上のは箱絵です。
『ヘイムスクリングラ』紹介の2回目です。前回の記事はこちら。
今回は、ゲームの流れについて少し細かく紹介します。
前回とかぶるところもあるかも。
ゲームを始める前にデッキを作る、ということは前回も書きました。このデッキ、どう作ってもかまいません。好きなように遊んでください。マニュアルにはいくつかの例が書いてあります。
シールドかドラフトで遊ぶことが多くなると思いますが、縛られる必要はありません。使うカードも、デッキの作り方も自由です。
ここに書いていない別の遊び方でもいいでしょう。ロチェスタードラフト? バックドラフト? キューブ? なんでもいいと思います。投げっぱなしです。
ゲームの流れを紹介します。
各ラウンドは次のフェイズに分かれています。
まず回復フェイズです。領地にいる各カードの行動回数を回復します。
回復したカードの上には、行動回数分の「行動トークン」を置きます。行動トークンは、そのカードがアクションを実行するために必要になります。カードが領地にいても、回復しなければ使えないのです。
回復のためには、回復コストが必要になります。カードの右端に書かれているのが、回復コストと行動回数です。
最初にいる「家長」は無料で回復できますが、その後に登場するカードの多くは、回復のために資源が必要です。
カードは回復しないと行動できません。回復のための資源を確保しなければ、せっかく出したカードが無駄になってしまいます。
次はドローフェイズです。各自、自分のデッキからカードを1枚引きます。
このゲームのおもな部分を占めるフェイズです。
アクションフェイズでは、スタートプレイヤーから時計回りに順番にターンを行なっていきます。ターンには、なんらかのアクションを1回実行するか、パスします。パスをしたら、そのラウンドはもうターンが回ってきません。
アクションは必ず、あなたの領地にいる誰かが行ないます。まず行動するカードを指定し、次に実行するアクションを指定します。
選んだアクションがプレイスカードのものなら、行動するカードからプレイスカードの上に行動トークンを移動します。
プレイスを使わないアクションもあります。その場合は、そのカードの上から行動トークンをストックに戻します。「消耗させる」といいます。
テーブルの中央に並んでいる共通プレイスカードは10枚あります。これらが、もっとも基本的なアクションです。
「漁場」「森」「鉱山」「聖地」は基本的な生産アクションです。それぞれ、食料、木材、鉱石、魔力を2個生産します。
「探検」と「交易」は「交易場」に関連するアクションです。探検をすると交易場に資源が乗せられ、交易をすると、手札を捨てる代わりに交易場から資源を獲得できます。
「議会」は、スタートプレイヤーを獲得します。さらに1勝利点がついてきます。
「祝宴」は勝利点を獲得するアクションです。4種類の資源をそれぞれ1個ずつ支払うことで、4VPを獲得します。VPはゲームの目的なので、このアクションはとても重要です。
「神託」は、共通プレイスカードを裏返すことができます。裏返った共通プレイスカードは、少し強くなります。自分が多く実行できそうなプレイスカードを裏返しましょう。
最後に「遠征」です。ふつう、プレイスはワーカーだけが利用できますが、遠征はソルジャーが使います。
ちなみに、最初は遠征を実行できません。遠征をするためには「神託」で裏返す必要があります。
裏返すとこうなります。
遠征をするためには鉱石が必要です。
遠征では、ターンプレイヤーと他のプレイヤーが1回ずつ戦闘をします。戦闘では、参加したソルジャーたち(や兵器など)の戦闘力の合計を比べます。大きいほうが勝利し、勝利点を獲得します。
戦闘は対戦相手の数だけ起こります。全勝する必要はありませんが、多くの相手に勝利できる戦力を整えてから遠征したいところです。
防御に勝利したときも勝利点を獲得できます。この得点は大きくはありませんが、決して馬鹿になりません。
遠征は祝宴と並び、主な勝利点獲得手段の一つになるでしょう。
最初からいる「家長」はプレイヤー自身です。ワーカーとして働くほか、手札からカードをプレイする能力を持っています。
プレイしたカードは領地に置かれます。この能力を使うことで仲間が増え、領地が次第に発展していきます。
カードのプレイには資源が必要です。カードの左上に書かれているのが、プレイのためのコストです。資源のマークはその資源チット、白い四角は、任意の資源または手札を1枚捨てることで支払うことができます。
ワーカーで資源を獲得し、それを使って家長がカードをプレイする、この流れはこのゲームの主要な部分を占めます。いつどのカードをプレイするのか、そのためにどうやって必要な資源を獲得するのか、手札と資源のマネジメントが大切です。
家長は両面になっていて、資源を支払うことで裏返り「王」になります。王になると、ゲーム終了時の勝利点が増えます。これも重要な得点源のひとつです。
ゲームの流れの中でいつ王になるのか、それをうまく判断することも大切です。あるいは、あえて王にならない戦略もあるかもしれません。
ゲーム開始時に、プレイヤー人数×20点分の勝利点チットをストックに用意してあります。これが尽きたら、そのラウンドを最後までプレイしてゲーム終了です。
さらに領地のカード1枚につき1点を加算し(「王」になっていれば2点)、もっとも多くの勝利点を稼いだプレイヤーの勝利です。
今回はゲームの流れを紹介しました。
いろいろありますが、やることは簡単です。自分の領地から行動するカードを選び、実行するアクションを選ぶ。この流れを把握してしまえば、だいたい大丈夫だと思います。
デッキを作り計画することが、このゲームの最大の特徴です。1回遊んでゲームの流れをつかみ、もう一度やってもいいと思えたら、次はぜひシールドやドラフトなどでデッキ構築を試してみてください。
だいたい紹介してしまったので、次回はたぶんカードの紹介かなにかします。
みんなでシール貼りから。カードがすごい枚数あって、ドイツ語の文章が書いてあるので日本語シール貼らないと遊べない。手伝ってくれた友人たちありがとう。
シュテファン・フェルトのゲームで、ドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門にもノミネートされてた奴。ただ、フェルトはノットフォーミー率がすごく高い(笑)。いつも面白そうなんだけどねえ。
なので警戒してた。
でやってみると。これはクソゲーですね!
クソゲー見ると楽しくなる性格悪いボードゲーマーなんだけど。
カードの引き運の上にダイスの運を重ねた運ゲー。乱数装置を重ねるとだいたいダメです。あとは、要素を入れすぎたまとまりのなさとか。カードが150種類以上あるけど同じ効果ばっかりというダサさとか。などなど。
でも、複雑だけどやることはカードをプレイするだけ、というわかりやすさはいいところ。なんかもう少しいろいろ調整すればいいんじゃないかと思うところもある。
そう嫌いでもない。おもしろく遊んだし。
クソゲーか研究しがいのあるゲームかというのは紙一重だなと思う。煩雑だとか、バランス悪いだとか、そういうのは、研究しがいのあるゲームにはある程度必要なことだ。最近は、わざとそう作ってるゲームも多いと思う。
シンプルなクソゲーは救いようがないけど、複雑なクソゲーは何度か遊ばれるかもしれない。遊んでいればだんだんおもしろくなってくることもある。とか思う。
25個の部屋があって。そこに閉じこめられた囚人たち。各部屋にはいろいろな罠が仕掛けられている。もちろんその様子は全世界にテレビ中継されている。
バトルランナーとかキューブとかのデスゲーム映画の世界観を再現しましたっていう奴。キューブっぽく、部屋を動かしたりできる。
完全協力ゲームのルールもあるんだけど、この日は裏切り者がいるルールで2回やった。ちなみに5人。
最近の協力ゲームの問題はいつも同じで、秘匿情報をどこまでしゃべっていいのかが曖昧なところだ。このゲームの場合、裏向きのタイルを自分だけが見るのだけど、それがなんだったかをしゃべってはいけない。ただ「安全」「警戒」「危険」の3カテゴリのどれだったかだけはしゃべれる。そこを定義してあるのがいい。余計なことをなにもしゃべってはいけないというルールで遊べば、厳密に遊ぶことができる。
そういえばHANABIとかもそうだった。相談しない協力ゲーム、流行だったりするのか。
でもやっぱり、ふつうゲームやるときはいろいろしゃべるわけで。せっかく協力してるんだからしゃべりたいし。ルールにしゃべるなと書いてあればいいけど、そうでなければ、まあ、そんなに厳密に遊ぶなというところか。
それはともかく、おもしろかった。裏向きのタイルを表返すのはわくわくするし、他のプレイヤーの思惑を読んで協力する感じも楽しい。
あとテーマがいい。
Hexbug nano を使うパーティゲーム。もう見た目のとおり、自分の領地に Hexbug nano を誘導したら得点。3秒で説明できる。
ゲームに付属している Hexbug nano は1個なんだけど、うちにあったものを足して4個放り込んでやってた(笑)。
遊んだことある人にインスト受けたので遊べたけど、見せてもらったルールブックでは記述がぜんぜん足りない。一生懸命書いてないことまで解釈してどうにか遊べるというくらい。
ゲームはというと、カードを集めてセットコレクションをする。カードを引く手段は、山札から引くか、場に並んでいるものを買う。手札からコインを出せば銃弾とか手下とかを買える。あと、逆に手札のカードを場に出して代わりにコインを獲得することもできる。
銃弾と銃を使えば他人を攻撃できる。攻撃されたら、手下を捨てる。手下がいない状態で攻撃されたら脱落。
とまあそんな感じなのだけど。山札のカードが少なくて、すぐになくなってしまう。攻撃は単純に損だからやりたくないし、山札がなくなって誰も引けなくなって膠着状態になった。というかだいたいそうなると思うんだけど、なんだろう、損得を考えずに攻撃する前提なんだろうか。
銃をつきつけて「脅迫」をしていいことになっている。「撃たれたくなければカードをよこせ」というやつ。そこはおもしろくて、そういう交渉のかたちを明文化したシステムにするのはいいかもなーと思った。
しかし脅迫が成立する条件は限られてるのが難しいところ。渡さなきゃ損、渡しても損なら渡さないわけで。
あと交渉ルールがある。チーム戦で仲間がいるので、仲間がわかれば(あるいは陣営を謀って)交渉ができる。今回はそういうゲームが1回あった。わかっててそういう展開にすればいいのか。
これすごく好きだけど持ってなかったのでこないだ買った。
値づけを変更できないオークション、すごい拡大率の拡大再生産、後半に集中して起こる災害。あと得点の上限が人口で決まるルールがとてもいい。なんかすべての要素がすごくいい。
コンポーネントは安っぽいし、タイルのデザインとかも、機能性はともかくきれいさはなくて。日本風にいえば同人っぽい。というかこのパブリッシャー、同人と大差ないのだけど。やっぱりゲームは見た目より内容なのかなあとも思う。
プレイは5回目くらいだと思うけど、改めておもしろいなあと思った。勝てなかったけど(笑)。
1ラウンド目に人口が減る兵舎を建ててしまって、終始人口不足に悩まされた。でもこの建物、土地は増やせるので資源はすごい出る。あとはペスト避けの建物を建てられればよかったんだろうなあ。そのためにコイン残しておくべきだった気がする。
袋からタイルを手探りで捜すアクションゲーム。そこに特化している作りで、これがすごくよくできてる。
タイルの裏の素材がいろいろ違っていて、手触りが違う。紙やすりとかフェルトとか、エンボスとか。
その手触りとかたちで、あるていど自分が欲しいものを捜してこれる。これすごい。楽しい。袋からサーチする系ゲームはいろいろあって楽しいのも多いのだけど、その中でもこれは完成度高い。
ゲームの性質上、コンポーネントの耐久性は気になりそう。
CEDECというイベントがあったらしく。別にわたしが参加したわけじゃないけど。コンピュータゲームの開発者たちが集まるイベントらしい。楽しそう。
で、そこの話題を追っていたら「ナラティブ」という言葉が聞こえてきた。物語性、くらいの意味なのだが、これがいま、欧米のゲーム開発者たちの間で注目されているのだという。
↓のあたりでも見てください。
なんだろうこれ。「ゲーム性」と同じかそれ以上の炎上特性を感じるような。というのはともかく。
ゲームと物語、ルドロジーとナラトロジーというのは、昔からしょっちゅう語られていた話ではあって。イェスパー・ユール(ジェスパー・ジュール)とかがいろいろ書いてておもしろいのでそっちを読むといいですが(あっちでも炎上するらしいけど)。
ここではあんまりめんどくさいことは話さない。とはいえなんの定義もないというわけにもいかないので、とりあえずここでのわたしの理解くらいで、
「物語を読んだときに似た感動を、ゲームプレイから感じること。またそれを起こしやすいゲームの性質」
とかそんなところかと思う。
くりかえすけど定義論とかする気はないので、ここではこういう意味の話をしてると思ってほしい。細かいこといわなければだいたい通じると思ってます。
ところで、わたしが話したいのはもちろん、もっぱらボードゲームのことだ。
物語そのものである必要はない。と思う。というのはつまり、キャラクターも世界観も必須ではない。そういうのがあっても物語性あるとは限らないしね……。
というか、ボードゲームはそういう饒舌な表現が苦手なのだ。特にドイツ流のボードゲームは。使える手駒は少ない。ゲームシステムと、あとボードやカードのイラストが少々、というくらいだろう。
だから、言葉や映像を介さずに表現できる物語の要素を考えたいのだけど。
物語、といえば起承転結じゃないだろうか。
いや序破急でもなんでもいいのだけど、ともかく物語にはそういう起伏がある。
ちなみに、ここにはわたしの解釈が含まれている。物語にだっていろいろあって、起承転結がない物語だってある。けど、たぶん、ゲームにわざわざ物語性を感じたいというのは「出来のいい物語を感じたい」のだと思う。つまらないものの話など誰もしたくない。
出来のいい物語ってなんだろうということで、とりあえずわかりやすいところでは起承転結かなあというのが、ここでの解釈になる。
ボードゲームの限られた用具では、コメディもロマンスも無理だろう。でも起承転結だけなら、ゲームシステムだけで表現できそうな気がする。
上に紹介した記事では『風ノ旅ビト』が例として出てきていたりする。あと『ファイナルファンタジー』はナラティブじゃないよねなんてこともいわれている。
そのへんのニュアンスは超微妙だが、物語を言葉で直接語るのではなく、ゲームプレイを通じて想起されるようなものということになっている。作家が書いたお話そのものではなく、プレイヤーがゲームプレイから感じるものでなければならないと。
映像表現や文章はあってもいいが、なくてもいい。コンピュータゲームと比べたら表現力に乏しく、ほとんどゲームシステムしかないといってもいいのがボードゲームだが、それでも表現できる部分がある。そういう話だと思う。
あいまいな話だしいろいろあるだろうけど。ひとつの理解としてはそんなところじゃないか。
つまり、局面の多様な変化じゃないだろうか。感動つまり感情が動くときというのは、状況がなにか変化したときではないか。
ずっと変わらない単調な作業に物語はない。
そしてその変化が、起、承、転、結という順に発生するようにデザインされているということじゃないだろうか。おもしろい物語に似た展開を作るために。
そう思ってみると、そんなことを感じるボードゲームはたくさんある気がする。特に、傑作といわれるゲームに多い。かもしれない。
いい例は『カタンの開拓者たち』とか。開拓地を建て、都市を建て、ときには盗賊にジャマされ、ゲームの状況は常に変化する。変化は感動の元なので、これはひとつの必要条件だ。そうして拡大していくのだけど、途中で、拡大が難しくなる。カタンは、8点まではわりとスムーズにとれるがその先がとりづらく、足踏みすることになる。起承転結の「転」が、そのあたりで起こりやすい。
カタンの手法はたぶん、ひとつの典型だ。ゲーム終了の手前で足が止まるようにして、そのあたりで逆転が起こりやすくする。状況が大きく動き、物語性を感じやすくなる。
ゲームで起こるイベントの順序をあらかじめ決めておくという手もある。『ティカル』では、登場するタイルの裏にアルファベットが書かれていて、登場する順序がある程度決まっている。最初は弱いがだんだん強くなっていき、しかし最終盤にはまた少し弱めになる。これはまさに、ゲームデザイナーがそういう脚本を書いたんである。
劇的に状況が動くイベントを何度か仕込むというのもいい方法だ。『ユニオンパシフィック』には、いつめくられるかわからない決算がある。いつ起こるかわからないのだけど、山札のこのあたりに入っているということだけはわかっている。セットアップで山札を作るときに、このあたりに入れろと指示されているのだ。つまりこれも、ゲームデザイナーが書いた脚本だろう。『パンデミック』あたりもこの手法をとっている。
そんな風に、起承転結の演出が組み込まれたゲームが、ボードゲームにもあるのだ。
とか。
物語性といいながら、あんまりそれっぽいこと書いてないなー。
テーマ性とかキャラクターや世界観とかそういうのも、もちろんある。あったほうがいいと思う。でもたぶん、そういうのを使うにしても、ここに書いたような話が必要になるんじゃないかという気がする。
バズワード臭はしても大事な話ではある気がして、だから考えてたんだけど。自分の理解はけっきょくそういう感じになったという話。
じっさいのところこのあたりのことは、物語とか関係なくゲームだけの話として語れる。それで充分に語られてきたことでもある。わざわざ新しい概念を持ち出さなくてもというところはあったりする。ボードゲームに限定して解釈しちゃうとそうなるのかもなー。
種族の選び方を書いてこなかったのだけど。じっさいの話、種族選びはものすごく大事だ。
ただ思うんだけど、そういう遊び方されてないんじゃないかなあ。たいていは、好きな種族を選んで遊んでると思う。そしてそれでいい気がする。
とはいえルールブックには、スタートプレイヤーから順に種族を選べと書いてあるわけで。今回は、種族の選び方を書きたい。
いきなり他力本願ですが(笑)。こちらに種族選びのことが少し書いてある。1ラウンド目になにをすべきかという記事なので、それに合わせて選ぶという切り口からの話。
じっさい種族選びって、将来の計画を全部立ててからやるのはけっこうきつい。1ラウンド目の動きを元にするっていうのは、ひとつの基準としてわかりやすくていい気がする。
あと今回の話とは関係ないけど、1ラウンド目に開拓地を建てろっていうのはじっさい、多くの場合で正義だ。
こういう他の人の攻略記事を読むの楽しい。読んでて思うのだけど、これわたしの口からは出てこない話だなーと思う。このゲーム、複雑すぎて、人によっていろいろな捉え方がある。
わたしがここに書いてる攻略記事にも、当然、反論があるだろう。いろんな人の話を読みたいと思ったりもする。
そしてけっきょく、読んで鵜呑みにするよりは自分の経験から実感できた方法のほうが有効だったりする気もする。……いろいろ書いといてアレだけど。
得点タイルの得点はかなり馬鹿にならない。というか勝負を決める要素の数割はこれだ。その中でも特に、大量に得点できる場合については見逃さないようにしたい。
一番わかりやすいのは、鋤で2VPになる奴。これが4ラウンド目にある場合、有利な種族はなにか。ハーフリングに決まっている。この場合はわかりやすく1番手プレイヤーがハーフリングをとる。
ただし他にも乗れる種族はある。ダークリング、スウォームリング、アルケミストあたりだ。前後の得点タイルの流れによっては、ハーフリングよりいいこともあるだろう。
そういう極端なケースを逃さないというのが、まず大事。
大量得点というのはつまり同じ行動をたくさんやる機会という意味で、主に後半の話になる。だいたい4ラウンド目以降だ。鋤以外だと、開拓地2VPや交易地3VPで大量得点ラウンドを作れる。
開拓地で大量得点を作れるのは、主に開拓系の能力を持った種族と、最終ラウンド近くのドワーフやファキアあたり。
交易地の場合は、開拓地をたくさん建てたあとでそれをまとめて交易地にするケース。4~5ラウンド目にそれをやる種族はわりとある。あと、最終ラウンドのエンジニアあたりはけっこういける。
砦/聖域の5点も充分大きい。
ただ、これだけで選べるほどでもなかったりする。けっきょく2回しか機会ないし。砦/聖域のタイミングを基準にすると考えやすいのだけど、それだけで種族を選んでしまうのは危険かも。
街も似たようなもの。
教団ボーナスで鋤が出るときは、教団が得意な種族を選びやすい。教団は計画が立てづらいのだけど、うまくはまると強い。
基本的に開拓系種族のほうが安定しているので、種族はそちらから選ばれる。と思う。だから、番手が遅めのとき対抗する手段として教団系を選ぶという面がある。
あと上述のリンク先の話で、1ラウンド目に開拓地を建てられない場合。1ラウンド目の教団ボーナスで鋤を取りにいくというのは回避策のひとつで、それも種族選びの基準のひとつになりうる。
特に番手が遅いとき。他のプレイヤーがとった種族から色が遠いものを選ぶ。これだけでも、けっこう有利になれたりする。
他に決め手が思いつかなければ、これだけで選んでしまってもそれなりにいける。
最初にも書いたけど。じっさいのところそうなんじゃないかなあ。
種族をガチンコで選ぶような遊び方はふつうしてないし、全種族の研究なんてしてるのはごく一部の人だけだ。それよりも、好きな種族を使って楽しく遊べばいいと思ったりする。
ガチゲーをやるとしても、現実的な話でいえば、3個くらいの得意種族を持っていればだいたいのゲームに対応できる。全部研究する必要なんてない。当然得意種族のほうが高得点をとれるだろうし。
そんなわけで、ここまで書いた攻略を否定するようなこといってるけど。そんなもんでしょう。やりたい種族を選ぼう。
弱いといわれがち。じっさい強いとはいえない(笑)。ただ、開拓系の能力を持った種族というのはそれだけで一定の強さがある。このジャイアントも、やってみれば印象よりは点が伸びる。
動きは、なによりまず砦。これがないとほとんどなにもできない。1ラウンド目に建てる。この砦、土地を問答無用で変換できる能力は文句なく強い。加えて、パワーが5出る効果もとても強い。じつはパワーアクションで戦う種族だ。
砦を建てると開拓できるようになるので、開拓地を建てるのだけど。早めに神殿がほしい。【開拓地2点】の恩恵タイルがぜひ必要だ。
余談になるけど。なんかこれ、ほとんどの種族で書いてる気がする。この恩恵タイル、誰にとっても強いのだ。そう思うと、4人以上の場合1ラウンド目の手番順がさらに重要になったりするのかもしれない。わたしはまだそういうゲームの経験が少ないのだけど、もしも本当にこの恩恵タイルが早い者勝ちになるのなら、砦から入らなければならない種族は不利なのかも。あるいは、手を曲げて神殿から入ったりするんだろうか。
さて、そこから先。砦能力で6回土地変換できるから、街2個+1マスが確定している。あと3マスで街3個分になる。土地があればだけど、がんばれば狙うことはできる。船を使って、最初から赤い土地をうまく使えるといい感じになる。
あと、鋤レベルを上げる手もあると思うのだけど、やっぱりなかなか難しい気もする。
どう考えたって砦に頼らなきゃならないわかりやすさがあって、やりやすい。まあ弱いといわれている種族だし、勝ちきれないかもしれないけど。
ノマドの下位互換? たしかにノマドは強いのだけど。いちおう巨人の利点はある。砦と交易地から出るパワーだ。ノマドの場合パワーは他の種族からもらうのだけど、巨人のパワー生産は他のプレイヤーに左右されない。また、安定しているぶん配置で無理をしやすく、例えば妨害に向いているかもしれない。
あとは、鋤の得点タイルで4点とれるとか……。
変態種族その3。なんかもうぜんぜん違うゲームをやらされる。
初期の開拓地が1個というのはもう大変な不利なのだけど。代わりに、恩恵タイルをとるときに2枚とれる。つまり、開拓地が足りない分は恩恵タイルで生産力を上げろと。
最初はとにかく神殿。
恩恵タイルのとりかたにすごく幅がある。研究しがいがあると思う。とりあえずワーカーもコインも足りないので、生産力から入るのが基本ではあるだろう。けれど、それより教団ボーナスのほうが大事かもしれない。あと、やっぱり早めに勝利点系をとっておくことも大事。
神殿→聖域で恩恵タイル4枚なのだけど、それじゃ足りない(笑)。神殿をもう1件以上建てたほうがいいと思う。
あと、砦も悪くない。ワーカー2個出るし少し安いし。ただ、神殿が強すぎるから積極的には建てないなあ。
あらかじめ手順を決めるというよりも、途中の選択肢が広いので盤面に合わせていく種族だと思う。発展のかたちも、いろんな最終形がありえる。わたしが充分に研究できてないせいもあるかも。なのでここに書けることが少ない(笑)。
選択肢が広いだけに、うまくはまるとすごい伸びる。街3個作ってるところをよく見る(点になってるかどうかはともかく)。でも失敗したり邪魔されたりすると極端に苦しくなる。腕がものをいう感じ。
初期配置3個というのが強い。多くの種族に隣接してパワーをもらいたい。
あと、砦。これも強い。1ラウンド目に建てるのは間違いではない。ただ、しょせん地形を変換しているだけではあって。結果的に苦手地形を変換するなら得だが、その必要がないなら大した得にならない。他に地形変換の手段を用意できるなら、砦は必須ではない。
やはり初期3件というのが一番の特徴になる。パワーをもらいまくる展開を作れれば有利になる。また、自然に街3個を目指せるから積極的に狙っていきたい(無理なときは無理だけど)。
恩恵タイルはもちろん【開拓地2点】がほしい。もう1枚は【交易地3点】をとりたいけど、街3個のための資源が足りないと思えば生産系でもいいかもしれない。
つまり、砦を先行しないならおおむね基本どおり。勝利点をとる能力はないから、恩恵タイルなどでとれる機会を逃さずとる。
パワーが潤沢にもらえてるとうまくいく。ってそりゃ誰でもそうなんだけど、初期開拓地が3件だからそうなりやすい。
きつい種族。というかドワーフに対して有利な点があまり思いつかない。いま一番弱いと思っている種族だ。
砦は弱い上に高い。ひとまず存在を忘れていい。2マス飛ぶ能力は得点手段としてそれなりに有効なので、終盤に建てるなら悪いわけでもない、くらい。あと接続用。
で初動は神殿。
目指す最終形は、神殿1~2個+聖域(恩恵タイル3~4枚)。神殿を多めに建てる。あと神殿で得た司祭を早めに教団に送って教団ボーナスを狙う。
ちなみにこれ、じつは種族によらない話だったりするのだけど。最初の基本編に書いた手順では、恩恵タイルは神殿と聖域で2枚としていた。各種族の攻略もだいたいそれにしたがって書いていたのだけど。いまさらだけど、あれは少し乱暴で。教団ボーナス、特に鋤を拾えそうな展開のときは、神殿を多めに建てることができて、そのほうが点が伸びたりする。
ファキアはそもそも弱い。教団ボーナスでももらわないとやっていけない。そういう意味で、別に教団に強いわけでもなんでもないけど教団ボーナスを狙っていく。たぶん。
似たような話は、特徴が少ない種族ではだいたいあてはまる。ウィッチとか、マーメイドとか、砦を使わないノマドとか。得点能力がある分、種族の性能自体はファキアも悪くない。それなのに弱い印象の原因は、地形の弱さと種族相性だなーというところがある。
というわけで、戦い方はたぶんそんな感じなのだけど。じゃあファキアを選ぶ理由があるのかといったら、ここまでの話では、ないのだ。
そこで、どういうときにファキアをとるのかを考えたい。
まず、種族の相性。隣接色の茶、赤はもちろん、ひとつ離れたダークリングやドワーフあたりに邪魔されることもあるので注意。なにしろもともと地形が悪く、街を作る土地が不足がちだ。邪魔されるとさらにきつい。
いっぽう青と緑はおおむね味方。
このゲーム、隣人の動向はとても大きな要素だ。これだけでも充分黄を選ぶ理由になる。つまり番手が遅めのときに消極的に選ぶという話ではあるけど。
次に、得点タイルの流れ。ファキアの特徴は、最終ラウンドに絨毯飛行を使って少し加点できるところ。絨毯飛行には貴重な司祭が必要なので、終盤に司祭が余るまではなかなか使えないのだけど、最後に追い込みで使うだけでも悪くない点になる。というわけで、最終ラウンドの得点タイルが開拓地2点だといい。絨毯飛行でうまく得点できれば、街1個で足りることもある。
あとは、上にも書いた教団ボーナス。鋤を何回かとれないときつい。
そのあたりで条件が揃えば、選ぶこともあるかなあという感じ。じつは個人的には嫌いじゃないんだけど。