最後のFはタイプミスかなにかかと思ってましたが(失礼)、Finalの意味らしいですよ。来年からはゲームマーケットと統合して、ゲームマーケットが年2回開催になるそうです。なので、今回で最後のようです。
こないだからここでいろいろいってますが、テーブルゲームフェスティバル2010Fが迫ってきました。
このサイト「遊星からのフリーキック」も出展します。
出展物は↓の予定です。
在庫切れとなっておりましたテラフォーマーも出展予定です。
大変ありがたいことにご要望をいただいておりまして、それを受けての緊急増産です。
(あと売り場も寂しそうだし)
こちらの2商品につきまして、ご予約を承ります。
ご希望の方は、twitterで@terrasimaにダイレクトメッセージを送るか、下記にメールをお願いします。
(※半角にしてください)
テーブルゲームフェスティバルのあとは、ショップ委託など考えています。イベントに参加されない方はそちらをご利用ください。
ショップへの委託などはまたこのサイトで告知します。
イベント楽しみですねー。
ドミニオンクローンのひとつ。デッキ型カードゲームとか、いわれている種類のゲームだ。
テーマは、剣と魔法のファンタジー。村でパーティーを作り、装備を調え、ダンジョンでモンスターと戦う。
ちなみに「クローン」という言葉にはとくに悪意はない。twitterなどで最近使われている言葉のひとつだ。PukiwikiとかをWikiクローンと呼んでいた用法と同じ感覚だろう(というか、ドミニオンクローンという言葉を使いはじめた人のひとりはわたしかもしれない)。
このサンダーストーン、わたしは大好きなのです。ドミニオン亜種だし、まちがいなくドミニオンの影響を受けて作られたゲームだろうけれど、かなり違う独特のおもしろさが構築されている。
アークライトが最近完全日本語版を出してくれたということで、さいきんかなり遊んでいる。
ドミニオンと違うのは、とりあえず要素が増えているところ。ドミニオンは、アクションも金貨も勝利点もすべて「コイン」というひとつのリソースで獲得する。そこが、ドミニオンのすごいところのひとつだった。ふつう、ゲームでこれをやるのは難しい。集めるべきリソースがひとつということは、すべてのプレイヤーが一様にそれを集めることになる。戦略が分岐しないため、単調で逆転できない、おそらくは1番手プレイヤーが超有利なゲームになってしまう。
ゲームルールはシンプルなほうがいいのだが、シンプルすぎるとこういう問題が発生する。ドミニオンはそこを、デッキというスマートな乱数装置の活用で解決した。デッキを使うことで、リソースの使用を不均一にした。またそれをコントロールする手段をいくつか用意(ドロー、圧縮、など)した。リソースの種類ではなくリソースの動きを変化させることで、戦略を分岐させゲームを成立させている。
しかし、この方法にもやはり欠点がある。拡張の作りづらさ、というのはたぶんあるだろう。
既存のカードの上位互換や下位互換は作れないとするなら。あとはもはや、システムを追加するか(海辺)、リソースを追加するか(錬金術)、または、高価で強力なカードを追加するか(繁栄)。それしかない。
わかりづらさ、というのもある。ふつうのゲームなら、選択肢に対応するリソースが用意されている。たとえば「木」「石」「鉄」とか。ドミニオンにはそういうわかりやすさがなく、リソースの動きかたを操作するやりかたを選択するという、直感的でない戦略選択を迫られる。「初心者論」「インスト論」などが語られるのはそのためだ。じっさい、ルールを把握してから勝てるようになるまでにはけっこうな期間がかかり、また上級者と初級者の差も非常に大きい。
じつはリソースが多く複雑なほうが、わかりやすい。
サンダーストーンや他のドミニオンクローンのいくつかでは、コイン以外のリソースが追加されている。それはじつは自然なことだし、むしろドミニオンが特殊だったわけなのである。
手番がはじまったらまず、村にいくかダンジョンにいくかを選択する。
村は、ふつうのドミニオンのような感じ。お金を使い、なにかを買う。武器とか、ランタンとか、冒険の必需品がいろいろ売っている。
ドミニオンと違うのは、ダンジョン。
ダンジョンにはモンスターがいる。このモンスターを倒すのが、ゲームの目的だ。モンスターを倒すために必要なのは「攻撃力」。お金などいくら持っていても役にたたない。
つまり、追加されたのはこの「攻撃力」だ。
あと、他にも「経験値」などが追加されていたりもする。
おかげで、カードのデザインはずいぶん複雑になった。1枚のカードの中に、かなりたくさんの数字が並ぶ。
そのあたりは、インストが難しいゲームだと思う。しかしじつは、最初はドミニオンより難しいだろうが、ゲームがはじまってしまえば、なにをすればいいのかが逆にわかりやすいんじゃないかと思う。
とはいえまあ、ボードゲームがそれほど好きでない相手にルールを説明するのは骨が折れそうだ。
(わたしの場合、このゲームをやる相手はたいていドミニオンプレイヤーなので、覚悟していたよりはずっと簡単に導入できている。そこはこのゲームのマーケティングの狙いどおりといえるだろう)
と、システム面の話を先行してしまったけど。それ以上にこのゲーム、雰囲気作りというような面でかなり成功していると思う。
「村にいく」「ダンジョンにいく」という選択が、とても理解しやすい。村にいって戦力を整える、ダンジョンにいってモンスターと戦う。そうすると経験値が溜まるから、村に帰ってレベルアップする。
遊んでいたら、頭の中にファミリーコンピュータ版ウィザードリィの音楽が流れてきた。
そういう、剣と魔法のファンタジーがやりたいことをきれいに再現できてしまっている。
たとえば『ルーンバウンド』や『ディセント』や、その他いろいろなファンタジーものアメリカゲームの流れをくみつつ、しかし採用したシステムがドミニオン型。
アメリカ人はほんとに、ファンタジーとゾンビが好きだなーと思うけど。
村で準備しダンジョンに挑戦する、ウィザードリィのような世界観が、どういうわけだかドミニオン型システムととてもよくマッチして相乗効果を生んでしまった。そんな印象がある。
ただのドミニオンクローンではない。ドミニオンとはやることもプレイ感もまったく違う。ドミニオン亜種と思っていると予想以上におもしろいし、ファンタジーの世界観も意外に楽しい。
たった数年で、島は急速に近代化されました。有史以来、ここにこれほどの人々が集まったことはありません。その理由はたった一つ。この島が偶然、赤道をまたいでいたため。そして、軌道エレベータ……宇宙に届く塔は、赤道直下にしか作れないためでした。
茶畑が広がる牧歌的な風景は、永遠に失われました。宇宙からの貿易品を求め、世界中から数百万の人々が集まり大きな街を作っています。 あなたが両親から受け継いだ畑は、工場になりました。伝統漁法が息づく珊瑚礁は、近代的な港となりました。そして、千年前から寺院があった聖なる山の頂上には、軌道エレベータ『ビーンストーク』の巨大な姿があります。 あなたはビーンストークを見上げ、故郷の変貌にいくばくかの寂しさを感じています。でもそれ以上に、大きなチャンスの到来を感じています。 急激な地価の高騰により、あなたの手には大きな利益がもたらされました。これを元手に、事業に乗り出しましょう。宇宙からのさまざまな貿易品は、島に多くの産業を生み出すはずです。乗らない手はないのです! |
軌道エレベータの街で、起業家となります。宇宙からの貿易品を集めるのが目的です。そのためには、さまざまな建物の能力を活用しなければなりません。
建物は毎回違う順序で登場します。ゲームの展開はさまざまに変わります。
いただいたお問い合わせなどを参考に、随時追加します。
ゲームルールに関するお問い合わせ、ご意見、ご感想などは
twitterで@terrasimaにメッセージを送るか、下記メールアドレスにメールを送ってください。
(※半角にしてください)
新作を作っているのです。
タイトルは『ビーンストーク』。
こんな感じのゲームです(イメージです。じっさいのものとは異なります)。
建物を建てて、その能力で強くなっていく系のゲームです。プエルトリコとか、サンクトペテルブルグとか、そういう奴? ちがうかな。まあとにかく建物ゲームですね。
タイトルでティンときてしまう気持ち悪いお客さまも、中にはいるかもしれません。最近少しずつ話題が盛り上がってきた、軌道エレベータというやつがテーマですね。
近ごろだとガンダム00で有名な。宇宙まで伸びる高い高い塔です。
これ本当は、塔というのは不適切で。建っているのではなく宇宙からぶら下がっているんですが、そのあたりは興味があれば調べると楽しかろうと思います。
ボードのまん中に写ってるのが、その軌道エレベータ。
ていうかSFは売れないからやめろとあれほど(ry
ここは軌道エレベータの街。あなたはここで、一攫千金を夢見て事業をはじめます。
軌道エレベータを通り、宇宙から、地球上にはないさまざまな貿易品が入港します。それらを集め、建物を建て、さらに事業を拡大していきます。
重くなりそうな建物ゲーですが、かなりシンプルにまとめてみれたのではないかと。
テーブルゲームフェスティバル2010では「遊星からのフリーキック」で参加します。
売り物はいまのところ、上のやつだけ……。あとでなんか追加するかもしれないけど。
見かけたらぜひお立ち寄りください。
ボードゲームの紹介誌ということで、買ってみた。
内容は、かなり一般向けの紹介。写真が大きく、文字が少ない。ゲームの内容をくわしく書くのではなく、そのゲームのどこが楽しいのかを写真で紹介する。
全部フルカラーで、装丁もきれいでわかりやすい。眺めていて楽しくなる、紹介誌としていい内容だと思った。
ボードゲームショップに置いてあるとのことだが、これはむしろ一般書店にあってほしい。
1ゲームを1~2ページで紹介するページがメイン。それ以外の、少し文字が多い記事で、人生ゲーム、野球盤などが特集されている。
特徴的なのは、黒ひげ危機一髪! や脳波トイ『マインドフレックス』などがいっしょに紹介されているところ。これらはもちろん、ボードゲームというよりおもちゃだ。この本は、ボードゲームとおもちゃがいっしょくたに紹介される本なのである。
(マインドフレックスは興味深い。だれか買って遊ばせてくれないかなー)
こうなると、考えてしまう。
ボードゲームというのは、中途半端な立ち位置にいる趣味だ。ゲームなのか、おもちゃなのか。マニア向けなのか、子供向けなのか。本当にさまざまな顔をもっている。そういうものの狭間でゆらゆらしてるのが、我々ファンなのだけど。
この本はその中でも「おもちゃである」という視点から作られたと見ることができる。
たしかに、ボードゲームの裾野は広がっている。顔見知りのマニア同士で語り合っている世界とは、少し様子が違ってきているかもしれない。そうなればもちろん、マニア向けとは逆の方向のベクトルに振れていくことになるわけだ。
おもちゃである。そうであっていい。
徹底してそういう視点からの内容であることが、この本を特徴づけている。むしろ、そここそを高く評価している。
ただそんな本を見せられたファンとして、考えてしまうのだ。
ボードゲームはどうなりたいのか? どうなれば成功なのか?
これは誰かが決めることではないだろう。けっきょくは、マクロな市場が判断することだ。
しかし、こういう本がそこに多少の影響力をもっているとするなら。
そういうことを考えたとき、この本には、個人的な思いからどうしても納得のいかない欠点がある。
それは、ゲーム紹介ページにデザイナー名が表記されていないこと。
わたしもゲームを作ってしまった人間だ。だから、これは本当に個人的な思いなのかもしれないのだけど。
ゲームを作るのは人間だ。ゲームは誰かの作品だと思う。
個人を消してしまうのは、日本らしいのかもしれない。ゲームのパッケージにさえ、デザイナーの名が乗っていなかったりする。それが、どうしても納得いかない。
こういういいかたは好きではないのだけど。日本は、開発者の評価が低すぎる。
ゲームを作るのはゲームデザイナーであり、ゲームに責任をもつのもゲームデザイナーだ。ゲームにデザイナーの名前が付加されて、デザイナー名がひとつのブランドになってはじめて、品質に関する競争が生まれるんじゃないか。
個人的には、パッケージにデザイナー名がないゲームの評価は一段低くなる。それは、たとえばドイツやアメリカの、それこそデザイナー名がタイトルの上に書かれているようなゲームとは、乗っている土俵が違うと感じてしまうからだ。
個人的な願望として。ゲームはもう1レベル上の文化であってほしい。
そのためには、デザイナーが尊重されることが必要条件だ。漠然とそう感じているのだがどうだろうか。