーの視点から見て、そういう流れがあったからこのルールが理解しやすいと感じるのだと思う。

 とりあえずわたしが思いつくのがモルゲンランドなんだが、もっと前のゲームにもたくさんあったと思う(いまみたいな方向に洗練されてはいなかったかもしれないが)。人を盤面に配置し、配置された位置に応じたアクションをおこなうというシステムだ。
 このシステムは、やっぱり優れている。とストーンエイジやって思った。
 多くのゲームでは、ゲームが進むにつれプレイヤーの生産力は高まっていく。なぜそういうゲームが多いかというと、楽しいから。
 だがこれは、プレイヤーのもつリソースが指数関数で増えていってしまうことを意味する。
 これはじつは、マルチゲームとしてはよくない。差がつきはじめたら、その差も広がる一方だからだ。マルチゲームでは、終盤までプレイヤー全員に接戦をさせることが求められているので、差が広がりすぎてしまうのは困る。
 単純に考えると、得点がターン数の自乗に比例するなら、1ターン遅れたプレイヤーとトップとの差はターン数の1乗に比例することになる。逆転は難しい。
 拡大再生産は楽しいんだが、デザイナーにとっては、じゃじゃ馬なのだ。
 しかしこのシステムでは、エレガントな方法でアクションに制限をかけている。
 共通の盤面に示されたアクションにコマを配置することで、拡大再生産のインフラ投資を実行できる人数に、制限がかけられている。
 自分がインフラ投資をしているとき、他のプレイヤーはリソース生産や勝利得点の獲得をしている。自分が得点を稼ぎにいけば、他人がインフラ投資をする。両立ができない。
 けっきょく最速の成長はできないし、プレイヤー間の格差はある程度、均されることになる。
 ここには「他人が置きたいアクションに自分が置く」というインタラクションが発生している。
 直接攻撃ではないが効果があり、自分にも恩恵がある、マルチゲームとして適度な感じのインタラクションと思う。
 それに、インタラクションでバランスがとられるというのは、マルチゲームらしくていい。

 でこれ、たとえばサンクトペテルブルグの通過はダブロン金貨だが、ストーンエイジにおける通貨は労働力。というか人数だ。
 人の数はそれほど増えないし、貨幣のように蓄積しない。
 道具を作ったり畑を耕したりすることで、一人あたりの生産力を強化したりといったことはできるわけだが、アクションを実行できる回数は人数ではっきりと制限されている。
 なるほどたしかに石器時代だと思う。テーマにふさわしいシステムというよりも、このシステムにふさわしいテーマだなと思う。

 変なところや独特のシステムはない。システムの完成度を評価すべきゲーム。

cut4.jpg

2008.09.04 00:31 てらしま :
 戦略面を書いてなかったので追記。大傑作だろうと思っているのだけど、戦略が開発されていったあとのことは不安もあるんである。
 この手のゲームはたぶん、序盤から得点をとりにいかなければ勝てないのです。上でも挙げたモルゲンランドとかと一緒。
 拡大再生産は楽しいから、ついそっちを選んでしまうが、勝つために必要なのは得点をとること。とにかく得点アクションの回数を増やさなければ話にならない。特にこのゲーム、序盤でも終盤でもとれる得点はあまり変わらないし。
 となると、ひょっとしたら、インフラ投資の効率とかそんなことを考える必要はなくなってしまうかもしれない。むしろ、得点アクションを多くこなすために最小限の投資に抑えることのほうが重要だろう。
 与えられた選択肢はいくつかあるけど、充分にバランス調整されているだけに「得点以外はどれでもいいや」となりかねない。
 そのへんは不安材料なので、もっと回数やってみる必要があると思ってるところなのです。


2008.09.08 22:34 なかた :
盤上の拡大よりは文明カードの拡大の方が良いチョイスで、あとはサイコロ+ドラフトなあれをどう評価すればいいのだろうとか思ってます。
人数がどんだけ増えても配置は順繰りってあたりが悩ましい。
一度ストーンエイジやりこみの日でも設定しましょうか。俺もやりこみたい。


2008/08/30 02:52

WizardryのTAS
 日記

 趣味は、ニコ動でTAS動画を見ることです(ぉ

 いちおう説明すると、TASというのは、エミュレータの記録機能を使ってコンピュータゲームをプレイして、最短クリアを目指すやりこみの一種。Tool-Assisted Speedrun の略。らしい。
 ようするになにをするかというと、操作を記録しながらゲームをプレイして、ちょっとでも失敗したら撒き戻し、乱数が気にくわなければ巻き戻しというのを何千回もくりかえすわけです。
 ゲームのデータ自体はまったくいじらないことがルールなので、理論上は実機でもやれるはずという。
 一度やってみると、すさまじいめんどくささに呆れる(笑)。

 で、そのTAS動画でWizardryが先月くらいに出てて、これがおもしろかったので↓。


2008.08.31 00:56 kamata :
ニコ堂のアカウントが無いからまだ見れにゃい……あとで誰かに頼まないと。
 解説読むと村正1本取って切る作戦っぽいですが、普通に訓練場で忍者3人作った方が最速なのではと思うのですがどうでしょう。繰り返し数は10倍ぐらい増えそうですが。


2008.08.31 01:04 kamata :
今気が付いたんですが、Wizardryの処理は基本的に何でも独立事象の成功率5%~95%で、絶対成功/失敗の要素は滅多に無いのでTAS向きのゲーム(?)ではありますね。


2008/08/30 00:49

レナルズが星雲賞受賞
 日記

 さっき友人とメッセで話してて思い出したのだけど、そういえば書いてなかった。アレステア・レナルズが星雲賞を受賞したんである。
 青くない青背でおなじみの。1500円の文庫でおなじみの、レナルズである。
 SFファンでもあるところのわたしの、近年のイチオシ作家なのです。たいへんすばらしい。
 受賞したのは海外短編部門。連作短編集『火星の長城』の中の「ウェザー」という作品。

 ……なぜこれ? とはSF大会スタッフにいってくれ。ノミネート作品に出てたのがこれなんだからしかたない。
「ダイヤモンドの犬」でも「ターコイズの日々」でも「銀河北極」でもなく「ウェザー」なのだが、まあこれは、アレステア・レナルズという人に賞を贈ったと思うべきだろう。
 短編集の中でも一番おざなりな話なんだが……。

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 あと、自由部門を受賞した初音ミクがあまりに鉄板だった。


2008.09.04 00:48 とりい :
作者の心の声が伝わってくる傑作だよね。
「エンジン、エンジン。連接脳派エンジンに萌え萌えだよ。ストーリー?ヒロイン?まぁいいや、ツンデレで」。

この勢いで来年は「量子真空」が長編賞を取ったら凄いけど、なさそうだよねぇ。大長編賞を作ればレナルズとストロスで独占だろうけど(笑


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