タイトルどおりの時間テーマSF。横長のボードには、同じマップが3つ描かれている。ボードに描かれているのは3つの時代なんである。それぞれ「力の時代」、「宗教の時代」、「理性の時代」だ。
ルールブックに「タイムパラドックス」などという用語が登場したりして、なんとも楽しい気分になる。
つまり「過去の時代に建てた建物は未来にも登場する」んである。なんかすごくおもしろそうじゃないか。
3つの時代にはそれぞれ特有の得点方法が用意されている。プレイヤーは2個ずつのコマを持って、未来にいったり過去にいったりしながら、各時代に建物を建てたり、入植したりする。
得点はゲーム中2回。そのとき、コマを置いている時代から得点をえられるというわけだ。
SFファンとして、すごくおもしろそうなテーマではあるわけだけど。不安もある。「次の時代への波及」という要素が、処理として複雑すぎるのではないかという点だ。
この不安は、残念ながらわりと的中で。ただ波及するだけならば思ったほどではないものの、タイムパラドックスに関する処理はけっこうめんどくさい。
さらに、チグリス・ユーフラテスに似た王国の合併や分裂といった要素もある。じつはベースの部分はシンプルなゲームなのだけど、いろいろなルールがからんだときの例外処理がひどく多い。
しかし、まだぎりぎり、処理できない量ではないと思う。少し慣れれば大丈夫だろう。
各プレイヤーに配れるかたちの、わかりやすいリファレンスが欲しかったところだ。作ろうかな。そうしたものがあれば、だいぶ変わると思う。
ゲームは意外とシンプルで、けっこう楽しい。「タイムパラドックスで建物が壊れた!」などは強烈すぎるインタラクションだし、おそらくは1番手プレイヤーが有利だろうなどの欠点はすでに見えているけど。
そのあたり、もう少し練ることはできたと思うけど。
でもテーマは魅力的だし、ダイナミックに局面が動く感じもやってて楽しい。
世の中に「オブジェクト指向言語」なんてない。あるのは「オブジェクト生成をサポートした言語」だけ。
たとえばPHPのことを「似非オブジェクト指向」などという人は、おそらく理解していない。
だって、他の言語だろうとなんだろうと、どうせ裏で動いてんのはCでしょ? PHPが似非なら、他の多くの言語も似非といわなければ公平でない。
オブジェクト指向というのは方法の名前にすぎない。
別に言語がサポートしていなくても、オブジェクト指向で書くことは可能だし、Javaでオブジェクト指向をやらないことも可能だ(これは世の中のあらゆるプロジェクトで実証されている)。
オブジェクト指向をやるのは、言語でもフレームワークでもない。あなた自身なのである。
まあようするに、いいかげんPHPやウェブをバカにするのはやめろと。PHPが最適の選択かどうかは別の問題だが、少なくとも、他の言語より上とか下とか、そんな話の前にすることがあるだろう。
不特定多数に向けた、高い堅牢さを求められるシステムであるウェブサイトを構築してる人たちは、いつのまにか、あなたたちよりもずっといろんなことを習得してしまっている(かもしれないw)よと。
『ドミニオンレシピ』通信販売の受付は終了しました。
おかげさまでご好評をいただき、在庫僅少となったため、通信販売は締め切らせていただきます。ありがとうございました。
続編『ドミニオンレシピ:陰謀編』の販売につきましては、またこのサイトで告知いたします。少々お待ちください。
というわけで、じつにびっくりするほどのご注文をいただきまして、気がつけば在庫僅少となってしまいました。申し訳ありませんが、ご注文の受付を終了させていただきます。
お買い上げいただいたみなさん、本当にありがとうございました。
『ドミニオンレシピ:陰謀編』の執筆にも、大変はげみになっております。
まだ受けとっていない方もいらっしゃいますが、もう少しお待ちください(ご心配であれば、お気軽にメールなどでせかしてください(笑))。
おでん -2009/11/21 03:42
初めまして、最近ボードゲームと出会い、ドミニオンとドミニオンレシピの存在を知ったのですが、ドミニオンレシピの再販はないのでしょうか。
陰謀編とのセット通販をしていただければありがたいのですが、両方とも読みたいので是非お願いします。
てらしま -2009/11/21 15:36
ありがとうございます。
もうしわけありませんが、再販はいまのところ考えておりません。
ドミニオンレシピの在庫はまだ若干ありますが、テーブルゲームフェスティバル2009などイベントでの販売のみとなります。
(今後、陰謀編の調子次第では増刷を考える可能性もあります)
ドミニオンレシピ:陰謀編については、発行日となるテーブルゲームフェスティバル終了後に考えます。もうしばらくお待ちください。
とにかくコンポーネントがいい。入っているコマがいちいち凝ってる。
よくある木製の金太郎飴コマだけではなく、手で削ったであろうかたちだったり、素材が石(!?)だったり。「オフロード車」コマは1色で塗りつぶすだけではなく、窓を水色に塗ってあったりする。
ボードのかたちもおもしろい。じつのところ、それほど複雑なことをするゲームでもないのだけど、コンポーネントにはムダに凝ってる。
ボードを広げた雰囲気もいい。たいへん写真に映える。
宝の島トバゴにやってきた探検家たち。地図の情報をもとに宝を見つけるというゲーム。
プレイヤーの手札には、宝の手がかりとなるカードが渡されている。これを場に出すと、宝の位置が絞りこまれる。
たとえば「ヤシの木のとなり」とか。「海岸線から2マス以内」とか。「森の中」とか。
そういう、じつは謎解き系のゲームだ。
宝のありかの、候補地にはキューブが置かれている。手がかりカードを出して候補地が絞りこまれるたびに、キューブをとりのぞいていく。
キューブが残り1個になったら、その場所に自分のオフロードカーを移動させれば宝発見。
設定的にはたぶん、みんなで協力して財宝を捜しているんである。みんなで自分の持つ情報を出しあい、宝のありかを特定したら誰かが掘りにいく。そういう設定なんだろう。だから、宝を発見したら、情報を出したプレイヤーでそれを分配する。情報を多く提供したプレイヤーほど分け前が多いし、決定的な情報を提供するほど(後に出したほど)高価な宝をもらえる。
他に、さまざまな特殊能力を使える「アミュレット」という魔法のアーティファクトが、島に落ちていたりもする。
ホームズの犯人捜しゲームとか、クルーとか、スルースとか、そういう謎解き系ゲームに近いもの、と思ったほうがイメージが近いと思う。
手がかりカードをいくつも集めることで真相が判明する、というか決定するというのは、謎解きゲームのひとつのパターンだ。すべての手がかりと矛盾しないものが真相ということになるんである。なにシステムというか知らないけど、これけっこう、個人的には好きだ。
候補地をキューブで示す、というのはすごくわかりやすいし、それがだんだん絞りこまれていく様も、見ていて楽しい。
なによりこのコンポーネント。いくつか要素があるもののゲームはシンプル、なので、もっと簡単なコンポーネントでも充分だっただろうという気はするわけだけど。
しかしやっぱり、手の込んだコマがあれば楽しい。ゲームがおもしろいからいえることだけど、こういうムダはムダではない。
ドミニオン:陰謀の攻略本をこれから売ろうってときに、たいへん残念なおしらせです。
リオグランデのサイトに、ドミニオン:海辺のルールが公開されてますね-。
カードもばっちり26種類、載ってます。なんとまあ。
見てて思うのは、攻撃効果の小ささ。というか、陰謀がすごかったんだなと気づく。
陰謀というセットはやっぱり、攻撃が強力なセットだったということかなあ。陰謀だけに。
あと陰謀から感じられたコンセプトとして「アクションの地位向上」というものがあった。とにかくどのアクションカードも「銀貨より強く!」というコンセプトが感じられた。
前にも書いたけど、それは基本セットの欠点を補強するため。ではないかと思っているわけだけど。
対して、海辺。ずいぶんと自由なセットだなーという感じがした。
銀貨より強いのかどうかよくわからない、というよりたぶん、ふつうに使ったら弱いだろうカードがふつうにある気がする。やってみなきゃわからないけど。
あと、2枚揃うと金貨4枚になるとか「コイントークンを得る」とか。なんというか、強いのかどうかよくわからないけど楽しいカードが多いという印象だ。
(これまでとまったく違う序盤戦略を提供してくれそうなTreasure Mapにはわくわくしている)
新システム「Action-Duration」も楽しそう。
これは「このターンと次のターン」に効果を発現するというもの。基本効果はそれほどではないものの2ターン分あわせて考えると強力、というバランスで作られているようだ。
どれも強そうに見えるけど、やっぱりやってみなければわからない。
今回の村(笑)「Fishing Village」もDurationだ。これ、すごそうですねえ。
また、陰謀にあったアクションの継続性はすっかりなりをひそめた。+2ドロー以上のカードがずいぶん少ない。Durationしだいですが。
それに、王国カードの中に得点カードが1種類しかなかったり。いろんな意味で、陰謀とは逆方向のドミニオンを見せてくれそうだ。
ちなみに、攻略は海辺のほうが楽かもですね。
今回は、カードの他に、トークンやマットなどが入っているそうだ。これで少し、ボードゲームっぽくなるという感じもする。
「場がない」ことはドミニオンの大きな特徴だったわけだが、さすがにそれでは限界があったのか。
とはいえ、トレーディングカードゲームでも「カードにトークンを置く」などのカードは多い。ああいうものの一種と思えば、いままでとそれほど変わらないのかもしれない。プレイマットもついてくるけど、そのうち使わなくなるような予感はするし。
リソースの追加も、ルールの追加もためらわない、このフリーダムなデザインっぷり。
いろんなくびきから解き放たれた、「海」のイメージはなるほどと思う。
陰謀はあくまで基本セットの追補編だった。むしろ、ドミニオンはこれから!なのかもしれない。
だが逆に、要素の追加は衰退への一歩かもしれない。そのへんは今後を見なければわからないけど。
ともかく、まだ遊べそうです。