タイルにエラッタとか、かなりやっちまった感ある。しかも変なかたちのタイルで。
さらにルールブックがわかりづらいようで、エッセン後のレビューには「見るたびにルールが違う」なんてのがあった。読んでみるとたしかに、マニュアルの構成がいくぶん悪い。とはいえ思ったほどでもなかったけど。もともと独特で説明しづらいメカニクスでもある。
それよりもコンポーネント。いかにも間に合ってない。蟻のかたちのコマはいいんだけど、その他が。「育児蟻」は八角柱だし、幼虫はキューブだし。勝利点トラックに置く勝利点マーカーは厚紙じゃなくて木ゴマであるべきだよなあとか。ヘックスマスの描かれたボードにタイルを置くんだけど、ボードの六角形とタイルの六角形のサイズが合ってないとか。なんか全体に感じる野暮ったさとか。ちょっと難点が多すぎるんじゃないかなあ。
そんなわけでなかなかに印象悪い。なのだけど、いちおう、去年のエッセンの話題作の一角だったりする。
悪印象のせいもあったかもしれない。買ったのはだいぶ前なのに、いままで遊んでいなかった。でも遊んでみれば、さすがにおもしろかった。
ゲーム自体はワーカープレイスメントのアレンジだ。
2重の構造になっているのが特徴。ワーカー的なコマが2種類あって、それぞれ役割が違う。誕生フェイズには育児蟻コマを使い、働き蟻フェイズには働き蟻コマを使う。
育児蟻の仕事は、蟻の生産だ。幼虫と、働き蟻と兵隊蟻を作る。または巣の拡張とかもやる。ここは同時に処理するし、どう割り振るかだけ。
あ、ちなみに、幼虫はほとんどただの資源だったりする。資源コマと同じ大きさのキューブだし。食べれるし。
働き蟻はもうちょっとワーカープレイスメントっぽいことをやる。巣の中で資源生産に従事するか、巣の外に出ていって資源を探す。巣の外に出ていった働き蟻は帰ってこないので、どんどん消耗されていく。育児蟻で生産し続けないと、すぐにいなくなってしまうというわけだ。
ワーカーを作ったり簡単に死んだり、幼虫食べたり、このへんの蟻の世界の気持ち悪さが、とてもいい。簡単にコマが生まれたり消えたり変換したりするボードゲームの世界に妙にぴったりハマってて、じつに気持ち悪い。
ワーカープレイスメントって書いたけど、じっさいには違うというべきだ。ワーカーの働き先が共有地ではないから。その部分にインタラクションはない。少し先祖がえりして、ターン進行を分割したアクションポイントの変形といったほうが実情に近い。そのあたりは『エクリプス』もそうだった。
ワーカープレイスメントの欠点は時間がかかること。例外なくすべての行動に強いインタラクションがあるから、プレイヤーが悩んでしまう。そこがいいんだけど、そのままだとストレスが強すぎるのかもしれない。じっさい、ケイラスのあのジレンマのすべてが必要なのかといったらそうでもない気もする。
共有地をなくしたプレイヤーボード上でのワーカープレイスメント、つまりアクションポイントの変形にしてしまうことで、インタラクションによる考慮時間増加を抑えることができる。
そういうわけで、このゲームにはプレイヤーボードがある。プレイヤーボードはもちろん、蟻の巣。そして共有ボードは外の世界だ。共有ボードのマップ上に巣穴があって、巣から出た働き蟻はそこから出てくる。
この対比はすごくきれいだ。雰囲気はほんとにすばらしいと思うし、……もう少しボードの見た目がきれいなら、すごいゲームになれたんじゃないかと思ったりもする。それはいいすぎかな。名作になるかどうかってのは、ちょっとしたことの積み重ねだったりするなあとは思う。
他にもいろいろな要素が入っている。最近のゲーマーズゲームらしいところは、ゲーム環境を変える乱数。それも、ゲーム開始時などあらかじめわかっているかたちで使われる。結果を判定する乱数ではなく、最初に環境を変える乱数だ。これはもちろんドミニオンの王国カードに由来するものなんだけど。
テラミスティカのラウンドタイルやボーナスタイルと種族ボード、カッラーラのルールタイル、などなど、けっきょくいまのゲーマーズゲームにはだいたいある。ゲームによっては、いかにもムリヤリ加えられていたりもする。リプレイ欲求を煽るための非常に優れた仕組みなのは確かで、無視できないのだろう。
この蟻の国の場合、ゲーム開始時に「目標タイル」が6枚だけ配置される。達成したら勝利点が入る目標で、たくさん入っているけど6枚しか使わない。また、各年度の開始時にサイコロを振って、その年の各季節に起こるイベントが決まる。これは奇しくもテラミスティカのラウンドボーナスと同じもの。テラミスティカと同じくムリヤリ感はあるけど。
この組み合わせ、現代ボードゲームの最新理論のひとつといっていいと思っている。
革新的なものはなく名前がつくゲームシステムというわけでもないが、このように組み合わせることがだ。
重要なのでもう一度まとめると。
共有地を使わない、というのは、個人ボード上とか手札とかそういう意味。ワーカープレイスメントでなくてもいい。共有地はあってもアクション選択では使わないか、一部だけ使う。上にも書いたけど、ジレンマとストレスを減らして考慮時間を減らす効果がある。ソロプレイ感とかいわれるかもしれないけど、プレイしやすくはなる。
そうしてプレイしやすくしてどうするかというと、そのぶんさらに複雑な要素を盛り込むことができると……。
環境を決める乱数については、考えてみればカタンのマップだってそういうものだった。別に新しいものではない。ただ、当時より意識的にやっていると思う。
この組み合わせ、よく探せば過去のゲームにもあっただろう。単純に新しい斬新な発明ではない。しかし、それが具体的に意識してデザインされるようになったのはここ数年のことだ。特にワーカープレイスメント以後の試行錯誤と、ドミニオンショックの解釈と受容をめぐる混乱を経て、だんだんとかたちになってきた。
みたいな、そういう歴史の積み重ねの上で開発された、ゲームデザインの技術があるといえるんじゃないか。そのひとつが、上に書いた組み合わせだったりするんじゃないか。
蟻の国はそんな、最新式のゲームのひとつだとは思う。
プレイ感といい作りといい、テラミスティカによく似ている感じがあったりもする。同時期にテラミスティカがあったのは不幸かもしれないけど、ゲームとしてのまとまりでいえば蟻の国が上だろう。あとこの気持ち悪さもいい。
わたしの評価は高い。でもだからこそ、コンポーネント面の残念さがなんとも残念だ……。
てきとうに遊ぶ系。
初めてやった人はおもしろいといってくれる。わかりやすく気楽ででたらめで、おもしろい。
でも何度も遊んでる人たちはそろそろ飽きてきてる(笑)。いやおもしろいんだけどね、陣営が8個じゃもう足りない。
ていうかゾンビが勝つし。早く拡張ほしい。
プレコンストラクテッドデッキの弱点は、プレイヤーがゲームバランスに介入できないところだなあというところ。ひとたびゾンビが強いとなったら、それはもう覆らない。いやゲームシステム上は、攻撃とかあるし強そうな人を叩くことで自動調整されるはずなんだけど、ゾンビ攻撃しても生き返るしなあ……。
日本語版出たし久しぶりに。3回やったけど、勝てなかった(笑)。
アイマスというかモバマスのゲーム。
山札のことを「ガチャ山」と呼ぶ。課金ガチャ山のカードはとても高価なSレア。あと「トレード」をやるとトレード山から好きなカードを引けたりする。そういう、キャラクターというよりもソーシャルゲームのゲーム部分をネタにした感じ。
山によっていろいろあるカードの引き方方がおもしろい。カードは自分の山だけじゃなく、他人の山、課金ガチャ山、トレード山からも引けて、それぞれ引き方が違う。
捨て方もおもしろい。捨札山というのはなく、自分か他人の山札の上に捨てる。
カードを場に出すためのコストは手札で支払うサンファン方式で。そこに、カードの引き方がいろいろあって、引きを少しだけコントロールできると。
こういうカードゲームって、カードの動き方をどうするかが肝、というかそれしかないくらいなんだけど、これはまさにそういうところに徹底した作り。隅々まで工夫されていて、カードがいちいち変な動き方をする。
カードの動かし方しかないといっても、もちろん、その中に宝石がある。ポーカーに変な動きを入れてホールデムが生まれたみたいな。いっぽうそういうカードゲームの欠点は、抽象的で恣意的になること。カードを引いたり裏向きにしたり、それがどうしたといってしまったらどうにもならない。
ところがこのゲーム、なにしろ題材がもともとそういうものだから(笑)。カードゲームのカードゲーム化なんだから、恣意的もクソもない。納得せざるをえない。
これ楽しかった。絵もいいし。
キャラクターは一人も知らないけど。知ってるとさらに楽しいのかもなー。
あ、ただ、余分なルールはけっこうありそう。15点到達したらSレアを引けるルールとか、いかにもな増築部分がいくつかあって、たぶん省略できると思う。
タイルのエラッタ適用(修正用の画像を印刷して、糊でタイルに貼る)をやったら満足しちゃってなかなかプレイしてなかった。やっと遊んだ。
去年のエッセンの話題作の一角だったんだけど、さすがにそれだけのことはある。おもしろかった。なんかそういう慣習があるっぽいから順位付けすると、 テラミスティカ>蟻の国>カッラーラ>銀杏都市>キーフラワー かな。ただしこれは自分の好き嫌いの話。たとえば「ドイツゲームとして」なら カッラーラ>蟻の国>テラミスティカ>銀杏都市 とかになるし、いろいろあるやね。
蟻のかたちの駒がついてて「コンポーネント豪華!」といいたいんだけど、意外とそうでもない(笑)。スタートプレイヤーマーカーは20mmの円形厚紙だし、他のチットと区別つかないし。勝利点マーカーは木製駒であるべきだろうけど厚紙だし、他にもいろいろ。そのへんは妙にアンバランス。タイルのエラッタも出ちゃったし、そういう面での完成度はちょっと問題あるレベルだけど。
でもゲームはすごくいい。
プレイ感といいメカニクスの作りといい、テラミスティカに似てる部分がけっこうある。拡大を抑制された拡大再生産(場合によっては拡大しないものまである)とか、個人ボードと共通ボードのアクション選択とか、あとポジティブなインタラクションとか、ゲーム開始時のちょっとした乱数とか、そのあたりは、テラミスティカに限らず最近のゲーマーズゲームのトレンドといってもいい気がする。
あとでなんかブログ記事書くと思う。
株ゲー。考えてみればこれももう半年以上調整してて、かなりいい感じになってきてると思うですよ。期待。
問題は……、次のゲームマーケット秋は『ヘイムスクリングラ』なので、これが世に出るのは早くても来年春(笑)。
まあ時間あるのでじっくり調整する感じ。
あとイラストなんとかしないとだなー。誰か描きませんか。
九百億の魔物の書の計算ツールを作りました。
このゲーム、手で計算するとめんどくさいです(すみません)。多人数になると特に、かなり大変です。でも多人数の方が楽しそうだし。苦労するのは計算する人だけとはいえ、やっぱり大変すぎでした。
むしろこのツールがあってようやく完成したといえるのではないでしょうか(ぉ
実験作的な部分が大きい作品です。
いままで手で遊んでいただいていた方々には本当に感謝です。
あと、エラッタがあります。
計算ツールはエラッタ適用後の得点になります。
このページがやけに強いとのご指摘もいただいております。誤植でした……。
おかげさまで、九百億の魔物の書はすでに品切れとなっております。ちょっと生産数が足りなかった感があります。
とはいえゲームの性質上、世の中にそんなにたくさん必要ないような気がするんです。
そのまま増刷というのも芸がない気がしています。第二版なのか続編なのか、なにか少し違うものを考えようと思っています。
(そのときははじめから計算ツールつきにします)
前回忘れてたやつと新しく遊んだやつを追加。
いわゆるアイドルプロダクションをなんとかっていうテーマのゲーム。絵がいいですなー。
トリックテイキング的なことをやるんだけど獲得したものが手札に入る。特徴は、獲得した色1色はプラスの得点なんだけどそれ以外はマイナスというところ。
あと、リードされたカードによってルールが変わる。数字が大きいほど強いとか、小さいほど強いとか。でもこの部分は余分だなあと思った。
トリックテイキングで1色はプラス他はマイナスっていうだけでだいたい成立してるので、切り詰めるデザインならそれ以上加える必要ない。とはいえ、数字とスートのゲームとなってしまうとどうしても「あのゲームとどう違うの」になるだろうしなあ。ルールを加えたくなる感じもわからないでもないって感じ。とはいえ無駄ではあるしなー。
なにやら話題の奴……なんだけど、個人的にはそんなにピンとこなかった感じ。
「活版印刷」というのが強すぎるらしく。パッチが検討されているなんて話も聞いてて。わたしがプレイしたときは、活版印刷禁止でやった。なので使ったことないんだけど、あれは強そうだとは思った(笑)。ゲーム的には、序盤で戦略を分岐させて教会にいくルートを作りたいという意図があるわけで。そう思うと、禁止するのがいいとは限らないような気もする。
あと、収束しないケースがありそう。インドを目指しても勝てないとき、どうせダメだからあきらめてゲームを終わらせる、いわゆるキングメイカーがいないと終わらない場合がかなりある予感がする。船を進めなくても勝利点を稼ぐことができてしまうのだけど(活版印刷もそちら側だし)、それが意図通りならもう一つ終了条件が必要だろう。
コンポーネントの不親切さは一番気になった。建物には勝利点アイコンを書けたはずだし、商品売却時の勝利点はマニュアルとは別のサマリーが必要のはず。
など正直いろいろある。
とはいえおもしろいし、コマを金庫番にしたり勝利点記録に使ったりというところは美しいルールだ。
要は500円で出すべきゲームじゃなかった。と思うところもある。ゲームがふさわしいかたちを与えられなかったことは不幸なことで。500円だからとはわたしにはいえない。必要なコンポーネントとかカードのデザインとか、バランスの変更とかいろいろ含めて、5000円で作りなおしてほしい感じ……。
2人用ワーカープレイスメント。これたぶんわりとよくできてる。たぶんというのは、遊んだときにルールを一部間違えたらしいからなんですが。
ワーカープレイスメントなんだけど、ワーカーをその場で使う代わりに後宮に送ることができる。後宮に送るとしばらく帰ってこないからワーカーが減ってしまうけど、帰ってくるときに普通より強い効果がある。
意図がとてもわかりやすく、それがちゃんと表現されているようにも思う。
コンポーネントは白黒印刷の紙と手製のチット。それが悪いなんて無粋はいわない。これが好きで買う奴もいる(笑)。
けど、なんかもっとコストパフォーマンスのいい方法はあるだろうなとかは思う。これくらいの水準からはゲームの差より見た目の差のほうが大きくて、きれいならもっと遊ばれるのかもしれないなーとかも。どうだろうな。
中国古武術の師範が、弟子に奥義を伝える。奥義は3つあって、それらが4世代に渡って伝わっていく。できるだけ長く奥義を伝えたプレイヤーの勝ち。いい感じのテーマ。これを、カードを並べて表現するわけなんだけど。
カードは白黒印刷。でも1枚1枚の弟子に名前がついてるし、絵もついてる。よく見ると物語も書いてあったりしてうれしい。
弟子カードには、継承できる奥義のアイコンと矢印がカードに描いてある。矢印がつながるようにカードを置いて、奥義チットを矢印どおりに動かしていく。
そんな修行をしつつ、ときどき敵の道場との抗争もやる。同じ世代の相手の武狭を指名して、殴る。数字を比べて小さい方は死ぬ。そうすると、習得していた奥義は初代の手に戻ってしまう。
これもちゃんと成立してそうだと思った。1回しかやってなくてわからないところもあるけど。
2人用ならではの直接インタラクションがいい。あとテーマともかみあってる気がする。まあゲーム自体はわりと抽象的なんだけど、それを補強するフレーバーテキストがついてるところもいい。
ただ見た目がこう地味だと、プレイされること自体が難しいだろうなあと思う。でもこのゲームは、少なくともカードのデザインに関してはこの味がいい気もしてくる。難しい。
ドット絵の描かれたカードをドラフトして、獲得したカードを使ってチットを集める。同じ色のチットを4枚集めたら勝ち。ドラフトに少し工夫があって、右回りと左回りを同時にやる。
あとはカードの内容なんだけど。相手からチットを奪うとか直接インタラクションがけっこうあったりする。
カードの効果が複雑、というか特徴がなくて、なにをとったらいいかよくわからない。っていうと「この程度で?」っていうくらいの話ではあるんだけど、これはプレイヤーの印象の話だ。カードに2個ずつの効果を持たせてるのがよくないんだと思う。どっちを見ていいかわからない。あるいは、チットの色に特徴があるといいのかもしれない。「赤をとる」と「青をとる」との間に選択肢としての差がないケースが多い。あとインタラクション強すぎ問題も大きい。「どうせ奪われるならなんでも同じ」とプレイヤーに思考をあきらめさせてしまう。それが大きそうかな。
そんないろいろで、カードの選びようがないからドラフトの価値もわからないままだった。
個人的に評価高い。なにより絵がいい(笑)。
じゃあ絵がよくなかったらどうなのかというと、ふつうの評価になるかもしれないんだけど。いや絵って、みんなが考えるよりもずっと重要で、ゲームの一部だと思うんですよ。
まず、お金を使ってカードを買うフェイズがある。場に並んでいる1円から5円までのカードから、好きなものを選んで買う。所持金は番手によって違うんだけど、例えば1番手なら9円しか持っていない。お金は基本的に足りない。所持金がゼロになったら、0円で最弱の「市民」をとる。
そうやって、5枚のカードを持った状態でゲーム開始。スタートプレイヤーはカードを表向きに出す。他のプレイヤーは裏向きに出す。いっせいに公開。一番強い数字の勝ち。勝ったらそのトリックで登場したカードを全部獲得して、得点になる。
それだけ。シンプル。ただ、カードにはちょっとした特殊効果があったりもする。
去年話題になったラブレターみたいな、シンプルすぎるルールでくりかえし前提系の分類に入れてる。
これだけなので、なんだろう、地味というか、悪くないけどフックのないゲームっていう感想になってもおかしくない。でも絵やカードのデザインがほんとにいいのと、あとランダムサプライなのでちょっともう一回遊びたくなる。
ゲーム的なところでは、バランス感覚があってまとまりがいい。特殊効果テキストはあるんだけど、決して煩雑ではない。あくまで軽いプレイ感が大切にされている。そのあたりにぶれがなくて、完成度高く仕上がってる。
プレイヤーが美少女になって、主人公のハートを射止める話。雇われギルドと同じサークル3D6。個人的には今回、一番注目なのがこのサークルの2作だったりする。
美少女には表の性格と裏の性格があって、裏側は非公開。表にも裏にも特殊能力がいろいろあって、それをカードで使う。
えっそれじゃあ、裏の能力使ったらバレるじゃんって話なんだけど、そこは、ゲームマスターが処理するという。ある意味強引なやり方なんだけど、惨劇RoopeRとかもあったし。
昼間は学校でいろいろなイベントが起こって、それによって好感度が上昇する。このときは表側の能力を使う。
夜はというと、裏側の能力を使って陰湿に他人を妨害したりする。この処理をゲームマスターがやるんだけど、けっこう大変そうだった(笑)。
で、朝。夜の結果を受けて、他人の正体を推理する。「あなたじつはヤンデレでしょう!」とかそういうことをいう。当たったら、相手の好感度が下がり自分の好感度が上がる。
わりと適度に情報が出てきて推理できる感じで、楽しいんだけど。
ちょっと思うのはこれ、正体がばれても好感度が下がるだけなのだ。ばれても負けるわけじゃない。それだけの要素を実現するにしては、ゲームマスターにかける負担がずいぶん大きい気がする。
でもまあ、マスターの苦労はかまわないというのはある意味正しい。間違いさえなければ、少なくともプレイヤーは楽しめるわけだ。
いろいろ同人ゲームを見てきた中で、これは悪いというゲームにはいくつか類型がある。同人ゲームのアンチパターンだ。
そのひとつが、ジャンケンをアレンジしたゲーム。カードにアイコンかなにかがあり、その強さが3すくみになっているというやつ。たしかに3すくみというのはきれいなんだけど、ジャンケンはやっぱり楽しくないんだよなーという。
さてこのゲーム。ジャンケンそのものがゲームに組み込まれている。これはもう文字どおりの、手でグーチョキパーを出すあのジャンケン。カードに描かれたアイコンとかそういうのではなく。ここまで思い切っちゃうと逆にすごい。
たしかに、カードを使っても結局最後は運勝負、っていうゲームは多いわけで。それでいいのなら、いっそこれでもいいのかもしれない。いやどうだろう(笑)。
ゲームの感想としては、そこよりも調整が気になった。なにしろジャンケンなので、単純に勝てば有利なのは当然だしそれでいい。でも、それにしても救済が足りない。1回のジャンケンですごい差がつき、差がさらに開いていく。その構造が強すぎる。そこは残念。
もう少し別のルートを用意したり、勝利点を取るほど不利になるフィードバックを入れたり、なんかいろいろいじりたい気がする。
ここまでやったら、これはもうせっかくだから、納得いくバランスのゲームを見てみたくなる。
今回もたくさん出た人狼クローンのひとつ。注目すべき点はなんといっても、こっくりさん。狼が食べる村人を選ぶとき、こっくりさんで選ぶ。
どういうことかというと。まず全員でコインに指を置く。それの動きで食べられる村人を選ぶ。つまり、指に力を込めて動かしていいのは狼だけなのだ。
これすごくない? これならたしかに、ゲームマスターがいなくても秘密の選択を実現できる。
まあ、あとの内容は人狼そのものなんだけど。わたしは人狼ゲーマーじゃないから、人狼部分はゲームに見えない。
とはいえ人狼としてもたぶん怪しくて、なにしろ占い師がいない。たぶんこっくりさん方式で実現できないから。だから、情報がまったくないのに誰かを吊らなければならない。そのあたりはちょっと微妙だろうと思う。
でも、どうだろう。この方式で実現できる役職をなんとか考えて組み込めば、少人数のすごい人狼ができたりしないかな。もしかしていいんじゃないかこれ。っていうのを、ちょっと考えたくなった。
(つまらないことをいえば、素直に伏せカードで選択させればいいんだけど)
テーブルに動物タイルをぶちまけて、ひもでそれを囲む。「ネコ科1枚ごとに何点」とか「夜行性動物1枚ごとに何点」みたいな指示があって。
とても素直に楽しい感じ。ひもでできることを自然にやっていて、それがちゃんと楽しい。ってことは完成度高いといえるんだけど、印象は普通になりがちかもしれない。
タイルのデザインはなんか工夫したい。テーブルにぶちまけるとタイルの向きがバラバラになるわけだから、四隅にアイコンがあるデザインは見づらくなる。アイコンは1タイル1個までにして、代わりに色とか形とかにしたい。
なによりテーマがわかりやすいというか、ずるい。日本で一番普遍的なテーマはけっきょくこのへんのなのかもなーと思った。あえてがっつり世界観を作らない、あくまでコンピュータゲーム由来のファンタジーで、プレイヤーが最初から知っている世界を利用する。
知らなかったらどうなんだろうってのはもはやわからないんだけど。
ドット絵のゲーム今回多かった印象なんだけど、そこもたいへんずるい(笑)。とはいえこのゲームについては、あくまでそういうテーマなのでこれで正解だ。
ゲームは、髑髏と薔薇+ガントレット・オブ・フールズ的な感じといえばわかりやすい(でもそんなに似てない気もする)。シンプルで、ちゃんとおもしろい。
これが別のテーマでドット絵じゃなかったら、どうだろうな。イマイチになりそうな気がする。ありえないんだけど抽象的にしちゃったら、ダメそうだと思う。このテーマだからいい。
ただ考えてみると、プレイヤーは複数いるのに冒険者が一人だったり、カードをダンジョンに埋めたりキープしたりなにをやってるんだろうとか、ゲーム中にふとそのへんに気づいてしまったりはする。
勇者側と魔王側に分かれて戦う。魔王側は一人、勇者側はたくさん。
直球なタイトルどおり、トランプを使う。それ以外にキャラクターカードがついていて、これは絵がドット絵。まただ。前回のワンナイト人狼の影響とかなのかなあ。
すごく関係ないんだけど。魔王と勇者の話って、昔は確かに掃いて捨てるほどあったけど、いまはもうパロディしか残ってない気がする。アニメとか見ててそう思う。いまの若者たちってどうやって生きてるのかなあ。
まあそういうやつだから、我々おじさんに馴染み深いのは確かだ。
1回やったゲームでは、頭数が多い勇者側がずいぶん有利だった。あれルール合ってたのか。それとも展開によるのか。
ゲーム自体はちゃんと遊べるしキャラクターカードの能力もいろいろあって楽しい。「魔王がすごい強くてしっかり連携しないと倒せない!」という展開になるなら楽しそうだと思うんだけど、どうなんだろうな。
追記:やっぱり間違ってたらしい。けっこう違うのかもなのでまたどこかでやります。
ぜんぜんやってないなー。
人狼系と一部の地雷系や一発芸系を除くと、似たようなクラスのゲームがたくさんあるっていうのがいまのところの印象だったりします。まあ世間を騒がせてるアレとかアレをやってないんだけど。
ゲーム面では水準に届いてるのが多くて(あるいは、一カ所直せばというくらい)。あとは、まあけっきょく、絵や見た目で差がつくというか……。
まあ個人的に、絵が占める割合はかなり高くなってるんです。プロパー作品と比肩できる見た目だと星2個分くらい上がります。ていうか同人の絵って、すごいやつはプロよりも上にいっちゃうことあるけど。
これはたぶん、自分だけの話じゃなくて。マニアはなんでもやるかもしれないけど、そうじゃない人はそもそもきれいじゃないと遊んでくれないです。見た目が不足してるものは「それなり」までしかいえなくなってしまってる。と思う。
今回自分が見た中で多かったのがドット絵ですが。あれはそのあたりの空気をどっかで感じて、でも絵描きが用意できない場合に有効なのかなーと思った。技術がなくても、例えば32x32のドット絵なら、1024回クリックすればできる……ごめん嘘ですそんなことないですが、まあ普通に考えて、普通のイラストよりは手間がかからないわけで。でもやっぱり見慣れてくると、ごまかしの技法に見えてくる気もする。次回くらいにはもう飽きられて通じなくなったりするのかもなあ。